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トランプ氏を一斉攻撃、遅きに失した共和党候補   古沢襄

25日夜に開かれた米大統領選の共和党候補者によるテレビ討論会で、マルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州)は今までと打って変わって、不動産王のドナルド・トランプ氏を激しく攻撃した。


だが、今は、トランプ氏が大統領選への出馬を表明してから8カ月、最初のテレビ討論会が行われてから6カ月、そしてトランプ氏が共和党の党員集会・予備選で勝利を収め始めてから2週間も過ぎている。


ルビオ氏はこの日、ようやく陸軍の1旅団並みの攻撃を仕掛けた。トランプ氏がかつてポーランド人の不法就労者を雇い、法廷に呼び出されたことを挙げ、移民に対する同氏の強硬な姿勢は矛盾していると非難した。また、


トランプ氏がビジネスで成功したのは、裕福な父親から膨大な事業を引き継いだからにすぎず、さもなければマンハッタンの街角で時計を売っていただろうと述べた。


さらに、イスラエル支援、非営利団体「プランド・ペアレントフッド(全米家族計画連盟)」への助成金打ち切り、オバマケア(医療保険制度改革法)などに関するトランプ氏の姿勢を批判し、独自の医療保障制度案は何もないと切り捨てた。


テッド・クルーズ上院議員(テキサス州)もトランプ氏攻撃に加わったが、トランプ氏はいつも通り全力で反撃した。


もっと重要なのは、これまでにこうした一斉攻撃がいつあってもおかしくなかったことだ。だが実際はなかった。


25日夜の討論会でルビオ氏とクルーズ氏がようやく攻撃に出たのには2つの理由がある。ひとつは、いずれも両氏のどちらかトランプ氏と1対1で戦う必要があるため。もうひとつは、そのチャンスを失う前に行動する必要があるためだ。


つまり、ルビオ氏とクルーズ氏、さらに党内にいるトランプ氏の多くの敵は、トランプ氏を倒そうとするのをあまりにも長く待ち過ぎたと判断したようだ。共和党の主流派の多くは、トランプ氏が怒りをあらわにした口調や他の共和党員に対する辛辣(しんらつ)な批判、反移民的な発言、型破りな選挙戦への反発を受け、自滅すると思い込んでいた。


だが、そうはならなかった。他の候補者は、チャンスを来るのを待ち、トランプ氏の唯一の対抗馬の座を争ってしのぎを削り、そして指名獲得に向かう途中で大量の反トランプ票を一本化できるという甘い考えで選挙運動を進めた。ルビオ氏とクルーズ氏がここ数週間、紛れもない1番手として浮上しているトランプ氏を攻撃するよりも、はるかに多くの時間を互いの攻撃に費やしてきたのはそのためだ。


トランプ氏の不法就労者雇用問題は以前からニューヨークで議論を呼んでおり、トランプ氏が不法移民の排斥を掲げていることに対するルビオ氏の攻撃は不発だった。(トランプ氏は雇っていたポーランド人が不法就労者だとは知らなかったと証言した)


トランプ氏は落ち着き払った態度で反論した。「雇用主であるのは、この舞台上で私だけだ」。


だが、ルビオ氏は攻撃の手を緩めなかった。クルーズ氏もこれに加わったが迫力に欠け、ルビオ氏とは少し違った。

 
■決戦直前、米共和党候補のTV討論会


米大統領選の候補指名争いのヤマ場である「スーパーチューズデー」を3月1日に控え、多くの代議員が割り当てられるテキサス州で共和党候補のテレビ討論会が開かれた。3連勝中の実業家ドナルド・トランプ氏や後を追うマルコ・ルビオ、テッド・クルーズ両上院議員らが舌戦を繰り広げた。
 

ルビオ氏は、トランプ氏を信頼できない不誠実な人物に見せようとしたのに対し、クルーズ氏はトランプ氏は真の保守派ではないと訴えた。しかしそれは「トランプ現象」のポイントを外しているかもしれない。トランプ氏は伝統的な保守派ではなく、そのように見せかけてもいない。


しかも、トランプ氏の支持者がそれを気にしている様子もほとんど見られない。彼らがトランプ氏を支持しているのはイデオロギー以外の理由だ。このため、何よりもトランプ氏の型にはまらない考えに引かれている人々の信念を揺るがすのに、イデオロギーの面から同氏を攻撃することがどれほど役に立つかは不明だ。


いずれにせよ、25日夜に2つのことが明らかになった。一つ目は、トランプ氏への攻撃が本格的に始まったことだ。この日、保守派団体の「クラブ・フォー・グロース」は新しいテレビ広告を発表した。これは、トランプ氏が「増税や国民皆保険制度、政府の救済措置を支持するなど長年リベラルな姿勢」を取ってきたことを非難する内容で、共和党が3月1日に投票を行う11州の一部で放映される。


二つ目は、トランプ氏が自身への攻撃を甘んじて受けるつもりはないことだ。討論会ではルビオ氏のことを、現実世界の経験がなく、過去の討論会では「チョーク・アーティスト(実力はあるのに本番に弱い人)」だったとけなした。また、クルーズ氏については典型的な当てにならない政治家だと切り捨てた。それどころか、他の候補者は口先ばかりで行動が伴わないと断じて討論会を締めくくった。
 

3月1日の「スーパーチューズデー」まで残すところわずか数日。25日夜の討論会からすると、ルビオ氏はその数日間をトランプ氏攻撃に費やすだろう。そして、これまでの経緯を踏まえれば、トランプ氏は猛烈な反撃に出るに違いない。(米ウオールストリートジャーナル)

    
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| 古澤襄 | 21:35 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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