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オバマ米大統領演説、シリアに空爆拡大へ     古澤襄
■7月の「デルタフォース」の人質救出作戦が失敗

米CNNはワシントンのオバマ米大統領演説を伝えたが、演説上手のオバマという印象以上のものではない。オバマはイラクで行っている空爆をシリアに拡大する方針を表明した。これは言うに安く、行うには困難を伴う。

戦時中に連合軍が日本やドイツに行った一般市民を巻き込んだ無差別爆撃をシリアで行うことは出来ない。「イスラム国」のテロリスト集団を捕捉し、ピンポイント爆撃を加えることが求められる。ミサイル攻撃を怖れて超高空からの爆撃では効果がないどころか、シリア反体制派まで巻き込んでしまう。

ロイターが米国がシリア反体制派へ軍事支援強化しても「時すでに遅し」という厳しい見方をしている。米国のシリアにおける情報網は弱体だから、反体制派からも「イスラム国」のテロリストの情報も得る必要がある。

しかしオバマは反体制派をまともに取り合わなかったから、武器援助もせずにアサド政府軍によって壊滅的な打撃を受けている。その反体制派が「イスラム国」打倒のひとつの情報源として、シリア空爆の柱にするのは「時すでに遅し」というのがロイターの見解である。

米国がシリアで情報源に枯渇しているいい例がある。

日本では報じられていないが、7月に米陸軍特殊部隊「デルタフォース」がシリア東部の仮設の収容施設にいるとみられた米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏とスティーブン・ソトロフ氏を含めた人質の救出作戦を実行した。

米ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えるところでは、テロリストは72時間前に人質を他の場所に移していて「デルタフォース」は空振りに終わっている。このことは米国がシリアで情報提供者をほとんど得られず、「イスラム国」の通信統制が堅牢で、人質の居場所を追跡するのは困難だったと米政府当局者も認めている。

(CNN) オバマ米大統領は10日夜のテレビ演説で、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国(IS、別名ISIS、ISIL)」に対する空爆について「イラクだけでなくシリアでもISILに対して行動することを辞さない。米国を脅かす者に安全地帯はない」と述べ、イラクで行っている空爆をシリアに拡大する方針を表明した。

大統領は「我々の空軍力と地上部隊への支援を行使して、すべての存在場所からISILを排除するため、一貫した情け容赦ない対テロ作戦を敢行する」と強調。さらに、イラクに派遣する米軍要員を475人増やして1700人を超す陣容にすると発表した。

ただし、「米国の戦闘部隊は外国での地上戦に関与させない」と言明。「だが訓練や情報収集、装備についてイラクとクルド人部隊を支援する必要がある」との認識を示した。

北部でISISと戦っているクルド人部隊を含むイラク軍には2500万ドルの軍事援助を行うと述べ、「我々の目標は明らかだ。包括的な一貫した対テロ戦略を通じてISILの勢力をそぎ、いずれは壊滅させる」と力説した。

シリアのISIS空爆のタイミングについて、米政府高官はオバマ大統領の演説を前に記者団に対し、「我々が選んだ時と場所」で行うと述べた。(CNN)

■米国がシリア反体制派へ軍事支援強化、「時すでに遅し」か ロイター分析

[ワシントン 10日 ロイター]オバマ米大統領はかつて、シリアの反体制派を「元医者や農民、薬剤師たち」と表現し、まともに取り合わなかった。しかし今、イスラム過激派組織「イスラム国」の打倒を目指す米国の戦略で、シリアの反体制派は1つの重要な柱となっている。

オバマ大統領は過去3年余り、穏健なシリアの反体制派と距離を置いてきた。支援を口にしたり、わずかな物的支援を行ったりはしてきたものの、ホワイトハウスはこれまで、シリアへの武器供与は内戦の火に油を注ぐだけだと公言してきた。

だが現在、オバマ大統領は、シリアとイラクにわたる地域に「カリフ国家(預言者ムハンマドの後継者が指導する国家)」樹立を宣言したイスラム国を壊滅させるため、これまでとは異なる戦略にかじを切っている。

オバマ大統領は新たな包括的戦略のなかで、イスラム国に対する空爆をシリアにも拡大するほか、シリア反体制派への軍事支援強化を打ち出した。

シリア専門家や匿名の米当局者らは、米国の政策転換の主な推進者はオバマ大統領自身だと明かす。米シンクタンクのワシントン近東政策研究所のアンドリュー・タブラー氏は「オバマ大統領が考えを変えたようだ」とし、「これまで強硬な対シリア政策に主に歯止めをかけていたのは大統領だったことがうかがえる」と述べた。

米国による支援強化の決断は、オバマ大統領がシリア政策で行き詰まっていることを露呈したと言える。ホワイトハウスは、シリアのアサド政権と手を組まずにイスラム国を打倒する方法を見いださなくてはならない。

<時すでに遅しか>

オバマ大統領と8日にホワイトハウスで会食したジェーン・ハーマン米元議員は、2年前に最高顧問たちから提案されたシリア反体制派への武器提供を拒否したことについて、大統領は今でも正しい決断だったと信じていると語った。

ハーマン元議員によると、オバマ大統領はISIL(イスラム国の別名)の台頭を世界情勢の大きな変化と捉えており、穏健なシリア反体制派の役割は、イスラム国に支配された土地を取り戻すことだと考えているという。


