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不思議な小泉キャラクター 古沢襄
あと一ヶ月足らずで首相官邸から去ろうとしている小泉首相なのだが、50%前後の支持率キープしている。戦後政治の宰相の中で、こんな例はみたことがない。このところ修学旅行よろしく北陸観光、長州の故地訪問、古都・京都めぐりと遊び呆けている様にみえるのだが、高支持率が落ちる気配がない。

一部には総理をやめたら政界を引退して悠々自適の生活を楽しむという観測がでる一方で、ポスト安倍は小泉再登板という穿った見方すら囁かれている。何とも不思議な人物である。郵政政局で抵抗勢力を一掃し、その後の総選挙で空前の大勝をした小泉首相だから、一種の”小泉神話”すら生まれた。

敵方にしてみれば、これほどやりにくい相手はなかろう。あの細身の身体のどこに頑固とも思えるブレない信条がひそんでいるのだろうか。靖国参拝も公約通り八月十五日に行った。

五年間の小泉政治を検証するのは、まだ早いのだが、戦後、左に振れていた保守政治を右に揺れ戻した役割だけは確かといえる。劇的な平壌訪問が、そのきっかけを作った。と言って一気に憲法改正に突っ込むかと思えば、その前で立ち停まっている。独特のバランス感覚がある。

ひとつのシナリオを描いて、それを突っ走るタイプではない。動物的なカンに優れているのだろうか、急ぐようにみえて案外、熟柿が落ちるのを待つ気配すら感じられる。レームダッグという政界用語は小泉首相には当てはまらない。

だが多くの政治課題を先送りしているのも事実である。四十二年前に池田勇人氏から佐藤栄作氏に政権がバトンタッチされた。月給倍増論、国民所得倍増計画など拡大経済方式を華々しく打ち上げた池田内閣だったが、外交課題のほとんどは佐藤後継内閣に先送りしている。

日韓はサボル、米原子力潜水艦の日本寄港も極力引き延ばすといった調子で、佐藤内閣はそれらを全部被ったから野党攻勢の矢面に立たされた。損な役回りをやらされて七年八ヶ月の任期中は人気があがらなかった。

佐藤別働隊だった福田赳夫氏が無気力、無責任内閣と池田批判を繰り広げ、この政治状況を「昭和元禄」と称したのだが、池田氏は挑発に乗らなかった。経済さえやっていればいいという感覚だったから、大根の値段まで知っていた。

この政治状況は小泉首相と安倍氏の関係に共通する面がある。小泉内閣で先送りされた憲法改正、消費税率のアップ、教育改革といった政治課題は、安倍氏が被らねばならない。都市と地方の格差是正、地方分権政策など課題は山積している。

郵政政局で分裂した党内の亀裂も修復しないことには、参院選で民主党から一泡ふかされる事態もあり得る。安倍氏にとって佐藤氏は血縁に当たるが、同じような巡り合わせになったと感じているのかもしれない。
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