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書かないということ 渡部亮次郎
私が原稿を書くのは自身のメイルマガジン『頂門の一針』といくつかの月刊誌だけである。だから別に苦痛を感じることはないが、ネタが無くなったらどうしようと考えることはある。

ネタが無くなったら書くのを止めればいいだけの話、悩むことは無い。しかし幸いにもネタの涸れたことは1度も無い。涸れたかなと思えるときでも、何かが浮かんでくる。

しかし、先輩の一人が「筆が荒れるよ」と忠告してくれた。既に荒れているからだろう。そこで2007年に入ると同時にメルマガの配信を隔日にして見た。納得。

なるほど、せかされているわけじゃないから、物事をじっくり考える余裕が出てくる。ならば「荒れ」が治るまでメルマガの配信は不定期にしよう、気の向いたときに出すようにしよう、と考えている。

文章を書くようになったのは高校に入った時が初めてだった。何かに突き動かされるようにノートに向かい、小説を書いた。考えを自由に表現するには小説が最適であったからである。

しかし大学に進むと小説は止めた。その後、図らずもNHKの記者になり、事件、事故を報道するために、待ったなしで原稿を書く破目になった。

NHKでは4月に大学卒業の記者の卵を研修所に合宿させてニュース原稿の書き方を3ヶ月も教えるが、途中採用の私は招かれず、文章は自己流で書いた。デスクに採用されるにはどう書いたら効力があるか、自分で考えた。

のちに東京の政治部に呼ばれていわゆる政治記者になったが、ここではもはや原稿の書き方をとやかく言うものはいなかったから、自由に書いた。いわゆるNHK的な原稿ではなかった。

NHK的原稿とは何か。逃げを打った原稿のことである。自分の見通しが外れたときに言い訳が出来るように書いておくことである。早い話が断定は避けること。NHK批判が出れば出るほどNHKニュースが精彩を欠くのはその証拠。逃げばかり打っている。

こういう見方もあるがああいう見方もあって「成り行きが注目されます」と結ぶ。しかし、聴いているほうからすると無責任甚だしい原稿ではないか。

私はそういう原稿は書かなかった。むしろ逃げを打たなければいけない時には書かなかった。最近の記者は「見通しは不透明です」と逃げるが、それは己の取材不足で不透明なだけで、実態は結論が出ている話が多いのだ。

たとえば小泉さんは郵政民営化法案が参院で否決された時に衆院を解散するという前代未聞の決断をした。あの時にこれをはっきり見通して断言できた現役記者は一人もいなかった。それは小泉さんの人間性の研究を尽くした記者が一人も存在していなかっただけなのだ。

記者たちはただただ小泉さんの後ろを追っかけ回していただけで、小泉さんの人間性を立ち止まってじっくり研究する記者がたったの一人もいなかっただけなのである。

小泉さんという人は日本の政界では空前絶後のキャラクターである。
長く戦後政界を観察してきた元共同通信社常務理事の古澤襄さんや元時事通信者政治記者の屋山太郎さんと言った人たちは確実に見通していた。

特に古澤さんは記者生活のあと役員として労務を長く担当し、相手の労組幹部を通じて野党的人物の言動を冷静に分析することに長じた。与野党激突の果てを読みきれる。

屋山氏は政治部記者の合間にローマ特派員とジュネーブ特派員を経験。旧態然たる日本政界を行動力学的、科学的に分析する力を持っている。並みの自称政治評論家なんか近寄れない。

とはいえ、小泉さんを一番知らなかったのは、記者たちよりは議員たちだった。「そんなこと出来るわけないよ」とタカを括って反対。遂には除名された。いままだ泣いている。
そんなことに思いを致せばなかなか書けないが、書かないではいられないのがわが性なのだから、書かないという題でこれだけ冗長に書いてしまうのである。2007.01.08
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