<< 米軍、ISISナンバー2「財務相」殺害を発表   CNN | main | イラクのサッカー場で自爆テロ 市長含む30人死亡   ロイター >>
バロンがいることで癒やされている   古沢襄

居間の室温が十八度。ハダシで歩いても冷たさを感じない。愛犬は足元でお腹まるだしでイビキをかいて熟睡。


このコーギー犬は二〇〇六年三月四日生まれ、10歳になった。犬の一歳は人間の七歳というから、七〇歳の高齢犬。


初代のコーギー犬は一九九二年生まれ、ローマ五輪で銀メダルの水泳選手が探してくれた。水泳選手の家からマイカーで茨城のわが家まで連れてきたが、車の中で震えていた雌犬。
 

可愛いのなんのって、名前を「チロ」とつけて、たちまちわが家の王女様になった。


<チロにとって、わが家の最初の夜は、初めての見知らぬ世界。夜のとばりが下りるとその静寂さにおののき、ザラザラとした舌で一生懸命、私の首をなめて、なかなか寝つけなかった。でも、そのうちにくたびれたのか、いつの間にか、スヤスヤと寝息をかいて、私のベッドのなかで子供のように寝ついた。>


<二、三日が瞬く間に過ぎた。ロイター通信社が勤め先だった娘は仕事が終わるとまっすぐ家路についた。その娘をチロは玄関マットに座って待ち受ける。マイカーが通るとじっと耳をすまし、娘の車かどうか聞き耳を立てて、娘の車とわかる「ワンワン」とカン高く吠えて知らせてくれる。>


チロの息子が初代バロン。自宅の八畳間にビニールをひいて私が産婆役を務めた。だから初代バロンは私を父親と思って懐いた。一九九四年生まれ。


初代バロンが亡くなった日のことが忘れられない。玄関マットに座っていたのが、よろよろと立ち上がり、居間の私のところまできて、そこで息絶えた。二〇〇六年六月のことだった。12歳。


二代目バロンは、どこに行く時もついてくる。コーギー犬は短足なので、階段を上がっても下りることができない。私が二階の書斎にいると思って上がってきたが、いないので下りられなくなってしまった。


外出から帰ったらバロンがいない。妻も知らないという。書斎の片隅で恨めしそうな顔をしてうずくまっているバロンを見つけた時はほっとした。


それ以来、バロンは私から離れようとしなくなった。いまもパソコンを叩く私の足元で寝ている。妻が老人ホームに入っているので、広い部屋でバロンと二人だけの生活が七ヶ月となった。バロンがいることで、私も癒やされている。

 
<a href="http://www.kajika.net/">杜父魚文庫</a>

| 古澤襄 | 00:14 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







スポンサーサイト
| - | 00:14 | - | - | pookmark |







コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://kajikablog.jugem.jp/trackback/1011646
トラックバック

CALENDAR

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< June 2017 >>

SEARCH

SELECTED ENTRIES

RECENT COMMENT

CATEGORIES

ARCHIVES

LINKS

PROFILE