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オバマ大統領、最後の一般教書演説で楽観的な展望   古沢襄

【ワシントン】オバマ米大統領は12日、任期最後となる一般教書演説を行い、米国が経済・国家安全保障の両問題で大きく前進したと強調し、多くの米国民の悲観的なムードとは裏腹に未来に対して楽観的な展望を示した。


大統領の演説には、任期満了を間近に控えた大統領の立場が反映されていた。大統領は政策課題を推し進める代わりに、国の未来に対する自らのビジョンを受け入れるよう国民に求め、それを遂行する後継者の選出が必要であることを納得させようとした。


大統領は「われわれは異例の変化の時代に生きている。われわれの生き方や働き方、地球や世界でわれわれが暮らす場所を再形成する変化だ」と指摘。


さらに「われわれが望む未来─機会と家族の安全、生活水準の向上、われわれの子供たちのための持続可能で平和な地球─これら全ては手の届く範囲にある」とし、「しかし、団結、理性的で建設的な議論、政治の是正なくして、それはなし得ない」と訴えた。


ただ、こうした大統領の楽観的な見方とは対照的に米国民の間では自国でのテロの脅威や海外での社会不安の増大に対する懸念が高まっている。

 
オバマ大統領は「われわれが望む未来─機会と家族の安全、生活水準の向上、われわれの子供たちのための持続可能で平和な地球─これら全ては手の届く範囲にある」とし、「しかし、団結、理性的で建設的な議論、政治の是正なくして、それはなし得ない」と訴えた。(英語音声のみ)


こうした懸念をあおっているのが、過激派組織「イスラム国」(IS)に感化された最近の事件や12日にトルコ最大の都市イスタンブールで発生したISによる自爆テロだ。それに加え、北朝鮮による核実験やイランによる継続的な挑発、5年目に突入したシリア内戦もある。


共和党は大統領に対し、演説を利用して詳細な対IS戦略を示し、国民の恐怖心を和らげるよう要求していた。


ポール・ライアン下院議長(共和、ウィスコンシン州)は12日、イスタンブールの自爆テロに触れ「米国人は自らの治安や世界情勢に非常に不安を感じている」と述べた。


ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCテレビが12月に行った共同世論調査によると、米国民の約70%が国の方向性が間違っていると考えている。また調査では、米国民の51%が大統領の仕事に不支持を表明。支持すると答えた人は43%であることも明らかになった。


大統領は議会を招集し、自らの優先政策である刑事司法制度の改正、環太平洋経済連携協定(TPP)の締結、対キューバ制裁の解除について承認を求める計画だ。これら政策は両党から支持を得ているが、今年議会で可決されるかは不透明だ。

 
オバマ氏はがん治療のための国民的努力も訴えた(英語音声のみ)

 
大統領の演説の最大のポイントは経済、テクノロジー、国家安全保障、政治の4つの課題に取り組むよう米国民に求めた点だ。大統領はこれら4つが国の未来の鍵を握ると考えている。


大統領は、経済をめぐる根強い不安に対処しようと、連邦最低賃金の引き上げなど民主党がおおむね支持する一連の処方箋について米国民に協調を訴えかけた。また、米国がテクノロジーを原動力とする歴史的な経済移行期にあることも強調した。


大統領が09年の就任時に掲げた優先課題の1つがワシントンの政治改革だったが、大統領はそれが達成できそうにないことに後悔の念を表明した。


大統領は「任期の中で悔いている数少ないことの1つがそれだ。党派間の遺恨や不信感は改善するどころか悪化した」と述べた。


さらに米国が軍事力よりも外交的手段を用いて外交政策を成功させたことを指摘し、イラン核合意やキューバとの国交回復を例に挙げた。また、アフリカのエボラ流行を終結させる上で米国が果たした役割も強調した。


しかし、大統領はイラクとアフガニスタンの戦争を終結させることができないまま任期を終えることになりそうだ。また、任期中にロシアとの関係悪化や中国の強硬化、シリア内戦の泥沼化も起こっている。

 
イスラム国壊滅に向け、議会は武力行使を承認すべきとも指摘 (英語音声のみ)


共和党は、昨年7月の核合意以降も2度の弾道ミサイル実験を行ったイランに対し、もっと強硬姿勢で臨むよう大統領に迫っている。下院は13日、新たな対イラン制裁法案の採決を取る予定だ。ホワイトハウスは大統領が法案に拒否権を発動する方針であることを明らかにした。


ケビン・マッカーシー下院院内総務(共和、カリフォルニア州)は12日、「下院は大統領を静観しているつもりはない」と述べた。


大統領は演説でISが米国の存続にとって脅威だと認めるには至らなかった。側近によると、大統領はそれがISを増長させると考えている。


大統領は「アルカイダもISもわが国民に直接的な脅威を突きつけている。今日の世界では、自らの命を含め人命を全く重んじないテロリストが、たとえ少数でも多大なダメージを与えることができる」としつつも「しかし、われわれの国家的存続を脅かすものではない」と述べた。


大統領の演説は、移民法改正から税制改革、連邦賃金引き上げ、銃規制の強化に至るまで、自らの2期目の政策課題の重要な法案が任期中に成立しないのはほぼ確実であることを多くの点で認めるものとなった。


大統領はこれらの問題について大統領令を発令しているが、その影響力は法律がない状態では限られる。大統領は銃規制強化策について積極的に主張していく意向を表明した。


大統領は気候変動についても新たな大統領令を発令する見通しで、財務省は新たな法人税規制を検討中だ。(米ウオールストリートジャーナル)


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| 古澤襄 | 19:43 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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