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日本にも押し寄せる「偽装難民」   産経新聞

■どうするテロリスト対策 虚偽申請に罰則なし 

 
欧州に押し寄せる難民が国際問題化する中、日本の難民認定制度が「救済ビザ」と呼ばれ、就労目的で来日する外国人らに悪用されている。


申請理由が虚偽でも罰則がなく、当座の就労資格を獲得できることが理由だ。テロリストがシリア難民を装って欧州入りした例もあり、“偽装難民”が治安問題に直結しかねないため、警察当局などは警戒を強めている。(加藤園子)


■申請者5年で7倍に


「難民条約や人道的配慮にかんがみると、本当に保護が必要なのは3〜5%程度ではないか」。入管関係者は難民申請の現状について、こう打ち明ける。


日本の制度は条約上の「難民」に該当しない理由でも申請を受理しており、不認定でも申請し直すことが可能だ。


さらに平成22年からは、申請から6カ月たてば国内での就労が認められるよう制度が改正され、申請さえ続ければ日本で就労することが可能となった。このため「東南アジアを中心に救済ビザと呼ばれ、悪用され続けているのが実態だ」(捜査関係者)という。


法務省入国管理局などによると、昨年の難民申請者は7586人で過去最多。前年より52%増加しており、22年の1202人と比べ約7倍に跳ね上がった。


ところが、難民発生国とされるシリアやアフガニスタン、ソマリア国籍の申請数は上位10位にも入らない。昨年はネパール、インドネシア、トルコ、ミャンマーの順となった。


■処理が追いつかず


目立つのは、借金や母国の治安の悪さなど難民条約上の迫害理由に該当しない申請だ。警視庁が1月に摘発したベトナム人男女の申請理由は、「黒社会(反社会的勢力)から借金をしたが、返済のめどが立たない。帰国したら命が狙われる」との内容だった。


この男女は申請理由が嘘だったことを認めたが、直接罰する規定がないため、警視庁は申請から6カ月経過しないうちに就労したという入管難民法違反(資格外活動)容疑などを適用した。捜査関係者は「まさに苦肉の策だった」と明かす。


こうしたケースが相次いだことを受け、法務省は昨年9月、制度の運用を見直した。明らかに難民に該当しない申請は本格的な審査前に却下し、同じ主張を繰り返す再申請者に対しては在留資格は認めても就労を許可しない。


ただ、虚偽申請への法的な罰則がないことに加え、「認定待ちが1万3千人を超えているなど審査業務が追いつかない」(法務関係者)といい、チェック体制への不安も残る。


昨年11月のパリ同時多発テロでは、実行犯の2人がシリア難民に偽装してギリシャから欧州入りしていた。捜査関係者は「制度運用の穴を突こうとする外国人は数多くいるはず。摘発可能な行為を取り締まるしかない」と話している。


■難民認定制度 難民保護を保障するため1951年に国連で採択された「難民条約」に基づく。条約では人種や宗教、国籍、政治的意見を理由として迫害を受ける恐れがあるとして国外にいる者を「難民」と定義している。日本では申請の上、法務省入国管理局による面接などの審査を経なければならない。

    
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