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ソウルからヨボセヨ 「機長を出せ!」   黒田勝弘
<韓国の航空機内でよく目撃するが、乗客が客室乗務員に何か大声で文句を言い要求していて、らちがあかないとみるや決まって「機長を出せ!」と叫ぶ。こちらはそばで思わず「オイオイ、それはないだろう、機長は操縦中なんだよ!」と言いかける。

今回の大型旅客船沈没事故でも似た風景が見られる。現場近くに押しかけている犠牲者の家族の一部が、大統領に“直訴”のためソウルに向かおうとデモをしていた。朴槿恵大統領はいち早く現場を訪れ、家族の声を聴き直接、各種の指示を出しているのに。

韓国社会は何事もトップダウンつまり“上意下達”だから人びとは下の者を信じない。上に訴え上からコトを動かそうとする。組織や規則(マニュアル)ではなく人で物事が動いているということだ。法治社会ではなく“人治社会”といわれるゆえんだ。

同規模の犠牲者が出た1993年の西海フェリー沈没事故は、悪天候で出航を見合わせていた船長に乗客たちが「早く船を出せ!」と迫り、無理に出港させたのが原因だった。政府や船会社だけを非難してもはじまらない。日常的に規則、決まり無視が横行し、不満があるとすぐデモで直訴となる。日本大使館前に無許可で設置されたままの慰安婦像など“反日無罪”もその例だ。(産経)>

杜父魚文庫
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