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アジアで通貨戦争が再燃(ウォールストリートジャーナル)   宮崎正広

■ロシア「プラウダ」はBRICS銀行が、これからの世界の通貨体制


BRICS銀行の最初のアイディアは2012年にブラジルで開催されたG20である。


ここで中国、露西亜、インド、ブラジルに南アが正式メンバーとして付け加えられた。BRICsの最後の「s」が大文字の「S」となる。


まだ正式に発足していないBRICS銀行に対してロシアは「今後、IMFに代わり世界の基軸通貨を発行する銀行となる」と突拍子もないことを言い出した。


アジアで通貨戦争が再燃したと「ウォールストリート・ジャーナル」が書いた(3月13日)


ロシアはBRICS銀行の最初の批准国となった。IMF世界銀行に代替する世界的歴史的意義をもつ銀行であるとして、ロシア連邦が2月20日に批准を決議し、プーチン大統領は三月に署名を済ませた。


3月5日、アルゼンチン、メキシコ、ナイジェリア、インドネシアなどが加盟を申請した。


資本金は1000億ドルに上積みされ、加盟国はさらに増大する展望が開けてきた。しかし何故、資本金がドル建てなのかの説明がない。


このBRICS銀行が本当にIMF世界銀行という戦後世界の経済体制をささえるシステムを代替するとなると、いくつかの疑問が湧いてくる。


本気でIMF体制に挑戦するとなると、通貨危機を救援するインフラの改変、ひいては国連の改組が必要となり、それほどの長期的展望をもつ銀行とは考えにくいからだ。


実際にロシアの金融専門家さえ、IMF世銀の代替機構になりうるかという設問には懐疑的で、「相互の危機救済システムが謳われているわけでもなく、せいぜいがEBRD(東欧復興開発銀行)の代替であろう」という(英文プラウダ、2015年3月12日)。


EBRDは、冷戦終了後の東欧の再建のため、儲けられた融資システムである。


▼中国の思惑とロシアなどの狙いに早くも齟齬


中国の思惑はブラジル、露西亜、南アなどのプロジェクトへ中国企業が入札し、そのファイナンスによる経済的影響力の浸透という政治的意図が露骨であり、こうなると、「年末に最初の融資が行われ、五年以内に本格化する」という展望さえ、足下から怪しいのである。


李克強首相の全人代報告は「GDP7%成長が2015年度の目標」としたが、2014年度の経済報告では次の数字が示されたのである。


中国の地方の道路整備は23万キロに及んだ。鉄道は8427キロが新設され、新幹線の営業キロ数は、トータルで16000キロに及んだ。ならびにハイウエイは112000キロとなり、インターネットのユーザーは7億8000万人、740万戸の新設住宅が公共投資でまかなわれた。


過剰投資による在庫が積み増しされ、太りすぎた設備投資の削減と企業合併による調整が必要とされた。


余剰設備、在庫処理のために、BRICS銀行が使われる?


中国とロシアの思惑がこれほど鮮明に違うわけで、いずれ加盟国の主導権争いと内紛が表面化するのではないのか。

 
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| 宮崎正弘 | 19:44 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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