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オバマ大統領が幕を引いた「世界の警察官」  加瀬英明
シリア化学兵器危機をめぐって、シリア内戦の推移、米ロ、国連の動きだけに目を奪われては、木を見て、森を見ないことになる。

シリアと中東の行方がどうなるかが、木なら、森は何か。アメリカが第2次大戦後、世界を動かす超大国だったのに、今回、オバマ大統領がシリアに軍事介入するのに逡巡して醜態を曝したために、その座から降りてしまったことによって、世界が変わったことだ。

日本はアメリカ製〃平和憲法〃のもとで、国の安全をアメリカの意志と、力に依存してきた。アメリカに寄生して、他人任せの平和を享受できなくなったことを意味している。


オバマ大統領は8月にダマスカス郊外で、化学兵器によって1400人あまりの市民が殺されると、アサド政権が行ったと断定して、「人道的に許せない」ときめつけ、制裁を加えるためにミサイル攻撃を加えると、宣言した。

オバマ大統領は攻撃が「限定的」なもので、「政権の交替を目標としない」といった。反政府勢力はアル・カイーダ系過激派が、主流を占めるようになっている。

シリアには広大なシリア砂漠(バーディヤト・アッシャーム)が、ひろがる。私はオバマ大統領が遠く地中海上から、ミサイルを砂漠に20発あまり撃ち込んで、気の毒な駱駝を十数頭殺してから、「目的を達した」といって手を引くものと、思った。

私はオバマ大統領が異常な人気に乗って、大統領選挙に勝った時に、アメリカはとんでもない人物を選んだから、アメリカの力が衰えようと、本誌に書いた。イリノイ州議会と連邦議会上院で1期ずつつとめたが、大統領を志して全国を飛び回ったから、ワシントンで過すこともなかったシロウトである。アメリカ版の鳩山由紀夫氏、橋下徹氏だ。

オバマ大統領は大統領選挙戦中に、イラク、アフガニスタン戦争を指して、自分は「そのような愚か(ダム・)な戦争(ウォアーズ)をしない」と、約束した。

だが、アメリカの盟友の英国が、一緒にシリアを攻撃すると約束したのに、イギリス議会が拒んだ。アメリカの世論調査は60%以上が、外国に軍事介入することに、反対した。

オバマ大統領は怯んで、議会の承認を問うといったが、否決される可能性が高かった。オバマ政権がシリア内戦が始まってから30ヶ月も傍観していたのにもかかわらず、ジョン・ケリー国務長官が「アメリカが孤立主義(アイソレーショニズム)に陥ってはならない」と、強く警告した。

オバマ大統領は、自らを窮地に追い詰めた。ロシアのプチン大統領が「シリアに化学兵器を放棄させ、国際管理下に置く」といって、救いの手を差し伸べた。オバマ大統領は藁にすがった。シリアは、ロシアの弟分だ。ロシアはシリアの地中海沿岸に、海軍基地を持っている。もし、アメリカの軍事介入が拡大して、アサド政権が倒れたらたいへんだ。それに、激しい内戦下にあるシリアから、化学兵器を一掃することはできまい。
 
オバマ大統領は信念も、経験もなく、リーダーとしての決断力を、まったく欠いている。アメリカ国民はブッシュ息子政権による〃アメリカ一強時代〃の反省と、国内経済が財政困難など重荷をかかえるなかで、いっそう内に籠ろうとしている。

アメリカ国民が第2次大戦後、海外への軍事介入にこれほど強く反対したのは、はじめてのことだ。アメリカが世界の警察官を、単独で演じてきた時代が終わる。

杜父魚文庫
| 加瀬英明 | 00:13 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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