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NYタイムズ「安倍たたき」「反日」支える日本人学者    古森義久
日本の防衛政策や歴史認識に対して米国の大手新聞ニューヨーク・タイムズがこのところ一貫した激しい攻撃の社説を載せている。安倍晋三首相個人への誹謗(ひぼう)に近い非難も目立つ。

3月2日付の「安倍氏の危険な修正主義」と題する社説は安倍首相が南京虐殺はまったくなかったと言明したとか、安倍政権が慰安婦問題で河野談話を撤回するとの虚構を書き、日本政府から抗議を受けた。さすがに同紙側も慰安婦問題についての記述を取り消すとの訂正を出した。だがオバマ政権が歓迎する日本の集団的自衛権の解禁さえ、軍国主義復活として扱う「反日」姿勢は変わらない。

ニューヨーク・タイムズのこの種の日本批判の社説を書く側に、実は特定の日本人学者が存在する事実は日本側ではほとんど知られていない。同紙は昨年10月に論説部門の社説執筆委員として日本人学者の玉本偉(まさる)氏を任命したことを発表した。玉本氏は数年前から同紙の定期寄稿者となっていたが、それが正規の論説委員に昇格した形となった。

玉本氏といえば、日米関係の一定の領域では知る人ぞ知る、評判の左翼学者である。実はこのコラムでも2006年8月に「日本発『公的な反日論文』」という見出しの記事で報じたことがある。当時、日本の外務省管轄下の日本国際問題研究所で英文発信を任じられ、日本の歴代政府や国民多数派の見解を「愚かで挑発的」「軍国主義的なタカ派」と断じる自分の主張を流していたのだ。

玉本氏は一連の英語での意見発表で日本での靖国神社参拝を邪教を連想させる「靖国カルト」という表現で非難したり、北朝鮮の日本人拉致は「もう解決済みなのに日本側は対外強硬策の口実に使っている」とも述べてきた。

ニューヨーク・タイムズの社説は無署名だから誰がどの社説を書いたかは外部からは断じられない。だが現在の論説委員は委員長も含めて18人で、そのうち国際問題担当とされるのが玉本氏はじめ3人、うち2人は欧州やロシアの専門と明記されているから日本関連の社説は玉本氏の専門としか考えられない。

同紙の論説副委員長のテリー・タン記者(中国系米人)らの発表では、玉本氏は今は日本の横浜駐在で、ニューヨークのリベラル系研究機関「世界政策研究所」上級研究員やイギリスのケンブリッジ大学研究員を歴任してきた。日本側では前述の日本国際問題研究所在勤のほか立命館大学助教授だった記録もある。

当然ながら、米国の新聞や日本人の学者が日本の政府や国民多数の態度を批判することも言論の自由である。

だが玉本氏のように日本全体を指して「(対中姿勢や歴史認識について)精神分裂」とか「外国の真似(まね)でしか進歩できない」と断じ、日中の意見の衝突でも一貫して日本側に非があるとする主張を「反日」と総括することも言論の自由なのだ。

前述の当コラムで玉本氏の主張を批判すると、同氏を支持する日米の左派系勢力から言論の弾圧だとする攻撃が起きた。左派は自分と異なる意見は口汚いまでの表現で攻撃するが、自分の意見を批判されると、とたんに言論弾圧だと開き直る。

ニューヨーク・タイムズの社説の一連の「安倍たたき」の背景を指摘することは、言論弾圧などではまったくないことを事前に強調しておこう。
(産経)

■NYタイムズの買収攻勢とリストラ

現在のニューヨーク・タイムズは、部数の面では、日本の読売新聞の1/10に過ぎず、アメリカ合衆国においても2大全国紙のUSAトゥデイ(227.8万部)、ウォール・ストリート・ジャーナル(206.2万部)の半分程度。

1971年には、ベトナム戦争に関するアメリカ国防総省の秘密資料ペンタゴン・ペーパーズが掲載された。これをうけ、政府はタイムズ紙を機密漏洩罪で告訴したが、裁判所は報道の自由を政府の文書公開基準に優先するとの判決をくだした。この裁判は、合衆国憲法の修正第1条(言論の自由)を巡る以後の判例に、大きな影響を与えた。

投資ファンド2社、ハービンジャー・キャピタル・パートナーズとファイアブランド・パートナーズに買収攻勢を仕掛けられ、資産売却や本業への集中、取締役4人の交代、web版の充実などを求められている。投資ファンド2社の株式保有率の合計は、2月時点で19.03に達し、ザルツバーガー会長と並んでいる。

他のアメリカのジャーナリズムと同様に、ここ数年リストラ及び、カットオフを進めている。2006年の10 - 12月期は約6億5000万ドルの赤字を出した。

杜父魚文庫
| 古森義久 | 19:07 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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