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書評『権力闘争がわかれば中国がわかる』   宮崎正広

■習近平、王岐山の『反腐敗』キャンペーンは、権力闘争の道具 最悪の黒幕は江沢民、その家来たちが逮捕された段階に過ぎない


<福島香織『権力闘争がわかれば中国がわかる』(さくら舎)>


本書はミステリィ、謎解きスリラーのように矢鱈面白いのだ。ともかくド迫力をともなったおもしろさである。


中国では「反腐敗」も「反日」も権力闘争の道具でしかなく、その暗闘、その舞台裏の闇に光をあてると、その果てしない彼らの野心、欲望、その強欲と性欲、そして金銭欲の深さ、カネと権力だけが生き甲斐の「中国教」の精髄が理解できる。


すでに小誌でも随時、令計画、薄煕来、如才厚、周永康、郭伯雄らの悪事、その家来達の暗躍など随時書いてきたが、それらをさらに綿密に香港情報を主体に中国国内のニュースソウスにも取材して時系列に体系的に組み立て直した権力闘争の歴史。


そして同時に本書は、空前の汚職が続く中国政治の泥沼を、生き生きと描く。


令計画のどら息子は気の小さい男だったとか、周永康は無類のおんな好きであり、その「愛人」になりたい女が列を作って志願したことなど、信じられない中国女性の出世欲、その金銭欲のドライさが浮かび上がる。

 
圧巻はCCTVの美人キャスター等が演じる愛人願望と、その複雑な愛欲人脈図も手に取るようにわかるうえ、美人キャスター等が実名、似顔絵入りで図解されている。


わけても面白いのは習近平の反腐敗キャンペーンが究極の標的としているのが江沢民、曽慶紅らの上海派であり、つぎに共産主義青年団にも的を広げていること。


そのために習近平と王岐山への暗殺未遂事件が十数回あったこと、また習近平一族のスキャンダルが、西側メディアン香港を通して漏洩するのも上海派のリークとみられること。


さらに福島さんは、過去の「遠華事件」にまだ筆をすすめ、史上空前といわれた密輸事件は軍幹部を籠絡した主犯の頼某がカナダへ亡命した際に、証拠を提出していること。


つまり事件の黒幕は賈慶林といわれたが、習近平も当時は福建省の大幹部であって連座していない筈がないこと。これら黒幕の最後の黒幕が江沢民であることなど、いくたの文献から傍証している。


あまつさえ令計画の実弟、令完成は2700件の秘密ファイルをもって米国へ亡命したが、その機密はすでにCIAに渡っており、米国がカードを握っているとするあたりは、拙著『私たちが予測した通り、自滅する中国』(石平氏との共著、ワック)の推測と酷似する。


同時に、副首相の王洋が米国との戦略対話で「国際ルールを決めるのは米国であり、中国はそれに従う」などと習近平と百八十度異なることを公言した。あきらかに団派が、習近平に挑戦していることを示唆するという推定も評者と同じで見解である。


ともかく本書の中味を小誌で紹介するよりも、手にとって欲しいと思う。


中国の権力闘争が、アカデミックな中国学者や大手マスコミが絶対に書かない驚愕の裏側を集大成的に描いた著者の力量はいつもながら注目に値する。


<a href="http://www.kajika.net/">杜父魚文庫</a>

| 宮崎正弘 | 09:56 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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