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日銀:「マイナス0.1%金利」初の導入決定   古沢襄

■必要ならさらに下げ 


(米ブルームバーグ)日本銀行は29日の金融政策決定会合で、0.1%のマイナス金利による追加緩和に初めて踏み切ることを5対4の賛成多数で決めた。原油価格の下落に加え、年初からの国際金融市場の混乱や盛り上がりに欠ける春闘の賃金交渉により、物価目標の2%達成時期が遅れるリスクが高まったことから、さらなる後押しが必要だと判断した。


金融機関が保有する日銀の当座預金に0.1%のマイナス金利を適用する。「今後、必要な場合、さらに金利を引き下げる」としている。具体的には当座預金を3段階の階層構造に分割し、それぞれの階層に応じてプラス金利、ゼロ金利、マイナス金利を適用する。2月16日からの準備預金積み期間から始める。貸出支援基金はゼロ金利で実施する。


この決定に対し、木内登英審議委員、佐藤健裕審議委員、石田浩二審議委員、白井さゆり審議委員の4人が反対票を投じた。ブルームバーグが22日−27日にエコノミスト42人を対象に行った調査では、追加緩和予想は6人(14%)にとどまっていた。


日銀はマネタリーベースが年約80兆円に相当するペースで増えるよう金融市場調節を行う方針を据え置いた。長期国債、指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J−REIT)の買い入れ方針も維持した。これまで「16年度後半ごろ」としていた2%物価目標の達成時期は「17年度前半ごろ」に後ずれさせた。達成時期の先送りはこの1年に限っても3回目。


黒田東彦総裁は21日の参院決算委員会で、マイナス金利について聞かれ、現時点でマイナス金利を具体的に考えていることない、と述べていた。


■「恐ろしく劇的」


第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、日銀はマイナス金利について、副作用が多いとして否定的な見方をしていたので「前言を撤回した」と指摘、「欧州中央銀行(ECB)に追随したのだと思う」と述べた。まだ影響は整理できていないとしながらも、10年債金利がマイナスなる懸念に言及し、「恐ろしく劇的な動きだと思う」と語った。「景気が良くなればなるほど、金利のマイナス幅が拡大ということになるかもしれない」とも述べた。


黒田東彦総裁は午後3時半に定例記者会見を行う。決定会合の「主な意見」は2月8日、「議事要旨」は3月18日に公表される。決定会合や金融経済月報などの予定は日銀がウェブサイトで公表している。


SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは「マイナス金利の主な狙いは円高阻止だろう。金利は為替取引の利潤に直接影響を与えるため、為替市場に対して量的緩和よりも直接的な効果が大きい。マイナス金利であれば、円を買っても金利を払わなければならないため、円買いのインセンティブを低下させる」と指摘。マイナス金利には「通常の金利差による円安効果がある」としている。


■Q&A


日銀は決定発表と同時に、「本日の決定のポイント」とQ&Aを公表した。それによると、マイナス金利の導入に当たり、 金融機関収益への過度の圧迫により金融仲介機能が低下するようなことがないよう、3段階の「階層構造」を採用し、ある残高まではプラス金利ないしゼロ金利とする。


金融機関がマイナス金利の日銀当座預金の代わりに金利ゼロの現金で保有すると、マイナス金利の効果が減殺されるため、金融機関の現金保有額が大きく増加した場合、その増加額を当座預金でゼロ金利が適用される部分から控除し、マイナス金利がかかるようにする。同様に階層構造方式を採用しているスイスはマイナス0.75%、スウェーデンはマイナス1.1%、デンマークはマイナス0.65%など、大きめのマイナス金利が適用されているという。


マネタリーベースの拡大(現在の方針は年間約80兆円の増加)に伴い、 日銀当座預金残高は増加していくことになるが、マイナス金利が適用される部分が適切な規模となるように、適宜のタイミングでゼロ金利が適用される部分を増加させるとしている。


■反対意見


伊藤忠経済研究所の武田淳主任研究員はマイナス金利の導入について「国内限定で外的要因に対しての効果は期待できない」としながらも、「2%の物価目標の達成に対する日銀の真摯(しんし)な姿勢を示したことで投資家には安心材料になる」と指摘。マイナス金利を導入し、さらに金利を引き下げる可能性を示したことで、日銀は「追加緩和をする余地を作った」と評価している。


マイナス金利の導入に反対した白井委員は理由として「量的・質的金融緩和の補完措置導入直後のマイナス金利の導入は資産買い入れの限界と誤解される恐れがあるほか、複雑な仕組みが混乱を招く恐れがある」と述べた。


石田委員は「これ以上の国債のイールドカーブの低下が実体経済に大きな効果をもたらすとは判断されない」と指摘。佐藤委員は「マイナス金利の導入はマネタリーベースの増加ペースの縮小とあわせて実施すべきである」と述べた。また、木内委員は「マイナス金利の導入は長期国債買い入れの安定性を低下させることから危機時の対応策としてのみ妥当」として反対した。(米ブルームバーグ)


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