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ヒラリーは、このところ連敗ばかり   宮崎正広

■サンダースが予備選挙後半をリード 他方、トランプの勢いは留まるところを知らず、番狂わせ勝利が射程に入った


5月12日、ワシントンDCの共和党全国委員会でトランプ候補と共和党の実力者(下院議長)のポール・ライヤンとの初会合が催された。


ライヤンは面談後、「まだ党の挙党態勢がくめるという合意には到らなかったが、今後も将来のアジェンダに関して合意を模索することでは『合意』できた。かれは純粋で暖かみのある人間だと感じた」と前向きなコメントを出した。


同議長はそれまで「トランプを支持する用意は出来ていない」とし、『彼とは政治スタイルもアジェンダも異なる』としてきた。


共和党全国委員会の前には『アンチ・トランプ』の活動家ら十数名が集まって、『トランプ人形』を掲げ「移民への憎しみ」などと怪気炎をあげていた。


一方で、共和党の有力な『集金マシーン』として知られるスペンズ・ズゥイックが2月以来、定期的にトランプと面談していることが分かった(NYタイムズ、5月13日)。


ズゥイックはロムニー(マサチューセッツ知事)の懐刀として、またファンド経営に辣腕をふるうことでも知られる。


共和党は裏面でも、かなりトランプへの接触が増えていることがわかる。


現時点で、トランプは1086名を既に獲得(過半数1237)、ヒラリーは1716(同2383)。ともに第一位を走るが、過半数を制してはいない。


ちなみにこれまでの結果、共和党はクルーズが546,ルビオ168,ケーシック154である。民主党はヒラリーを追うサンダースが1453を獲得し、猛追している。


しかも意外な動静はヒラリーに勢いがなくなっていることだ。


三月下旬以来、サンダースが勝ったのはアイオア、ユタ、アラスカ、ハワイ、ワイオミング、ワシントン、ロードアイランド、インディアナ、ウェスト・バージニラ州であり、一方のクリントンは人口大州のニューヨーク、コネチカット、メリーランド、ペンシルバニアをおさえたものの、あとはデラウェアとグアムという寂しさを露呈してきた。


同時期のトランプはユタ、ウィスコンシンの二州で負けたものの、ほかの十州では大勝している。
 

 ▼トランプは『道化師』から「勝つかも知れない」候補にシフト


一昨日、沖縄で講演した折、「ところで米大統領選ですが、トランプが勝ちそうです」と言ったところ、会場が一斉に「えぇーっ」とどよめいた。尋常ならざる驚きだったようだ。


高杉晋作は言った。「時と勢いには勝てない」と。ヒラリーは予備選後半で明らかに失速している。


明確にその勢いを失っている。地盤のニューヨークはおさえたものの、優勢といわれた州を次々とおとし、勝利したのはプエルト・リコとか、グアムとかになってきた。


前から言われてきたようにヒラリー・クリントンは「ガラスの天井」を超えないと女性初の大統領にはなれない(拙著『トランプ熱狂、アメリカの反知性主義』、海竜社参照)。

そのうえ、彼女にはこれからFBIの事情聴取がまっている。「嘘つき」というイメージは固定しかけている


民主党内には依然として、強敵の社会主義者、バニー・サンダースが予備選に残って闘っているばかりか、このところ、サンダースが連勝しているのは上記にみた通りである。


あの絶対優勢と評されたヒラリーはどこへ行ったのか?


世論調査をみても、彼女への不人気は沸騰しており、『嫌い』というのが『好き』より多い。


好感度アンケートで、これほどの開きが出るとは民主党主流派も「こんな筈ではない」と臍をかんでいるに違いない。


もちろん」「トランプが嫌い」という回答する比率もヒラリーと並ぶほどに大きいが、トランプに嫌悪感を抱くのは殆どが女性である。


日本の報道がいまもニューヨークタイムズとCNNの分析や予測に偏っているから、トランプは勝つことなど考慮の対象外だった。日本の外務省もそう分析してきたため、日本政府はトランプの情報を3月15日までまじめに集めてこなかった。


共和党がトランプでまとまるという近未来の想定をのぞけば、「勝負は闘う前に明らか」などと民主党陣営は豪語してきたが、最近は「ひょっとして、トランプに負けるのではないか」という本能的な疑問が囁かれ始めた。


昨師走まで、全米のマスコミでもトランプは『道化師』扱いで、まともに取り上げたメディアはすくなかった。年が明けて、トップに立つと泡沫候補とはいえ、「可能性はゼロだが、面白い」となり、三月にフロリダでルビオを撤退させると、『ゼロではないが、限りなくゼロ』という論調となった。


三月末から情勢が激変し、トランプを見るマスコミの目が変わった。正式候補として射程にヒラリーとの対決が明らかになると、「ひょっとして番狂わせもあり」という予測が増えた。


しかも、ここへきてのヒラリーのあまりに連敗ぶり、そのうえ、サンダースが党大会で指名獲得できなければ、党を割って、かつてのアンダーソンのように独立候補で出馬に到る可能性がないわけではない。


 ▼トランプに投票しているのは従来、党の予備選に参加しなかった層である


しかしもっと大事な側面的現象をみのがしていないか。


トランプもサンダースも党の集票マシーンに依存していない。とくにトランプは共和党の組織的支援がまったくないのだ。


「勝手連」のようなボランティアがつどっており、しかもこれまで党員登録しかせずに予備選には投票しなかった層が、どっと投票しているのだ。


民主党はさめた有権者が多く、党大会予備選を棄権している層が目立つ。だから、勢いが違うのである。


共和党の予備選は党主流、保守本流が組織を挙げて推したルビオがフロリダ州でまさかの敗北、そのご、オハイオでテキサスで、それぞれが地盤のケーシックとクルーズが勝ったが、インディアナ州でトランプに負け、両者は撤退した。


今後、トランプは選挙戦をヒラリー攻撃一本に的を絞るだろう。そしてメディアがトランプの一斉攻撃に移行するだろう。が、FBIのヒラリー聴聞がトランプに味方するだろう。


そして、もし米国でフランス、ベルギーのようなテロが起きると、流れは一気にトランプに傾斜するだろう。


どうやら米国の選挙戦の勢いが、予期せぬ方向へ迸り出したようだ。筆者は月末にひさしぶりにアメリカへ出かけて、予備選の後半戦を取材することにしている。


<a href="http://www.kajika.net/">杜父魚文庫</a>)

| 宮崎正弘 | 14:14 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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