<< ヴィヴァルディの「四季」で味噌醸造 古沢襄 | main | 劇薬を使わない参院選対策は? 古沢襄 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - | pookmark |







敵を知り、己を知らば・・・ 古沢襄
七月十三日の杜父魚ブログ「スパイは普通のおっさん」がよく読まれている。渡部亮次郎氏の記事だが、六ヶ月間、読者の月間アクセスでトップの座を譲らない。読み返してみたが、元外相秘書官の筆によるだけに内容が濃く、読みやすい。

戦前は中国の上海がスパイ天国といわれたものだが、今の東京がそれ。各国のスパイはジャーナリストや商社員を装って潜入してくるが、それに協力する日本人も跡を絶たない。スパイは国家犯罪として最高刑は死刑と定める国が多いが、日本にはその法律がない。野放しだから東京はスパイ天国となる。

スパイに協力する日本人には大方が罪の意識がない。アルバイトのつもりで情報を提供し金品を受け取っている。日本に潜入している北朝鮮の工作員の数は二百人とも三百人ともいうが、その十倍以上の日本人協力者がいると言われている。

日本の公安当局が手をこまねいて見ているかというと、かなり綿密な尾行、金品授受の現場写真を撮っている。ただ処罰法がないから追跡をするが、それ以上は手を出せない。父親同士が友人だった関係があって、警察庁の公安係官と親しくしていたが、北朝鮮の工作員による拉致疑惑については、かなり早い時期に教えて貰っていた。宮崎県下における拉致疑惑だったが、確たる証拠がないので、そのままになってしまった。

中国の工作員についても、敗戦後の引揚船で日本人になりすまして潜入し、川崎市に住む男の話を聞いたことがあった。身寄りのない日本兵になりすましているのだが、公安当局が尾行しても尻尾を掴ませない。普通の工場労働者として毎日が地味な生活をしている。「白髪三千丈の国ですから・・・」と公安係官が嘆いていた。

007もどきのスパイはテレビや映画の話であって、実際には地味な人脈造りが主たる活動だという。狙われるのは外務省や防衛庁の極秘情報なのだが、ソ連時代のノボースチ通信社の東京駐在員のほとんどがKGB職員。そのKGB職員とマスコミの外務省詰記者が喫茶店で資料と引き換えに金品を授受する現場写真も撮られていた。記者にしてみればアルバイト原稿料程度のつもりであったのだろう。

アメリカ大使館の職員にもCIA職員がいる。またマスコミで人気があったアメリカの日本通学者がれっきとしたCIA職員。公開されている日本側資料を分析して、日本の工業生産力の可能性を調べていた。ジャパンタイムスに寄稿した九州のシルコンバレーという私の記事に興味を持って会いにきたが、著名な学者だったので安心してベラベラ喋ってしまった。

東京本社に帰任したら公安係官から「彼はCIA職員」と教えられ、愕然とした経験がある。これに比較して日本の対外諜報活動は弱い。外務省の対外活動は、パーテイ外交の域を出ていない。防衛庁の駐在官もいるが、直接、防衛庁に情報伝達する仕組みがない。すべてを外務省に報告して、外務省の裁量で防衛庁に伝えられる。防衛省になれば直接伝達に変わるのだろうが、それでは外務省に対する報告義務はどうなるのか?

日本はもともと諜報活動を一段低く見る傾向がある。いつまでたっても戦国時代の忍者的な扱いである。諜報を卑しい仕事とみる偏見が払拭されない。戦前でいえば、新聞記者は車夫馬丁の扱いを受けて、お役人より社会的な地位が低かった。

孫子の兵法でいえば「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」だが、相手の実力を知らずに己の力を過信して、百戦がゴロ負けする国民性。国家として情報活動の一元化が遅れているし、情報分析力も欠けている。それは仕方ないとしても、海外では情報活動が諜報活動として厳しく監視されていることを認識せねばならぬ。企業情報をめぐってトラブルが頻発しているが、日本の常識は世界では通用しないことを覚るべきでなかろうか。

(注記)「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」は正しくは「彼を知り己を知れば百戦殆(あやう)からず」。コメントを寄せられた方の指摘である。この齢になるまで”敵を知り”を連発してきたのは汗顔に至り。素知らぬ顔で訂正しておく手もあったが、”敵を知り”がかなり通用しているので、あえて恥を承知で原文を残して、注記を付けてある。
| - | 09:12 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







スポンサーサイト
| - | 09:12 | - | - | pookmark |







コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://kajikablog.jugem.jp/trackback/450395
トラックバック

CALENDAR

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< August 2019 >>

SEARCH

SELECTED ENTRIES

RECENT COMMENT

CATEGORIES

ARCHIVES

LINKS

PROFILE