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楽観許さぬモスル攻略戦    古沢襄

■クルド軍事筋は十ヶ月の長期戦を予測


ロイターがイラク第2の都市モスルでの過激組織ISとの戦闘に備えて訓練するイラクの治安維持部隊の表情を伝えてきたが何とも頼りない。


実戦経験に乏しい寄せ集めのにわかイラク兵士を5個旅団、これに精強クルド人部隊の3個旅団で、モスルに立てこもる1000〜2000人の過激組織IS部隊を攻撃するというのが米中央軍の図上作戦。


イラク軍やクルド人部隊を合わせた地上部隊は最大約2万5千、これに米軍などが空爆で支援するというから、誰がみてもイラク・クルド部隊の圧勝の筈だが、三月に攻撃開始の予定が四月か五月へと延びている。


モスルは昨年六月に過激組織ISに占領された。人口約200万人のモスルを護っていたイラク軍は住民や兵器を放置して潰走している。練度や士気の低さでは定評がある。


それを見透かしたように過激組織ISは、市街戦にイラク軍を引き込む作戦だという。戦闘が泥沼化しかねない、


戦闘経験を積み、練度や士気が高いクルド人部隊だが、早くもモスル攻略戦は十ヶ月の長期戦になるとクルド軍事筋から出ている。


西からクルド人部隊、東からイラク軍でモスル攻略を目指す米中央軍の地上作戦だが、米上院のマケイン軍事委員長(共和党)は20日、過激組織ISからモスルを奪還する軍事作戦の公表した責任を糾弾する書簡をオバマ大統領に送った。


「なぜ敵に軍事計画を教えたのか」というわけである。市街戦に引き込まれたら長期戦は避けられない。


おまけにモスルは旧フセインを支持したスンニ派が大部分で、シーア派が主導権を握ったイラク政権に対する反発がある。そこへシーア派のイラク軍が侵攻してきたら、市民ぐるみで政府軍への強い抵抗も予想される。


オバマは地上戦に米軍が参加するのは認めない。市街戦の訓練をした米軍だが、精強を誇るクルド人部隊にとって本格的な市街戦は初めての経験であろう。


さらに空爆で米軍が支援するといっても、市街地にやみくもの空爆は市民に犠牲を与えるから手加減せざるを得ない。過激組織ISの構成員と無辜の市民を見分けるのは事実上不可能といっていい。


市民の犠牲が出れば、過激組織ISは最大限の宣伝材料に使うのは目に見えている。マケイン氏がオバマ批判を展開しているのは、モスル攻略戦の無為無策を激しく突いたことになる。


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