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どの産油国も背に腹は代えられない   宮崎正広

ロシアがベネズエラに追加投資、エクアドルは原油が200ドルの高騰を夢想


末期的症状がでてきた。世界中で起きている面妖な出来事の数々。


豪政府は、最大の酪農地区を中国に売却すると発表した。先にも北西部のダーウィン港の中国から要請のあった長期の租借を認めた。しかしダーウィンは豪州海軍基地がおかれ、米海兵隊が駐屯している基地ではないか。


ロシアは窮地に陥ったベネズエラのオリノコ河流域の産油地帯開発に追加で5億ドル投資すると発表した。


ベネズエラは対外債務が巨額にのぼり、年内の償還分さえ、原油が100ドル前後まで恢復しなければ返済できない。


したがって債務不履行は秒読みではないか、と言われている。

2月19日、マドロゥ大統領はロシア国有石油企業ロスネフツ幹部との間で正式な協定書を交わした。産油基地企業(ベネズエラ国営)の「ペトロモナガス社」の40%の株主になったのである。


ベネズエラのオリノコ河流域の石油埋蔵は2350億バーレルと見積もられ、世界最大鉱区の一つとされる。

 
エクアドルではラファエル・コレア大統領が「原油は200ドルまで急騰する」とパラノイア的発言を繰り出した。論拠は投資費用と生産コストから勘案すれば、200ドルでないと引き合わないという単純な計算に基づくもの、エクアドルは1974年にOPECに参加したが、92年に一度脱退している。


理由は生産シェアに応じたOPECへの会費200万ドルを支払うのをためらったからだった。


2007年にエクアドルの選挙で、コレラ大統領が当選するとすぐさまOPECに復帰した。


こうしたジグザグぶりをしめすエクアドルの一日平均の現有生産はわすか55万バーレル弱で、OPEC全体の1・7%を占めるにすぎない。


いや原油生産の弱小国であるからこそ、生産削減協定という国際カルテルに加わることが政治的にも有利と判断したのだろう。


2016年1月11日にはサウジ、カタール、ロシア、ベネズエラが原油生産凍結に合意しているものの全体の合意とはならなかった。


 ▼欧州で米国で、国民の「怒り」はエスタブリシュメントの政治へ向けられた。


ドイツが難民で大揺れとなりメルケル続投は考えにくくなった。


欧州を襲うのはナショナリズム、反EUの嵐、これがロンドンに飛び火した。ロンドン市長はEU脱退を表明してキャメロン政権を慌てさえ、五年ぶりに英国ポンドが下落した。


「われわれはエリートの政治はもうたくさんだ。エスタブリシュメントの政治に飽き飽きしている」というのは英国に限らず、西欧から中欧、そして、台湾、香港へと広がり、つぎのフィリピン大統領も、アキノ後継ではない政治家が選ばれそうだ。


つまり、大衆の既存エリートへの反乱、政治への怒りが爆発している。この怒りが米国でトランプ現象を生み出しているのだ。


かくして理論的な説明のつかない面妖な出来事が世界で繰り返されているが、その不思議な現象の筆頭こそ、エスタブリシュメントの象徴だったジェブブッシュの撤退、ヒラリーの予期せぬ不振。そして米国大統領予備選におけるドナルド・トランプの躍進である。

    
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| 宮崎正弘 | 06:46 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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