米国が武器や訓練を提供することで、戦況がシリア反体制派に有利に傾くかは分からない。これまで反体制派はイスラム国だけでなく、他の武装勢力やシリア政府軍に対しても劣勢に立たされている。

米当局者らは、シリア反体制派の力では、イスラム国やアルカイダ系武装組織「ヌスラ戦線」にほとんど太刀打ちできないとみている。オバマ大統領もこれを認めているが、軍事支援が強化されれば、反体制派が事実上の米国の代理となり得ることを示唆した。

<3度目の正直か>

オバマ政権はこれまでに2度、シリア反体制派への支援を表明している。だが、どちらの場合も大きな成果は得られなかった。

2013年6月にアサド政権による化学兵器使用の証拠を得たと米国政府が明らかにした後、ホワイトハウスのローズ大統領副補佐官は反体制派への支援強化を発表した。

だが、議会の反対により計画は遅れ、反体制派の兵士数百人の訓練も行われたが、イスラム国など反欧米勢力の手に渡ることを恐れて、地対空ミサイルのような最も高度な兵器の提供には至らなかった。

また今年の6月26日には、オバマ大統領が約5億ドル(約535億円)の拠出を認めるよう議会に要請したが、まだ承認されていない。議員らはホワイトハウスが資金の使途について具体的な計画を提示していないと主張している。

オバマ大統領は8月8日付のニューヨーク・タイムズ紙とのインタビューで、アサド政権との戦いで反体制派にもっと早く武器支援をしていたら、状況は違っていたのではないかという議論に対し、それは「ファンタジー」だと一蹴した。

一方、オバマ大統領を批判する人たちは、もっと早い時期に支援していれば、反体制派がアサド政権とイスラム国を弱体化させたというのが議論の本質だと主張している。

かつてオバマ大統領のシリア担当の特別顧問を務め、現在はワシントンのシンクタンク「アトランティック・カウンシル」に属するフレデリック・ホフ氏は「もし2年前に違う道を取っていたら、今よりもはるかに良い状況にいたというのは説得力がある」と語った。
(ロイター)

■米の人質救出作戦失敗、情報不足が命取りに イスラム国は数日前に人質を移動

【ワシントン】7月初旬の月のないある夜、米陸軍特殊部隊「デルタフォース」の隊員数十人がシリア東部の石油貯蔵施設に降り立った。

計画では見張り役を倒した後、、仮設の収容施設を捜索し、米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏とスティーブン・ソトロフ氏を含めた人質を救い出して安全な場所まで運ぶことになっていた。全ては20分で終わるはずだった。

1時間以上が経過し、部隊はシリア国外の拠点に向かった。人質は一緒ではなかった。

「ドライホール(空の井戸)だった」とある米軍高官は言った。「ドライホール」とは対象が発見できなかった作戦を指す隠語だ。

人質救出作戦は2011年にパキスタンでオサマ・ビン・ラディンを殺害した作戦をモデルに策定された。隊員が夜の闇にまぎれるように真っ暗な夜に作戦を実行したところまで同じだった。しかし、米国の国防関係者や政府関係者、元関係者によると、今回の作戦――シリアの内戦が始まってから米国が同国内に侵入するのは分かっている限り初めてだった――はさまざまな意味で、ビン・ラディン殺害作戦をはるかにしのぐ大きな賭けだった。

米国はシリア内部の様子について、スンニ派武装組織「イスラム国」の主要作戦基地から数マイルしか離れていないところにある仮設の収容施設とみられる建物を含め、充分には把握していなかった。

政府関係者によると、救出作戦の数週間前、国防総省はシリア上空で偵察飛行を行う計画をまとめたが、ホワイトハウスの承認が得られないとの見方から断念した。

ある高官によると、国防総省がホワイトハウスにシリアでの偵察飛行を申請したのは作戦の直前の一度だけだった。


7月3日未明に隊員が乗り込んだヘリコプターが着陸する数週間前から、デルタフォースの一角を担う統合特殊作戦部隊がノースカロライナの米軍基地で訓練を実施していた。人質が拘束されている仮設の収容施設がシリアの荒涼とした砂漠の中に建つ石油貯蔵コンテナ、油井やぐらなどの構造物の中にあるという機密情報に基づいて、訓練は行われた。

部隊は建物に偽装爆弾が仕掛けられていたり、人質が大勢の戦闘員に見張られたりするなどの不測の事態に備えた。デルタフォースは1993年にソマリアで実行した急襲作戦(米軍のヘリコプター「ブラックホーク」2機が墜落した)に参加しており、一部の政府関係者はシリアの救出作戦にも同じようなリスクが伴うと懸念していた。

訓練を積みながら、実行部隊は早く許可が出ないかと待ち望んでいた。ある国防関係者は「何度もリハーサルを行った。準備はしばらく前から整っていた。あとは決定を待つだけだった」と述べた。「決定が下されると部隊は直ちに出動した」

しかし、出動するのは遅すぎた。米政府は現在、武装組織がその72時間前に人質を他の場所に移したとみている。

政府関係者によると、イスラム国の通信統制はイラク戦争中に強化されたため堅牢で、人質の居場所を追跡するのは困難だった。米国は現地で情報提供者をほとんど確保できず、人工衛星などのシステムで捕捉した情報の穴を埋めることができなかったという。その上、米国が最初に作戦基地の設置を打診した国は自国の領土が作戦の拠点に使われることを望まなかった。(米ウォール・ストリート・ジャーナル)

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