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ウクライナ危機めぐる西側の「現実逃避」     古澤襄
ロイターはコラムニストMasha Gessen氏のウクライナ情勢についての見解を掲載した。同氏はロシア系米国人ジャーナリストだけにロシアについて独特の見方をしており興味深い。

[4日 ロイター]ロシアがクリミア併合を強行して半年以上が経ち、西側の政治家やアナリストたちは、プーチン大統領の動きを止め、後退させる手立ては一体何なのかを問い続けている。しかし、その問い自体が間違いであり、そうした議論から生まれる政策も見当違いだ。

なぜなら、それらはすべて、西側がプーチン大統領の行動に影響を与え得るという誤解の上に成り立っているからだ。

プーチン大統領はいつだって「ほら吹き」の名手だ。過去6カ月は、このスキルを使い、ウクライナ情勢で西側の先手を打ち続けてきた。西側はゲームに負けていると言って差し支えないだろう。


西側の政治家は、自分たちに関係する部分のみ、もしくは、自分たちの世界観で意味をなす場合のみ、プーチン氏の声に耳を傾ける。欧米の首脳は、ロシアが戦略上死活的な利益を守るためにウクライナに侵攻したと信じることを選んだ。

つまり、ロシアは自国と北大西洋条約機構(NATO)の間に「緩衝国家」を必要としているという認識だ。また、ウクライナでロシア系住民が危険にさらされているというプーチン氏の「懸念」も認めた。そして今や、ウクライナ東部の停戦をめぐってプーチン氏が繰り出す茶番に付き合おうとしている。

一方で、西側の政治家が無視したロシア側の言動や行動もある。核兵器使用の脅威や、バルト諸国やカザフスタンに恐怖感を与える意図が見える軍事演習、核弾頭搭載可能な弾道ミサイル試射などがそうだ。

プーチン氏と彼の側近たちは、こうした武力による威嚇について、歯に衣着せずに口にする。それは、文明の衝突であり、「ロシア的な世界」の中核にある価値感をめぐる西側との対立にほかならない。現在のロシア側の見解は、国際法やすべての西側同盟は、ロシアが伝統的価値観を守ったり広めたりするのを防ぐ謀略の一部というものだ。いわゆる戦略的利益やロシア系住民の話は、新たな世界的衝突での戦いに向けた口実に過ぎない。

こうした考えに突き動かされている男を止める手立ては何かあるだろうか。プーチン氏が西側の制裁により、自らの歴史的使命に関する考えを変えることは期待できるだろうか。答えはノーだ。

ロシア政府、穀物輸出制限の書簡受け取ってない=首相報道官 ロシア農業省、穀物市場対策で輸出制限を提案=インタファクス ウクライナ大統領と親ロシア派が和平計画支持、5日に停戦宣言へ NATO首脳がウクライナ情勢でロシア非難、停戦案には懐疑的 世の中には、変えられないものがいくつかある。専制君主の考えもその1つだ。

人は時として、乗り越えられない困難にぶつかる。われわれは通常そうした場合、見て見ぬふりをするか、ダメージを最小限に食い止めようとするかのどちらかを選ぶ。前者は決してうまくいかない。にもかかわらず、西側の政治家は、プーチン大統領がまさに「乗り越えられない困難」であると認識するのを拒んでいる。

西側は、自分たちの行動でプーチン大統領を変えられるという望みを持っている。プーチン氏を出し抜こうとすることや、懐柔策を見いだそうとすることはすべて、間違った前提の上に立っている。この状況では、現実的政治は嘘を大前提にすべきだ。


では、この敵対的で攻撃的かつ無謀な現実を前に、正しい行動とは何だろうか。

まず、事実を直視すること。そして次に、経済的かつ政治的制裁を一気にすべて使うことだ。制裁の逐次投入の考え方は、自分たちがプーチン氏の行動に影響を与えられるという誤解の上に成り立っている。小出しの制裁は、プーチン氏とロシア経済に適応する時間を与えるだけだ。

その後、ウクライナやバルト諸国など、ロシアからの攻撃を受けていたり、脅威にさらされたりしている人の物理的保護にできることをする。恐らく、ウクライナへの軍事支援やバルト諸国での軍部隊配備を意味することになろう。そうなれば、西側は軍事介入の瀬戸際に立たされるが、プーチン大統領による周辺国への攻撃を傍観するのは、戦略的に危険なだけでなく、道徳的にも不健全だ。

それでも、プーチン大統領を止めることはできないだろう。しかし少なくとも、われわれが嘘や無力感の深い穴に落ちていくことは避けられるかもしれない。

*筆者はロシア系米国人ジャーナリストで、著書に「Words Will Break Cement: The Passion of Pussy Riot」や「The Man Without a Face: The Unlikely Rise of Vladimir Putin」などがある。(ロイター・コラム)

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