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ヨーロッパを襲う蝗の大群=「難民」は対岸の火事ではない   宮崎正広

■日本は近未来の半島、大陸からの難民と如何に対応するのか


「難民」というやっかいな難題は、歴史開闢以来、どの地域であれ政治が抱えてきた。


古代フェニキアの女王は地中海からギリシアへ上陸し、中欧を目指した。中国の歴史は換言すれば難民大量発生の歴史であり、近年、アジアでもベトナムのボートピーポル、ミャンマーからの少数民族とウィグル族のタイへの密航がいまも続く。


中東からの難民はシリアとイラクが主で、戦争、内乱、圧政を逃れるため家財道具をたたき売って闇で調達したユーロで密航業者に大金を払い、欧州を目指す。彼らはひたすら自由と雇用をもとめて家族ぐるみでやってくる。密航船の転覆事故もあとを絶たない。


もとはと言えば欧米の傲慢でちぐはぐな中東政策の失敗に起因し、その災禍がブーメランのように跳ね返ってきたのである。


ブッシュ(父)政権が湾岸戦争、クリントン政権がNATO軍としてセルビア空爆、アフガニスタン介入。そしてブッシュ(息子)政権の対イラク戦争。くわえてオバマ政権での「アラブの春」への無原則的な関与とイランへの譲歩がサウジアラビアなどをして対米不信を増大させ、一方でロシアへの異様な接近をもたらした。


シリア空爆を英国が日和り、米国もためらった結果、ISISの跳梁跋扈をうみ、四百万をこえる難民がトルコ、ヨルダン、レバノンへ雪崩れ込んだ。とくにトルコは二百万人もの難民で、経済的苦境が深まっていた。


米国の中東外交は連続して失敗に帰結し、リビア、チュニジアは無政府状態となり、エジプトには軍事政権が帰り咲く。北アフリカの政情不安も数十万の難民が地中海を渡り、イタリアへと密航を重ねる。


九月になって大量の難民が地中海を越え、ギリシアーマケドニアーハンガリー経由でドイツを目ざすようになると、ドイツはEU諸国に難民割り当て制を言いだし、英仏は前向きだが他の諸国から総スカンとなった。


ドイツの身勝手さが攻撃され、英国や大英連邦下の豪、ニュージーランドまでが難民の受け入れを表明した。日本は当然のように金銭的負担を迫られる。かれらの失敗の尻ぬぐいを強要される不条理!


第一に大量の難民を斡旋する悪徳業者の存在がある。


第二にトルコの変心を指摘しなければならない。ISIS空爆を渋々承知したトルコは、主としてクルド武装勢力の拠点を空爆している。同時にトルコ国内の空軍基地を米軍に使用させ、見返りに難民の欧州への密航を黙認、というより奨励しているフシがある。厄介者を追い払おうとしているのだ。


こうした欧州への難民を日本は他山の石として教訓化する必要がある。軍事的緊張の高まる朝鮮半島が有事の際、悪質な密航業者が暗躍し、対馬、壱岐や五島列島など警備の薄い日本領土をめざすだろうことは火を見るより明らかである。


くわえて中国大陸に政変が起きれば、もっと大量の難民が日本を目指すであろう。そのとき、どうするのか。日本にはノウハウの蓄積が欠落している。


欧州への難民問題は対岸の火事ではない。(この文章は『北国新聞』10月5日「北風抄」からの再録です)


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| 宮崎正弘 | 09:57 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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