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「麻州の光」と祖父の墓参り 古沢襄
私の手元に「麻州の光」というブラジルで伝道の一生を捧げた山崎長文氏の本がある。裏表紙に「古沢襄様 山崎長文」の署名があるから、未知の人ではない筈だが、私はブラジルに行ったことがない。山崎氏が帰国した折りに会って頂戴したものなのだろう。感動的な伝道の書なのだが、本の内容から信州に縁がある人と分かる。(麻州の光の伝道書)



私の母は信州・上田で生まれた。母の父、つまりは私の祖父に当たる人は山崎由信という。母・古沢真喜の伝記小説「幻の碧き湖」を書いた田村俊子賞作家の一ノ瀬綾さんは、山崎由信の生地である信州・上山田村に訪れていた。現在の千曲市。上田市の北部に隣接している。

山崎家は地元切っての豪農。祖父は、その家の次男で東京の中学を出て、母の実家に養子入りしている。申し分ない縁組みにみえたが、大酒飲みだったことから二年後に離縁となった。私の大酒飲みは、この祖父から受け継いだのかもしれない。祖母は”上田小町”といわれた佳人だったが、祖父が離縁となった時に母を身籠もっていた。

だから母は実父の顔をみたことがない。昭和六年に作家・古沢元と結婚した母は帰郷して、山田温泉に行っている。温泉旅館の女将は祖父の長兄で銀行の頭取だった人に縁がある女性であった。女将の息子の代になっていたが、この主人は「山崎のご隠居さまが去年亡くなりました」と声をひそめて教えてくれた。

母にとって、この旅館は初めてではない。上田高等女学校から東京の実践女子専門学校英文科に入学した夏に一人で十日間ほど滞在していた。知らせを聞いた祖母が旅館に迎えの車を寄こしている。旅館のご主人がいったご隠居さま、山崎由信の母である。私のとっては実の曾祖母に当たる人である。

「十八年も会えずにいた孫に会いたい」と母に伝言があった。祖父はすでに亡くなっていた。温泉場から少し入った山の中腹に山崎家がある。白壁に土塀をめぐらせ、黒鋲を打った頑丈な門構えの邸内に、大小の庭園が広がる城郭のような屋敷・・・と一ノ瀬綾さんは書いている。

「これが、由信の真喜かえ・・・まあ、まあ、こんなに大きくなって」とご隠居さまは、さめざめと泣くばかりであった。母は見たことがない父親の墓に初めて詣でている。銀行の頭取は健在で、その長男夫婦とご隠居さまの四人暮らしだったという。次男がアメリカに留学していると告げられている。

あるいは、この次男が山崎長文氏なのかもしれないが、確かめるすべがない。別人かもしれないが、千曲市の山崎一族に縁がある人のように思う。「麻州の光」を読むと一九七一年に信州の上山田温泉郷近くの漆原(うるしばら)に行って肉親の人々に迎えられた記述がでてくる。古風な門は昔のままで、庭園が昔より広々として美しくなったとある。上田中学の卒業生だから私の先輩ということであろう。

夏になったら一ノ瀬綾さんに案内をして貰って、祖父・由信の墓参りをしたいと思っているのだが・・・。一升ビンを下げて、見たことがない祖父と酒を酌み交わすつもりでいる。
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コメント
古澤襄様

拝啓
私は長野県千曲市に住む山と申します。
何気なく、グーグルで「山崎長文」を検索していましたら、杜父魚文庫ブログ(2007.02.10)「麻州の光」祖父の墓参りを発見しました。
続いてすぐに、(2010.07.30)千曲市上山田にある祖父の墓、(2010.08.05)「直視人心 見性成仏」の見性寺を見つけ出し、いささか興奮を覚えました。
さっそく、我が家の仏壇に備わる過去帳の中に、菩提寺である見性寺から頂いたであろう戒名と俗名由信を確認しました。
間違いなく貴方の母方の祖父由信さんの生家は私の家ですし、長文さんの生家でもあります。
すぐにこのことをお知らせすべきとも思いましたが、その前に小説「碧き湖」を読んでみたくなり、私の次男に頼んで捜させ、読み終えたところです。
私の素性と何代か遡っての関係者について、私の知る範囲をお伝えしたいのですが、ブログのコメントを使ってでは不適切と思い、あらためてお伝えしたいので、貴方のメールアドレスなり連絡方法をお知らせ下さい。
ぜひ近い将来、二人の娘さんをお供に我が家を訪れ、一升ビンを下げての墓参りが実現することを楽しみに、第一報とさせていただきます。
敬具


| 山善彦 | 2013/03/28 5:21 PM |
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