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咲かない百日紅 渡部亮次郎
百日紅は、さるすべりと読む。樹皮がはげおちたあと、滑らかな幹をみせるので、木登りが上手なはずの猿も滑り落ちると考えたのだろうか。

<サルスベリ(猿滑り) Crape Myrtle 樹皮がはげおちたあと、滑らかな幹をみせるミソハギ科の落葉低木または小高木。中国南部原産で、日本には、江戸時代以前に渡来している。
高さ3〜9m。葉は倒卵形で鋸歯はない。7〜9月に枝先の円錐花序に直径3〜4cmの花を次々にひらく。花の色は紅紫色、白、ピンクなど。花弁は6個でしわが多い。八重咲きもある。花が長い間咲くのでヒャクジツコウ(百日紅)の別名もある。

サルスベリ属はアジア大陸からマレーシア、オーストラリアにかけて約50種が分布し、いずれも美しい花をつける。屋久島以南には亜熱帯タイプのシマサルスベリが生える。高さ約12mの落葉高木で、白い花をさかせる。
分類:ミソハギ科サルスベリ属。サルスベリの学名はLagerstroemia indica。シマサルスベリはL. subcostata。>
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その百日紅の木が都立猿江恩賜公園(北部)には4本植わっているが、2006年は7月はおろか、やがて8月が終わろうとしているのに、花を咲かせたのはたった1本、残りは「沈黙の夏」である。

そういえば、1972年に東京・国立に家を新築したことがあるが、南向きの庭先の崖に1本だけあった百日紅も咲いたり咲かなかったりした。とはいえ、手元の資料ではその原因を突き止める事はできない。

牧野富太郎(植物分類学者。1862-1957.文化勲章追贈)の「原色牧野植物大図鑑」の説明も上記以上ではない。『広辞苑』では猿もすべる云々が確認できただけ。

グーグルで検索したらどなたかのHPに行き着いた。「百日紅」は、なぜ「さるすべり」と読めるのか?

「百日紅」と書いて「さるすべり」と読む。漢字と読み方がまるで対応していない。「栗花落」という苗字の人に3人会ったことがある。うち2人は兄弟なのでともに「つゆり」と読むが、もう1人は「つゆ」といった。なんと漢字よりかなの方が字数が少ない。

この姓は、神戸市内にある地名に由来し、栗の花が散るのが梅雨時であるため「つゆいり」の表記に用いられ、のちに「つゆり」となり、一部は「つゆ」となったものらしい。このような、2文字以上になって読み方が確定する訓読みを「熟字訓」という。

「さるすべり」は、高さ5メートルほどの木で、夏を中心に花は白いものもあるが、赤いのが一般的で、原産地の中国では、次から次へと花を咲かせ、百日にもわたってどこかに花を咲かせているので「百日紅」と呼んだ。

しかし、日本ではその幹がつるつるしているので、木登りの上手な猿でさえ登れないということで「さるすべり」と呼んだ。猿が聞いたらなめるなよと思うであろう。
「百日紅」は中国語であり、「さるすべり」は日本語であって、それぞれ目のつけどころの違う名づけ方をしている。しかし、考えてみれば日本における漢字の使われ方はすべてこれと同じであり、「花」は中国語であり、「はな」は日本語である。

「百日紅」にせよ「花」にせよ、文字表記は中国語であり、読み方は日本語なのだから、文字が一文字か三文字かということに大した違いはない。

漢字はよく「表意文字」だといわれる。「表意文字」とは「意味」を示す文字ということになる。しかし、漢字を「表意文字」と呼ぶのは、少なくとも中国語を表記する場合は正しくない。「表意文字」であることは、決して「表音文字」であることを排除するわけではない。

たとえば、「花」という文字は、被子植物の生殖器官という意味とともに、今日の北京語ではhuaという音声をも示しており、「意味」だけを示すのではなく「意味」と「音」が結びついた「語」を示すものとして、「表語文字」と呼ぶのが正しい。

ところが、わが日本人の先祖は、本来は「表語文字」である漢字をいったんは「表意文字」とし、改めてそれに日本語の音を結びつけて再び「表語文字」とするという離れ業を演じてのけた。いわゆる訓読みである。

その際、どの音を結びつけるかは、人によりさまざまであったので、「生」に対して「なま、き、いきる、おう、はえる、うむ」などいくつもの読み方ができた。というより、「生」という同じ字形を持つさまざまな「表語文字」ができたのである。

読み方はさまざまであるが、どんな読み方をしてもよいというわけではなく、世間に通用していない読み方をする場合には、ふりがなをつけなければいけない。
だが、訓読みという方法は、日本人の創案ではなく、すでに朝鮮半島に先例があり、日本の訓読みはその応用であるといった方が正確であるようである。(よい勉強になりました、有難うございました)homepage1.nifty.com/forty-sixer/jukujikun.htm

ところで牧野図鑑を見ていて、同級生安宅峯夫君が2005年秋、パリでマロニエの実を沢山拾いながら、ホテルのボーイが食べられないと言ったので捨ててきてしまった、という話を思い出していた。
マロニエはフランス語、英語ではhorse chestnut(馬栗)。「実は径5cm位、晩秋に熟し、種子は食用とする。材は楽器や工芸用」とある。どこかで「栃餅」と聞いたことがある。2006・08・22
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