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歴史認識が問われる韓国  黒田勝弘

ロシアから5月に予定されている「対独戦勝70周年記念式典」に出席を誘われている韓国が「行くべきか行かざるべきか」大いに悩んでいるようだ。


韓国政府は「押し詰まってから判断する」(尹炳世(ユン・ビョンセ)外相)と態度を明らかにしていないが、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は行きそうだという観測があり、朴槿恵(パク・クネ)大統領が出かければ「モスクワで南北首脳会談か?」となるため行方が注目されている。


ただマスコミなど世論は「対ナチス戦勝記念に韓国が加わる必要はない」「ロシアには南北分断の責任を追及すべきだ」「オバマ大統領も行かないのに…」などと出席に批判的だ。


旧ソ連は1945年、日本との中立条約を無視して旧満州から朝鮮半島に侵攻。北朝鮮を占領した後、50年には中国とともに北朝鮮軍を支援し韓国を侵略させている。


旧ソ連は韓国にとっては“戦犯国”のはずだから、この歴史認識抜きにのこのこ出かけるわけにはいかないだろう。


しかも韓国はナチスドイツと戦った連合国の一員ではなかったし、逆に当時は連合国と戦い敗れた「軍国主義日本」の一員だったのだから。


朴槿恵政権は外交的に中国への傾斜を見せたり、南北統一の夢を背景にユーラシア大陸に発展する「ユーラシア・イニシアチブ(主導権?)」構想を語るなど北方志向が強い。そこを見透かされロシアや中国からしきりに“歴史共闘”の誘いを受けている。


中国は昨年7月、訪韓した習近平国家主席が「抗日戦勝70周年記念行事」の共同開催を提案している。この時、朴大統領は「韓国でも記念行事を準備しようとしている…」といい共同開催には言葉を濁したが、これも韓国にとっては悩ましい。


国際的には中国の「抗日戦勝国」は毛沢東ら共産党ではなく蒋介石ら国民党だったし、中国共産党が支援したのは後の金日成(イルソン)ら北朝鮮の共産主義者だった。


したがって中国のいう「抗日戦勝記念」に乗っかった場合、北朝鮮の国家的優位を認めたことになり、韓国としては恥をかかされかねないのだ。


それに1945年以降の“解放後70年史”を振り返れば、韓国にとって共産主義・中国は北朝鮮と手を握った明らかに侵略国である。中国の介入・侵略による南北分断は、いまなお進行中の現実である。


この現実を無視して中国の誘いに乗るのかどうか、保守政権として朴槿恵政権の歴史認識が厳しく問われるところだ。


ところが一方で韓国政府は「光復70周年を北朝鮮と共同で記念したい」(統一省)と言い出している。


現代史を「金(日成・正日(ジョンイル)・正恩)王朝史」として教えるなど、自由民主主義の韓国とは水と油の歴史認識で支配された北朝鮮と、いったいどんな共同記念行事をやろうというのだろうか、今から見モノである


70年前の日本敗戦後の1945年、南北は米ソにより分割支配され、48年になって米ソ支援の下、南には大韓民国、北には朝鮮民主主義人民共和国が別々に誕生している。そして2年後には両者で戦争までしている。


「誰が戦争を始めたのか?」を含め、このあたりの歴史認識を南北でどう共有しようというのだろう。


韓国では「歴史認識」というと日本を非難し日本に要求するものとだけ思われているようだが、人ごとではない。大いに悩んでもらおうではないか。


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| 黒田勝弘 | 14:47 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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