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書評『アメリカと中国は偉そうに嘘をつく』     宮崎正広

■これほど辛辣な語彙を撰びながら読後感に爽快さをもたらず秘技 ますます光る高山節、日本のタブーに連続して挑戦


<高山正之『アメリカと中国は偉そうに嘘をつく』(徳間書店)>


この本は雑誌『正論』の巻頭に匿名で連載されたコラムを一冊に編んだ作品である。


名物コラムとなった「折節の記」は2011年12月号から2015年弐月号までの足かけ四年分を収録していて、もちろん加筆・訂正されている。


初回、この正論コラムの筆者が匿名だというのに、文体と辛辣な形容詞を読んで、「あ、これは高山さんだ」とすぐに気がついた読者がまわりにも何人かいた。


『諸君!』の巻頭コラム(紳士淑女諸君)を書いていた徳岡孝夫氏は、なかなか本名がばれなかったが、徳岡氏には翻訳が多くても時局論が少なかったからだろうと推測できる。


『正論』の連載は継続中だが、四月号以降は、本名で書かれている。


高山氏は筋金入りの愛国者であり、米・中・韓国ばかりか、どのような国でも指導者でも誤りがあれば、辛辣に批判する。


そのためイランなどいまも入国禁止である。


高山節は理性をオブラートで包んではいるが、決して感情的ではなく、文明的倫理的な批判であるからファンが多いのも当然、そのうえ読者には『週刊新潮』の巻末コラムにも親しんだ、知性の高い知識と教養がある人が多い。


いや、知性が水準以上でないと、これらの議論にはついていけない。GHQに洗脳され「アメリカのポチ」になった朝日新聞の読者には、この本は理解不能であろう。


山崎豊子は『大地の子』が当たってベストセラー作家となったが、後年の作品群は噴飯もの、偽の正義を書きつづった、と高山氏は言う。


日航に潜り込んだ左翼活動家あがりの小倉某は、まんまと労組委員長に納まった。日航の躓きの始まりだった。「ストを連発し、欠航が続き、日光は赤字に転落した」が、結局、デモを煽られた社員等は小倉の「残忍な素顔を始めて知った」、「居場所を失って海外勤務に自らでた」のに、左遷されたと山崎は小説で嘘を綴る。


「小倉を糞をカレー味にして」、「英雄に仕立てた」と高山氏は言う。


西山太吉を「権力と闘う新聞記者」だと山崎豊子は嘘を書いた。西山は女性をたぶらかして外務省の機密文書を入手したが、それを記事にしないで社会党にまわし、政局にした。つまり「ブンヤでなく総会屋」だった。


ところが山崎豊子の小説に騙された岡田克也は「破廉恥な西山に謝罪した(中略)、この男は政治家よりイオンで客の呼び込みをやっているのが一番似合う」と辛辣さのオクターブが上がる。


とまぁ、こんな調子で全編が辛辣きわまりない、しかし読後感がじつに爽やかな文明批評に仕上がるのは小説も書いている高山氏のレトリックの秘技的工夫であり、高山節の顕著な特色なのである。

 
<a href="http://www.kajika.net/">杜父魚文庫</a>

| 宮崎正弘 | 07:39 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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