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マハティールは「アジア通貨危機」にいかに対処したか   宮崎正広

■中国がいま行うべき道筋は、見えてきたのではないのか?


人民元のSDR入りを当面遅らせるとでも言わない限り、市場は納得しないかも知れない。


すでに2015年一年間で、海外からの投資資金のうち、公式統計でも5170億ドルが中国から去った。実際には1兆ドルの資本が海外へ逃げたとみてよい。


中国の経済破綻はもはや疑う余地もなく、株価暴落に連動して人民元は崩落を続けるだろう。


国際的にすべてが連動するため、中国経済が破綻すると世界が同時不況となる。年初来、中国株の崩落で、日本株がもろに影響を受けて下落したように、ウォール街もEU諸国も15−20%も下落している。


逆に言えば、中国経済はそれほど深刻に地球的規模で悪影響をもたらすほどの実力を備えていたのだ。


1997年から始まったアジア通貨危機で、マレーシアのマハティール首相がとった対応策を鮮明に思い出す。


IMFの非難、西側メディアの批判をもろともせずに、マハティール首相は海外流失の規制、つまり海外へ逃げ出す外貨を防ぐために外貨短期取引を事実上閉鎖した。


他方で、マハティールはジョージソロスを攻撃した。まさに中国が、メディアを使ってジョージソロス非難の合唱を初めてように。なんという既視感!


そして内需拡大のため、国内では金融緩和、公共事業を盛り上げた。99年にマレーシア経済は回復した。


IMF勧告に従って逆の政策を執ったのは韓国、タイ、インドネシアだったが、やはり経済は沈没し、その後、長期の経済停滞に喘ぐ。結果を見ればマハティールがIMFに勝利したのである。


さて、この既視感。中国がいま行うべきことを明瞭に示唆しているのではないか。
 次の「失われる二十年」は明らかに中国だが、現時点で言えることは世界同時デフレ懸念が拡がる一方とはいえ、対外債務の比率が少ないだけが取り柄なのである。
 

中国がやるべきこと資本流失規制強化と金融緩和(まさにデジャビ=マハティールの施策)だろう。


英国のフィナンシャルタイムズ(1月26日、社説)「資本規制いがい選択肢はない」とザ・エコノミスト(1月16日号)は「資本規制強化で危機に備えよ」と吠えた。


グローバリズムの先頭に立つメディアが逆のことを主張したのである。

 
 ▼日本はどうするのか


巷間「アホノミクス」と悪口を叩くエコノミストが散見されるが、彼らの言い分とはまったく逆で、アベノミクスの矛盾は「保守政権が社会主義リベラルな政策」を選択しているということなのである。ボタンの掛け違いという程度のレベルではない。背広を逆さに着ているようなものだ。


アベノミクスの第二弾は「一億総活性化」だが、介護も子育ても基本の哲学が不在である。


政策レベルでは、黒田バズーカ第三弾が必要(「マイナス金利」は奇策だったが)だ。


また消費税増税延期は当然であり、終局的にはグローバリズムに対抗する「国の個性」の確立が必要である。


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