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【寄稿】豪の潜水艦購入、日本と軍事関係強化の好機   ウオールストリートジャーナル

■By James E. Fanell and Fred C. Smith


オーストラリアは間もなく、老朽化したコリンズ級に代わる次期潜水艦を、日本、フランス、あるいはドイツのいずれかから購入する決断を下さなくてはならない。最良の潜水艦が勝利するオープンな競争が、この種の購入には総じて望ましい。しかし、この一件には価格と性能という伝統的な尺度を超えた配慮をすべきだ。 


フランスとドイツの潜水艦の設計は優れた能力を示しているし、仏独両国のメーカーは武器輸出の経験が日本よりも豊富だ。しかし日本の「そうりゅう」型潜水艦はアジア太平洋地域で活動する既存の潜水艦で、性能も証明されている。それはまた、日本の自衛隊とオーストラリア軍が継ぎ目なく共同で活動できるようにオーストラリアとの安全保障関係を深化させたいという、日本の希望を象徴している。


その利点を数値で示すのはそれほど簡単なことではない。日本の申し入れは「全投入」型の提案で、オーストラリアとの協力と協調を拡大する機会になる。


日本は、本格的な武器輸出の最初の試みとしてオーストラリアへの売り込みを選択した。それはアジアおよびインド・太平洋水域における集団的自衛関係の構築努力の一環としての位置付けだ。これは決して偶然ではない。


日本の「そうりゅう」売却提案は、日本がオーストラリアを米国と同じように重要な安全保障上のパートナーであるとみなしている具体的な証拠だ。日本の意図は、この潜水艦売却を使ってオーストラリア、米国との3国間関係を強固にすることにあるとみられる。


このアプローチには欠点もある。日本は潜水艦売却の申し入れに相当顕著な政治的資本を投入している。万一この売却が実現しなかった場合には、相当大きな当惑を感じるだろう。それはまた、中国との摩擦も生んだ。


中国は日本の売り込み努力について、中国封じ込めを狙う「中国脅威論」の一環だというレッテルを貼った。それでも、過去15年間に及ぶ中国の軍近代化と甲高い反日のレトリックをみれば、防衛関係へのアプローチを変更したとして日本を責めることはしにくい。

また中国は、東シナ海と南シナ海で拡張的・一方的な領有権の主張を行い、日本とオーストラリアを警戒させた。南シナ海での人工島の建設キャンペーンは手つかずの広大なサンゴ礁を破壊したばかりでなく、この水域の安全保障上の均衡を破った。中国はその行き過ぎた主張を支えるために島に建設した軍用飛行場と海軍支援基地を、民間用施設だと言い張っている。


一部には、東アジアの海域での中国の行動は一段落しつつあると考える向きもある。だが他方で、その正反対を示唆する証拠がある。中国は今年1月、鳴り物入りの宣伝工作を行い、新たに埋め立てたファイアリー・クロス礁に民間機2機を飛行・着陸させた。民間の飛行場であることを誇示する試みだった。


中国は、自国の沿岸水域を太平洋から隔離している島々(南シナ海上の島々)で軍事的・領土的な拡張に向けて全速力で進んでいる。中国は海軍や沿岸警備隊、そして民兵化した漁船団を通じて、フィリピンやベトナムなど自国よりも弱い近隣諸国を威嚇しているが、近隣諸国の対応は弱く、中国の行動を修正することができなかった。


日本の指導者たちは中国の長期戦略を直感的に理解しており、最悪のケースである不測の事態に備えている。放任すれば中国は後退せず、最終的には南シナ海のほぼ全域に及ぶいわゆる「九段線」全体の領有権を主張し、保有するだろう。中国は覇権的支配を求めて、1国ずつ集中的に切り崩すはずだ。


この海域の平和と安定を確保するには統一戦線が必要とされる。そうした統一戦線の土台はオーストラリア、日本、そして米国の3国間安全保障同盟だ。


今回の潜水艦発注計画には、単に価値ある最良の潜水艦を購入する以上の意味がある。それは国際法を順守する同じ考えを持つ諸国が、中国という新興パワーの覇権的行動から自衛するため、一緒に団結しなければならないとの認識面での一つの道標になり得るのだ。


(筆者のジェームズ・ファネル氏は「ジュネーブ安全保障政策センター(GCSP)」のガバメントフェロー。米海軍の退役大佐で、米太平洋艦隊の元インテリジェンス情報作戦部長。フレッド・スミス氏は豪マッコーリー大学講師で、米海軍の退役大佐)

    
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