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安倍首相のグローバリズムの修正論    古澤襄
アベノミクスを単純な経済政策ととらえて論じるのは誤っている。根底にはグローバリズムの修正論という思想があってアメリカの経済学者からも支持されいる。安倍首相の個人的な発想というより、安倍を支えるスタッフの総合的で大胆な思想というべきであろう。

具体的には危険信号がともるグローバリズムの単純な世界拡大は新しい思想で塗り替える必要性、世界のブロック経済化を進める道を選択する大胆な実験というべきであろう。これは欧州でユーロ圏という先駆的な実験が行われてきたが、必ずしも成功していないので、唐突で否定的な見解が多い。日本でも財務省が反対論の牙城となった。

経済政策の側面だけでブロック経済化論をとらえれば、否定論の方が多数意見となるであろう。しかしグローバリズムの負の側面、富める者はますます豊かになり、貧しき者はますます貧困の底に沈む循環が世界を覆い、国際テロの温床となっている現状を俯瞰すれば、グローバリズムの修正は避けて通れない。アメリカの軍事力をもってしても力によるグロバリズムの世界拡大はすでに失敗している。

安倍首相はアジアにおいてアジア・ブロック経済圏の構築という壮大な実験に取り組もうとしている。それは経済政策という側面を超えたひとつの思想というべきであろう。アジアには力でグローバリズムを拡大する旧来型の考え方に囚われている中国や韓国が存在している。だからアジア・ブロック経済圏の道は険しく、壮大な実験の先はまだ読みとれない。

ここで戦後首相でもっとも多く外遊の記録をうち立てた安倍首相のことを考えてみたい。安倍首相の外遊はすでに52カ国、小泉首相の48カ国を越えた。小泉外遊が5年5ヶ月の任期中の訪問国数だったのに比して、安倍外遊が2年「地球儀 俯瞰 ( ふかん ) 外交」を掲げて5大陸すべてを訪れている。

この各国訪問で東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟の全10か国を訪問し、訪問国はアジアがダントツで多い。そこでアベノミクスを積極に提言し、理解を求めている。

この動きはアジア・ブロック経済圏の構築という思想に裏打ちされされている。何故、スピーデイなアジア歴訪を選択したのか、アジア・ブロック経済圏の構築という思想と合わせて考察すれば回答はおのずと出てくる。大胆な実験だけに結果を早急に求めるのは妥当ではないが、日本が初めてグローバリズムの修正論に踏み込んだものとして注目しておく必要がある。

戦後、日本の再建策に取り組んだのは吉田茂首相の「軽武装・経済重視」政策であるのは言うを待たない。占領下、GHQの支配の下で吉田首相の選択は間違っていない。

だが、岸信介首相は独立後の日本が本格的な主権を回復するためには、吉田政権下で合意した安全保障条約の改定を最大の政策テーマに掲げ、国内を二分する安保改定騒動を力で押し切った。岸首相の選択は政治論ととらえられ、否定的な側面が多いが、その後の日本経済の顕著な復興に寄与した事実は否定できない。

日本経済の復興計画は池田勇人首相が着手した高度経済政策とこれに反対した福田赳夫氏の安定経済政策の二大潮流を生んだ。池田路線は田中角栄首相の政権下で集中化、拡大され、日本は世界第二の経済大国になった。福田氏は田中路線の批判者として雌伏を余儀なくされている。

だが、田中首相がロッキード事件に連座して裏の権力者に後退すると福田路線は復活して”角福戦争”が始まる。背景には高度経済政策と安定経済成長路線という経済政策の対立があったのは言うを待たない。

福田派の安倍晋太郎氏は田中派の竹下登首相の間で”角福戦争”を越える安倍・竹下提携を模索した。すでに田中路線の劇薬ともいうべき積極経済がバブル経済の兆候をみせ、一方で頑なに積極経済の批判者にとどまる福田氏のスタンスに安倍氏は福田離れをみせていた。

この頃、赤坂プリンス・ホテルの敷地内にあった清和会の事務所に福田氏を訪ねたが、二階の入り口にあった安倍氏の部屋はは千客万来の賑わいをみせていたのに対して、その奧の院とも言うべき福田氏の部屋は閑古鳥が鳴く状態であった。

安倍氏が病に倒れ、竹下首相の後継者にならなかった。安倍晋太郎首相が誕生していれば、その後の日本政治は変わった展開をみせたのかもしれないと思うことがある。それはさて置き、安倍氏の死によって福田氏は完全に復活してバブル経済の崩壊を予言した福田路線が日本政治の主流となった。清和会から森喜朗首相、小泉純一郎首相、福田康夫首相、安倍晋三首相を輩出している。

森首相は亀井靜香政調会長を起用したが、亀井氏の経済政策はむしろ税収不足を積極経済で補う路線に近い。これに反発した経済学者の竹中平蔵氏はアメリカで主流となったグローバルリズムの日本導入を唱えたが、森氏も亀井氏も取りあわなっかった。そこで小泉氏にグローバルリズムの導入を説いている。

小泉政権下で竹中路線が重用され、亀井氏は交代を余儀なくされている。小泉氏は福田路線の継承者である一方で、日米同盟を強化する道を選んだ。基本的には大蔵省の国債発行依存にスとップをかける財政再建論に小泉首相は同調し、国債発行を減らす予算不足を竹中路線のグローバル経済政策の導入で補う発想で打開する道を選んだ。郵政改革はそのひとつの手段に過ぎない。

安倍首相に至る自民党の経済政策は、半世紀以上に及ぶ歴史的な変遷を経ている。そして注目すべきは小泉改革の目玉となったグローバル路線の修正論者として登場したことである。財務省の財政再建論を尊重しながら、15年に及ぶデフレ経済を克服出来なかった財務省には厳しい批判の目を向けている。景気回復を第一のテーマに据え、景気回復なしには財政再建なしというスタンスを明確にしている。

だから綿密にいえば安倍首相は福田赳夫氏の路線ではない。安倍晋太郎氏に近い路線というべきであろう。晋太郎氏の時代にはグローバリズムは俎上に乗っていなかったから、さらに厳密にいえば、小泉グローバル路線の修正論者というべきかもしれない。

財務省の増税延期による安倍経済路線批判を押し切った背景には、これだけの歴史的な因果関係がある。学校の歴史教育でも説明し切れない自民党史の世界だから、やはり結果で国民に納得して貰うしかない。

杜父魚文庫
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コメント
すっきりとしてよくわかりました。
| momo | 2014/11/29 4:26 PM |
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