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中国のシルクロード「一帯一路」は鉄道   宮崎正広

■ハイウエイ建設による軍輸送が基軸 曖昧だった「陸のシルクロード」は鉄道輸出プロジェクトが根幹に


21世紀のシルクロード構想、中国は400億ドルを「シルクロード財団」に投じ、あるいはAIIBを通じての融資によって、アジア各国との国境を越えて新幹線、ハイウエイ、そして海のシルクロートは港湾の建設プロジェクトが主眼とすることが分かった。


米人学者によれば「これは徹頭徹尾、軍の戦略が基本にある」という。


軍の機関誌に発表された論文を読んでも「21世紀のシルクロード構想」はいかにして軍事力を迅速に効率的に輸送できるかに力点が置かれており、2007年と11年の中ロ共同軍事演習でも、ロシア兵、中国兵それぞれが鉄道によって如何に迅速に輸送できるかの作戦展開に重きを置いた。


2014年末に中国は新幹線を(1)蘭州(甘粛省)からウルムチ(新彊ウィグル自治区)へ。(2)貴州省貴陽から広州へ、そして(3)広州から広西チワン自治区の南寧へ通した。いずれも中国版「新幹線」(中国語は「高速鉄道」)で、残りの予定工事区間は、まだ3000キロ(この三千キロだけでも日本の新幹線の全営業距離に匹敵)。


そして国内ばかりではなく、この高速鉄道を(1)カザフスタン、ウズベキスタンなど中央アジアイスラム圏を通過させ、トルクメニスタンを通過してヨーロッパへ向かわせる。モスクワは従来のシベリア鉄道の競争力を奪われる危険性もあるが、モスクワがシルクロートのハブとして機能し、対欧輸出の拡大となれば、ロシアのメリットは大きいとして前向きになった。


(2)トルコへはすでにイスタンブール → アンカラ間を中国が支援した高速道路が完成しており、これをトルコはさらに四本、東方へ連結する計画がある。


(3)アジアへも雲南省からラオス、カンボジア、ベトナムへ鉄道を拡充して結ぼうとしており、軍事戦略として勘案すれば、たしかに米人学者等の懸念が当たっている。


米国の有力シンクタンク「ジェイムズタウン財団」のレポートによれば「中国国内の鉄道プロジェクトは明らかに中国人民解放軍の軍事戦略の下に発想されており、兵力、兵站、装備、戦車輸送などの基幹ルートでもある」(同財団CHINA BRIEF、4月16日)


欧州戦線への軍投入という事態は想定しにくいが軍人の論文には「ロシアがクリミア戦争で苦戦し、日露戦争が敗北におわったのも、鉄道建設が遅れたからである」としている点には注目しておくべきである。


とはいえ今世紀最大のプロジェクトともいわれる「一帯一路」は短時日で完成しない。
そもそも資金が続くのか、どうか。途中で挫折すれば、あとに残るのは索漠たる曠野であろう。


▼あちこちにプロジェクトの残骸はゴーストタウン、こんどの「一帯一路」のシルクロードも、アジアのあちこちに曠野を出現させるだけでおわるリスクが高い


中国自身が「おそらく何世代にもわたる」と言っているように、これは短時日のプロジェクトでないことも鮮明になった。そしてAIIBの融資先は、これらのプロジェクトへの融資が主力となる。


やはり、そうだった。AIIBは「中国の、中国により、中国のため」の銀行なのだ。


習近平はことし初めての外遊先をパキスタンと、インドネシアに絞り込んだ。


パキスタンとは半世紀を超える軍事同盟でもあり、同国のイランとの国境グアイダールの港湾建設工事も十年前から中国主導で進んでいる。陸のルートも山道が開けているが、これを本格的なハイウエイとする。


インドネシアは大々的な港湾設備に全力を注いでおり、中国の「21世紀の海のシルクロード」はマラッカ海峡を重要視している。シンガポールで分岐するもうひとつのシーレーンをインドネシアへ向かわせる。


したがってジャカルタは中国からの資金導入に前向きとなる。

 
▼中国国内シンクタンクからは疑問の声も


とはいえ、構想はあまりにも壮大であり、本当に完成するのか、リスクはないのかと中国の国内シンクタンクからは疑問の声があがっている。


『サウスチャイナ・モーニングポスト』(4月19日)によれば、中国国際問題研究院の石澤らは、「トルクメニスタンからイスラム国へ入っているテロリストは360人、もし鉄道がかれらによって爆破されると、どうなるのかという脆弱性がある。


鉄道沿線の長い距離を守れるのか、ましてカザフ、ウズベクなど指導者はすでに70歳代であり、次の後継者が未定(つまり親中派の指導者が続投できるのか、どうか)なのもリスクをともなうだろう」としている。


「こうした諸問題を勘案すれば、中国の当該地域への投資はリスクが高い」。


また、国内ではGDP成長率が鈍化し、不況にさしかかっているタイミングでの海外投資には疑問がのこり、あまつさえ米国が協力しない金融機関の設立など、「歴史をひもといても中国がおこなった壮大なプロジェクトは多くが挫折しているではないか」と自省の声が聞こえてくるのである。


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| 宮崎正弘 | 12:07 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |







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