<< 高慢ちきの哀れ 渡部亮次郎 | main | 山崎副総裁は再訪朝も辞さず 古沢襄 >>
烏五千羽夕陽に向う 古沢襄
東北の温泉地で知られた花巻市に夕刻になると烏が約一万羽現れるという。河北新報が伝えた。この記事をみて藤原審爾の「烏五千羽夕陽に向う」の小説を想い出した。一九七五年の作品。この地球で何かが起こっている象徴的な小説だったと思う。。(藤原審爾の小説)



藤原審爾の小説は衝撃的な結末で終わっている。散弾銃を持って烏退治した男が雪の急斜面から滑り落ちて松の根もとで倒れていた。助けにいった男は烏が一羽、男の目に嘴(くちばし)をぐさっと突っ込んで死んでいる。男は白眼をむいてかっとみひらいたまま、動かなくなっている・・・小説の捉え方は様々であろう。仲間を射殺された烏の復讐!今なら自然破壊をしてきた人間に対する警鐘!と言った方がいいかもしれない。

イギリスの映画監督・アルフレッド・ジョウゼフ・ヒッチコックの作品に「鳥」がある。一九六三年の傑作。鳥の群が人間に襲いかかるシーンはスリラー映画そのものであったが六〇年代の日本はまだ貧しかった。

やはり高度成長期に入って豊かな時代を迎え、飽食が当たり前になり、列島改造計画がダイナミックに進行して、自然破壊が行われると、人間が自然によって罰を受けるのではないかという怖れ、おののきが生まれている。

科学的には温暖化、エルニーヨ現象など説明が為されるが、地球規模での対策となると、先進国は今の豊かさにブレーキをかけるのには消極的。後進国は豊かさを求めて先進国が犯した誤りの道を追いつくべく突き進んでいる。

鳥による奢れる人間に対する復讐は絵空事ではないのかもしれない。何年か前のことだが、中国の青海湖でインドガンが折り重なって斃死していた。インドガンは夏になるとインド北部からシベリアのバイカル湖を目指して”渡り”を始める。バイカル湖には二度訪れたが、インドガンは産卵を終えてインド北部を目指して飛び立った後であった。

中国の青海湖、モンゴルのウブス湖は、その飛行経路の中継地になる。インドガンは渡り鳥の王者の風格を備えている。インド北部から昆崙山脈を越えて飛来したインドガンが青海湖で斃死してバイカル湖まで飛べなかった原因は鳥インフルエンザに冒されたためであった。

鳥インフルエンザは渡り鳥によって拡散されるという。日本にはインドガンは飛来しないが、他の渡り鳥がシベリアから東南アジアを目指してやってくる。日本も中継地になっている。渡り鳥によって持ち込まれた鳥インフルエンザが、カラスやニワトリに伝播して広がるというメカニズムであろう。

鳥インフルエンザが鳥だけのものならいい。それが人間に感染して死亡例が東南アジアですでに出ている。さらには鳥インフルエンザが人間から人間に伝染すると、その被害は中世のヨーロッパで発生したペスト被害を上回るという。烏も一役買うわけだから空恐ろしい世の中になった。
| - | 14:37 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







スポンサーサイト
| - | 14:37 | - | - | pookmark |







コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://kajikablog.jugem.jp/trackback/476937
トラックバック

CALENDAR

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< December 2019 >>

SEARCH

SELECTED ENTRIES

RECENT COMMENT

CATEGORIES

ARCHIVES

LINKS

PROFILE