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北朝鮮の危険度ナンバーワン、金英哲という人物   古沢襄

■その強硬路線に韓国の警戒態勢はMAXレベルに


金正恩氏が核ミサイルに続き韓国にテロを仕掛ける可能性が高まった。この挑発の総責任者が昨年暮れに死亡した金養建氏の後任、金英哲統一戦線部長だ。


金英哲氏は金正恩体制が起こしてきたテロ事件の首謀者だ。軍の特殊機関で最強部隊の偵察総局を率いてきた強硬派の代表格。


北朝鮮軍部で最も危険な存在で、かつ金正恩氏の信頼が厚いことでも知られる。朝鮮半島では3月7日から4月末まで史上最大級の米韓合同軍事演習が行われる。実戦さながらの緊張に北朝鮮が対抗してくるのか。韓国は最高度の警戒態勢を取る方針だ。


■危険度ナンバーワン、金英哲という人物


金英哲氏は1月中旬、党の対南(韓国)部門、統一戦線部の部長に就き、同時に上部組織の党中央委員会、対南担当書記にも就任した。対南テロの司令塔の大昇進人事に韓国は緊張した。兆候は昨年12月から確認されている。


1月初旬の核実験直前に韓国の列車制御装置(ACT)開発会社が何者かにハッキングされた。金英哲氏率いる北朝鮮の偵察総局の仕業だった。


ミサイル発射後、韓国は制裁措置で開城工団の操業中断を北朝鮮に通告、これに猛反発した北朝鮮は、即座に開城の資産を凍結、韓国人の人員追放を行ったが、いずれも金英哲氏の指示とみられている。


これだけではなかった。韓国情報当局の調べで、「金正恩第1書記が最近、対韓国テロための能力結集を指示、偵察総局が準備している」ことが判明した。この指揮を、対南総責任者の金英哲氏が執ることが明白になった。


金正恩氏が核ミサイルに続き韓国にテロを仕掛ける可能性が高まった。この挑発の総責任者が昨年暮れに死亡した金養建氏の後任、金英哲統一戦線部長だ。


金英哲氏は金正恩体制が起こしてきたテロ事件の首謀者だ。軍の特殊機関で最強部隊の偵察総局を率いてきた強硬派の代表格。北朝鮮軍部で最も危険な存在で、かつ金正恩氏の信頼が厚いことでも知られる。朝鮮半島では3月7日から4月末まで史上最大級の米韓合同軍事演習が行われる。実戦さながらの緊張に北朝鮮が対抗してくるのか。韓国は最高度の警戒態勢を取る方針だ。


■危険度ナンバーワン、金英哲という人物
 

金英哲氏は軍出身。軍出身者が党書記になるのは極めて異例だ。そして対南担当書記と統一戦線部長の兼任とは対南政策の総責任者を意味している。金氏は党軍事委員会や国防委員会にも所属しており、その権力を一気に強めたとみられている。


偵察総局は2009年に創設された対南工作機関で金正恩政権下の最精鋭の実力部隊だ。組織的には要人テロが専門の人民武力部偵察局、対南工作員派遣を担当してきた朝鮮労働党作戦部、海外テロ専門の労働党35号室、国防委員会政策室(軍事政策)などの軍や党の部署、機関を統合した。


金氏は責任者に抜擢(ばってき)されるや、韓国哨戒艦「天安」撃沈事件(2010年3月)、続いて延坪島砲撃事件(2010年11月)を主導した。昨夏の南北非武装地帯(DMZ)地雷事件も同氏の仕掛けたテロとみられている。傘下には5000人の要員を抱えるサイバー戦指導局なども持ち、2014年には金正恩氏の暗殺を扱った米映画政策会社へのサイバー攻撃も実行。米当局は昨年、この報復で偵察総局を制裁対象に指定している。


偵察総局を使いテロ指令を縦横無尽に出してきた金英哲氏はその強硬ぶりが気に入られ、金正恩氏の側近として生き残ってきた。それだけに今後はさらにエスカレートする“危険度”が高い。その側近ぶりは、第3回核実験後に国際社会の非難追及に対抗、朝鮮人民軍最高司令部名で出した「朝鮮戦争の休戦協定を白紙に戻す」との声明(2013年3月5日)を読み上げたことでも知られている。


■軍部は強硬派だけが生き残る恐怖政治


金英哲氏の前任者、金養建氏は昨年12月末、交通事故で死亡したが、その突然の死には依然、ナゾがささやかれる。金養建氏が穏健派として知られ、その後任に全く対極の強硬派の金英哲氏が取り立てられて出世したため「強硬派による謀殺の可能性」が消えていない。


金正恩体制下では過去4年、軍要人の突然死や粛清による処刑がいまだに後を絶たない。


今年2月は李永吉・軍総参謀長が処刑された。党中央委員会・軍党委員会連合会議で「党の意向に背いた派閥活動や不正」が原因の処刑と発表されたが、同会議で金正恩氏が自らに対する軍の忠誠の必要性をことさら強調する演説を行ったため、「李氏の不敬発言が原因か」とされている。


昨年4月には玄永哲・人民武力部長(国防相)も処刑で銃殺された。その後、人民軍内で「玄永哲氏は最高尊厳を冒涜(ぼうとく)した」との講演が行われていたことが分かり、これも「不敬」が原因だったとみられている。


軍幹部では金正日氏が金正恩氏の後ろ盾として付けた李英浩・軍総参謀長も2012年夏、突然、解任、処刑されたもようだ。


粛清では叔父の張成沢・国防委員会副委員長が知られるが、全体でみると圧倒的に軍部粛清が多く強硬派が生き残っている。昨年の玄永哲氏は中国事情に明るかったため「強硬派と衝突した可能性」が取り沙汰され、今年の李永吉氏は「原理原則の人物だったため金正恩氏に疎まれたのでは」との観測もある。


強硬派だけが生き残る北朝鮮軍部。南北関係に不穏な空気が漂っている。(筆者の久保田るり子は産経新聞編集委員)


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