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輸送艦「くにさき」 PAC3を宮古島に搬送した「おおすみ型」   古沢襄

■3番艦は戦車10両、自衛官350人を輸送可能

 
北朝鮮は7日、事実上の長距離弾道ミサイルの発射を強行した。事前に国際機関に通告されたミサイルの飛行経路には、沖縄県の先島諸島の上空が含まれていた。自衛隊は「万が一」のときに備え、地上配備型の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の配備迎撃態勢を決定した。


具体的な配備先には、沖縄本島の那覇基地、知念分頓基地のほか、石垣島と宮古島が選ばれた。PAC3は全国6カ所の高射群などに配備されているが、その数には限りがある。普段は配備されていない先島諸島に対し、迅速に搬送・配備する必要があった。


宮古島への搬送を担うことになったのが、海上自衛隊の輸送艦「くにさき」だ。「おおすみ」型輸送艦の3番艦として、平成15年に完工した。


艦首から艦尾まで真っ平らな全通甲板を採用した空母型の船体が特徴だ。離島などに隊員や装備を送り届けるのが主任務で、完全武装した陸上自衛官約350人を運ぶことができ、90式戦車10両、トラック40両以上の輸送が可能。離島防衛のために導入される水陸両用車「AAV7」の運搬手段としても活用される見通しだ。


くにさきがPAC3を宮古島に運搬するまでの過程は、多難を極めた。北朝鮮は当初、2月8〜25日にミサイルを発射すると国際機関に通告していた。これを受け、くにさきは広島県呉市の海自呉基地を4日に出港。7日午前10時ごろに宮古島の平良港に到着し、同日中の配備完了を予定していた。


しかし、北朝鮮は通告期間を1日前倒しし、早ければ7日午前7時半(日本時間)に発射する可能性も出た。洋上で一報を受けたくにさきは、荒波の中を速度を上げて急行。7日未明に宮古島に到着した。


ただ、安全に着岸するために必要なタグボートの準備が間に合わなかった。着岸には通常、2隻のタグボートの支援を受けるが、準備ができたのは1隻のみ。防衛省は「到着を待っていたら配備が間に合わない」(幹部)と判断。くにさきはタグボート1隻での着岸に踏み切った。


あたりは暗闇。当日は強風のため波も高く、失敗すれば船体が岸壁に打ち付けられるリスクもあった。それでも、配備が間に合わないうちにミサイルが発射され、万が一にも宮古島に被害が出れば、自衛隊の信頼は失墜する。


海自幹部は「タグボート1隻での着岸は異例だが、あのケースでは配備を間に合わせる唯一の手段だった。もちろん、高い操船技術に裏打ちされた自信があるからこその判断だ」と強調する。


着岸は成功し、PAC3の発射機を搭載した車両2台を即座に陸揚げした。島の西部にある公園に配備を終えたのは、7日午前6時40分。北朝鮮の予告時間が始まる50分前のことだった。


配備がギリギリになったことを受け、一部のマスコミからは「後手に回った」「計画が甘い」といった自衛隊への批判が出ている。


しかし、安全保障の世界に100%正解といえる対応はない。刻々と変化する状況に迅速に対応し、「最悪の事態を回避することが危機対応の基本」(海自幹部)といえる。その意味で、突然の北朝鮮の通告期間前倒しにもかかわらず、時間までに迎撃態勢を整えた自衛隊の働きは評価されるべきだろう。(産経)


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| 古澤襄 | 10:48 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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