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ゴルフボールとロシア旅行 古沢襄
最近は女房の方が毎年、海外旅行に出掛けている。亭主は、その間、愛犬バロンと留守番。スペインとかイタリア、トルコなんてテレビで見ていれば十分だとバロンと陰口を叩いているのだが・・・。

お仕着せのツアー旅行は、どうも馴染めない。ロンドン、ホノルル、ニューヨーク、ワシントン、ロサンゼルスを訪れた時も、旅行カバン一つを下げてフラリと成田空港を飛び立った。ニューヨークの街角で芥子のきいたホットドッグを頬ばるなんて、一人旅だから出来る芸当である。

ロシア旅行だけは団体でいった。おまけに団長役をさせられたが、朝早く起きて一人で街にでた。坂の街・ハバロフスク、風の街・ウラジオストック、煉瓦通りのイルクーツク、モンゴル風のウランウデは、足で歩かないと実感できない。小さなスーパーに入って、無茶苦茶なロシア語でロシア・タバコを買う楽しみもあった。

私の英会話はブロークンの最たるもので、イギリスでもアメリカでも通用しなかったのだが、ロシアでは十分に役に立った。相手もブロークン・イングリッシュなので、押しの一手がきいたのであろう。通訳のロシア女性が「ダンチョーの英語は素敵!」とお世辞をいうものだから、それに乗せられて思いつく単語を並べ立てただけなのだが・・・。

ツアー旅行はお仕着せの名所・旧跡をバスで見て回るだけのことである。団体でゾロゾロ歩き回る風景はいただけない。男はネクタイを締めて背広、首にカメラをぶる下げている。女はリックサックを背負って、ご丁寧にも腰に物入れの袋を巻き付けている。一目で日本人の団体客だと分かる。

ロシア旅行をするのなら四、五人の気の合った仲間で好き勝手な旅をするのに限る。現地のホテルに頼めば、専属の女子学生のアルバイトを世話してくれる。たいがいは日本語を勉強している大学生で、中には日本の大学に留学した者もいる。賃金が安いので二人頼めばよい。足はホテル専属の白タクを世話してくれるので、団体旅行にはない素顔のロシアを見て回ることが可能である。

こちらが助平な日本人ではないと分かれば、女子学生たちも安心して付き合ってくれる。「お友達を連れておいでよ。ご馳走するから・・・」と言えば、喜んで仲間の女子学生たちを呼んでくる。レストランで食事したら、それこそブロークンな日本語で、日本のことをあれこれ聞きたがる。驚くほど日本に対する関心が深く、日本の美しさや豊かさに憧れを持っていることが分かる。

ロシアは豊かな国ではない。豊かな資源を持っているが、ソ連時代には軍備拡張に狂奔して、国民生活が犠牲になってきた。しかしプーチン時代になって、市民の服装が目立って良くなった。十年前に比較すれば、乞食や浮浪者の姿が消えて、街も清潔になった。新聞紙のような固いトイレットペーパーに悩まされたものだが、今では幅が狭いものの柔らかいトイレットペーパーが備わっている。

その半面、売春婦が増えているし、スリ、かっぱらいが跡を絶たない。それをみてロシアは後進国だと思うのは間違っている。光と影があるのは、日本もアメリカも同じ。極東の玄関であるハバロフスクには日本の団体客が増えたが、その多くはセックス・ツアー。日本人の恥をさらけ出している。

若い女子学生たちと付き合うとロシアの未来は捨てたものではない、としみじみ感じる。一度手に入れた自由の空気は捨てないと言い切るし、ロシアの文化に誇りを持っていると語る。日本人は光の部分にもっと関心を持つべきであろう。

だが、ロシアのホテルで変わらないのは浴槽に栓がないことだ。ロシア人は寒さに強いが、温暖な日本で育った私たちは、浴槽にたっぷりお湯を張って、ゆっくり暖まらないと疲れが癒せない。栓がなくてお湯が張れない浴槽が、何故多いのか?

ロシア旅行をして、いつも不思議であった。理由は簡単である。ロシアは大陸性気候の国柄で、湿度が低く、乾燥している。四、五日風呂に入らなくても肌がベトつかないし、身体が汚れない。必要ならシャワーを浴びれば、事が済む。日本人は毎日でも風呂に入りたいし、温泉には日に二度も、三度もつかるというと、女子学生たちは目を丸くする。

ロシアの要人が訪日する時には日本の梅雨の季節は必ず避けている。エレーナという名の女子学生は、黒いコートがよく似合う美人で印象に残ったが「ハバロフスクの冬はマイナス三十度、夏は三十度になるが、夏の方が堪える」と言っていた。夏は冷たいシャワーを毎日浴びるともいう。冬はどうするか、とは聞かなかったが・・・。

お国柄によって、風呂の使い方がかくも違う。だから日本人がロシア旅行をする時にはゴルフボールを一つ旅行カバンにしのばせていくにかぎる。浴槽の栓の代わりにゴルフボールを使えば、お湯をなみなみと張ることができる。モスクワの最高級ホテルとなれば、浴槽の栓が備わっているのだろうが、極東ロシアやシベリアの旅にはゴルフボールが必要になる。

東南アジアやロシア旅行では、ナマ水を飲むと下痢をする。中国旅行でもナマ水は禁物。そこでペットボトルの水を持って旅行することになる。旅行期間によるが、私は二ダースのボトルを持って行くことにしている。健康管理上、私は朝起きると水を二杯飲む習慣がある。ロシアでは強いウオッカーを、よく飲むので、目覚めた時のナマ水は欠かせない。

しかし旅行カバンに入れると新潟空港の荷物検査で必ず引っかかる。チェチェン紛争でイスラム教徒によるテロが頻発しているので、大量のボトルが荷物検査のレントゲン透視で、爆発物と誤認されてしまう。面倒だが、ボトルはビニール袋のまま両手に下げて、透視検査を受けるのがいい。

ロシアでも国産のボトル水を売っている。消毒がされているというが、どうもナマ水で飲む気がしない。日本から持っていくテイ・パックのお茶を飲む時に沸騰したロシアのボトル水を使えばいい。案外、気がつかないのは、ホテルで出される氷と生野菜。氷を入れたウオッカーのオンザロックで、猛烈な下痢に襲われた仲間がいた。おまけに生野菜をパクついたので、下痢が二日間も続いて市内見物どころではなかった。ところがロシア人のガイドは、同じものを食べても下痢をしない。日本人とロシア人の胃腸は、別物なのだろうか。いずれにしても、君子危うきに近寄らずの方が安全である。
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