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新たな成長目標、中国経済の未成熟さ露呈    古沢襄

■ロイター・コラムでCarlos Barria氏の見解


[香港 5日 ロイター BREAKINGVIEWS]中国は新たな国内総生産(GDP)成長率目標を設定することによって好機を逸した。李克強首相が公表した今年の成長率目標は「7%前後」。あいまいさを残したことは歓迎されるが、こうした大がかりな目標が無い方が中国はうまくいくだろう。
 

過去10年ほどを振り返ると、中国の年間成長率目標は単なる目安だったケースが多かった。成長率が2けた台だった時でさえ、目標が8%を超えたことはない。


ただこの数年では、この目標はどの程度の景気減速を指導部が容認するのかを示す先行指標のようなものになってきた。昨年は1980年代終盤以降で初めて、成長率目標が未達に終わった。それがわずか0.1%ポイントの差だとしても。
 

厳密な年間の目標に向けて景気を誘導することの問題点を当局は認識しているようだ。だからこそ、その重要な目標値に「前後」という表現があらかじめ盛り込まれている。


このあいまいさで、中国の指導部が今年に7%未満の成長率を容認することが示されている。ただ、どの程度までの減速が容認されるのかは明らかではない。
 

たとえあいまいであっても、目標設定はゆがみをもたらす。例えば、環境面での持続可能性など数値化されづらい長期目標や改革ではなく、短期的な成長を地方の官僚が優先する状況を作り出す。景気が大きく減速する兆しが見受けられれば、関係当局が利下げや融資基準の緩和を迫られることになる。
 

目標からの大幅な逸脱を回避しようとすれば、既に多くが疑念を抱いているGDP統計を操作するという思惑があらためて働きかねない。
 

目標の撤廃は、経済成熟化の兆しになるだろう。詰まるところ、中国のような形で経済をコントロールしようとする経済大国はどこにもない。さらに、李首相などの指導部は頻繁に、雇用といった他の指標の重要性を強調している。国民生活の発展を直接反映する指標だ。GDP目標を撤廃する準備ができていないところをみると、本当の意味で先進的な考えを中国が持つようになったとは言えないだろう。


*中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕した。李克強首相は冒頭の政府活動報告で2015年の経済目標を公表。GDP伸び率を7%前後に設定した。
 

*李首相は政府活動報告の中で「中国経済に対する下振れ圧力は増している」と説明。
 

*「中国の経済発展における根深い問題は、一段と明確になっている。われわれは今年、昨年よりも大きな困難に直面するだろう。今年は、全面的な改革深化において極めて重要な年だ」と述べた。
 

*中国の昨年のGDP成長率は7.4%。目標は7.5%前後だった。
 

*2015年のインフレ率目標も3.5%から3%前後に引き下げた。1月のインフレ率は0.8%で、5年ぶりの低水準にとどまった。
 

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(ロイター)


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