<< 『小ネズミ国会議員』と言ったら「おかんに怒られた」   古沢襄 | main | 共産が8議席に倍増し第2会派に 自民27議席 民主はわずか5議席   古沢襄 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - | pookmark |







池田勇人首相よりも岸信介首相だったろう   古沢襄

夜中の一時に目が覚めた。寝汗をかいている。居間に行って体温を測った。愛犬バロンは人間のように腹を出して熟睡している。明け方ななら起きて私の先導に立つのだが、目をギョロリをむいてみただけ。


体温は35度2分、低すぎる。二度も3度も測り直したが35度2分。


体温の変調の理由は自覚している。一に散髪で頭髪を刈り上げ過ぎたこと。家の中にいても寒さが頭からくるから、黒いハンチングをかぶっている。過ぎたるは及ばざるがごとし。


二にタバコの吸い過ぎ。とはいうもの、一念発起してこのところ、私の過去の記憶を呼び起こして身辺雑記的なブログを書いている。講演会ではこれが欠かせないが、その場で過去の記憶がポンポンと出てくるものではない。


ブログに書いた過去の記憶を講演会用に整理して一、二時間は喋るようにしている。


そんなところに産経新聞が報じたキャロライン・ケネディ駐日米大使が池田勇人元首相の没後五〇年記念特別展に出席して「池田首相の下で日本経済は繁栄し、日米関係が強化された」とリップサービスした記事は面白い。


岸信介内閣が六〇年安保で崩壊し、その後を受けて池田内閣が成立した事情は首相官邸記者だったので、熟知しているつもりである。右翼の暴漢に襲われて岸さんが刺された時には岸番だったので誰よりも岸首相の近くにいた。


御殿場の別邸に引きこもった岸さんから「君は私の頭をまたいで電話に飛びついて速報しただろう」とからかわれたが、「日米安保条約を改定したことによって日米関係は飛躍的に強化された」と昂然たる様子だった。


事実、その後の日本経済が右肩あがりに経済復興したのは、安保改定という政治事件なしには考えられない。


当時を回顧すれば岸内閣当時、池田勇人は反主流派だったから、岸は池田に政権を渡す気がなかった。むしろ河野一郎を後継の相手に考え、岸、河野、大野伴睦、佐藤栄作の四者会談を帝国ホテルで持って密約を結んでいた。


これをひっくり返したのは大磯の吉田茂元首相の意を受けた佐藤。佐藤にしてみれば、岸・佐藤の政権授受は””兄弟内閣”のそしりを受けかねない。自民党内で通用しても国民批判を受けて実現が不可能と思えた。


そこで池田でワンクッションおいて佐藤に政権を渡す吉田の考えが生まれた。この日も岸番だったが、早朝に南平台の岸邸を出て、大磯の吉田邸に向かった岸には岸番記者の全員がまかれてしまった。吉田は佐藤をそばに置いて、池田にワンクッションの政権授受を説得していた。


これを受けた岸。この時点で帝国ホテルの密約は反故にされた。すでに不仲がいわれていた佐藤と河野はまさに相容れぬ”犬猿の仲””不倶戴天の敵”となった。


だから首相官邸の私たちは池田は一年も持たない短期政権と一様に占っていた。官房長官になった大平正芳が一日でも長く池田政権を長続きさせることに苦心していた。大平は官邸記者全員の名前と写真を貼った名簿を作らせ、廊下で出会うとたとえば「やあ 古沢君!」と声をかけてきた。面食らったが、感動した記憶が残る。


池田内閣が一年以上も続くと、佐藤と福田赳夫は政権打倒に動き、大野と河野は池田擁護に回った。池田は政策面で経済重点主義を打ち出し、高度経済成長政策を唱えた。これに対して佐藤と福田は安定経済成長政策で行きすぎたバブル政策に異を唱えた。


事実、池田内閣の末期には中小企業の倒産が増えて社会問題となっている。この当時、池田の弟分だった前尾繁三郎は大蔵省で同年入省だった福田と赤坂の料理屋・重箱で定期的な会合を持っている。


池田周辺でもドラスッチクな成長政策にはブレーキをかける動きが生まれている。とてもケネディ大使は式典で「池田首相の下で日本経済は繁栄し、日米関係が強化された」というような生やさしい経済情勢ではなかった。だからリップ・サービスというのが正しかろう。


本格的な高度経済成長政策が始動したのは田中角栄首相の下でブレーンが集まり、都市政策大綱を創り、日本列島の改造政策、全国新幹線網、高速道路網の建設に着手してからである。これはその反面、バブル経済を生み、日本の長引く不況の原因となったが、中曽根康弘元首相当時に日米関係が飛躍的に好転したのは事実である。


オバマ政権の誕生で貢献したケネディ大使だったが、いまはヒラリー・クリントン大統領の誕生を見据えている。駐日米大使としてポスト安倍について的確な判断をヒラリーから求められているのだろう。
 

<a href="http://www.kajika.net/">杜父魚文庫</a>

| 古澤襄 | 03:03 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







スポンサーサイト
| - | 03:03 | - | - | pookmark |







コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://kajikablog.jugem.jp/trackback/1010984
トラックバック

CALENDAR

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< May 2019 >>

SEARCH

SELECTED ENTRIES

RECENT COMMENT

CATEGORIES

ARCHIVES

LINKS

PROFILE