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集団的自衛権容認は実現可能な議席確保  杉浦正章
■事実上の“単独過半数”で安保政策大転換
たとえ自民党が参院選の結果単独過半数72議席に達さなくても、ぎりぎりのラインに迫るのは確実だ。これが何を意味するかと言えば外交安保政策に及ぼす影響が甚大であることだ。維新の数がある上に他党から数人切り取っただけでも単独過半数となり得る。

要するに公明党との連立の重要性が限りなく薄れ、数議席の賛成で首相・安倍晋三は集団的自衛権行使容認を軸とする外交・安保政策の大転換を達成できることになる。事実上の“単独過半数”とも言え、参院選挙後の外交安保はこの基盤を軸として、躍動的な展開を示す可能性が高い。

選挙後の外交・安保課題は何と言っても中国、韓国など近隣外交をどうするかだが、朴槿恵が対中外交を最優先し、これ見よがしに習近平との首脳会談で中韓蜜月ぶりを見せつけたことが当分“たたる”だろう。

同会談では付けたりのように共同声明で「日・中・韓首脳会談の年内開催」に言及しているが、安倍にしてみれば別に急いで首脳会談を開催しなければならない理由は見当たらない。

ここに来て日韓外務事務次官会議などが開催されているが、官房長官・菅義偉は18日「日韓には特段緊急な懸案はない」と言い切った。これは歴史認識で鬼の首を取ったように絡みつく朴槿恵のペースにはまらない事を意味している。円安で韓国経済は息も絶え絶えの状況にあり、首脳会談の必要性は韓国側に生じている。

一方で、対中外交も打開の道は見えない。中国は公船の領海侵犯を繰り返し挑発しており、そのスタンスは日本に尖閣問題の「棚上げ」を迫る形である。。領有権を主張する日本外交にとって「棚上げ」は、領有権のあいまい化をはかる中国ペースにはまる以外の何物でもない。

共同通信が8日、日本政府が先月、中国政府に「領土問題の存在は認めないが、外交問題として扱い、中国が領有権を主張することは妨げない」との打開案を提示していたとの見事なスクープを報道、政府は否定したが、火のないところに煙は立たない。

アヒルの水かきを垣間見る思いがする。しかし日中首脳会談も、中国側にその必要が台頭しつつある。経済の悪化で途絶えている日本からの投資再開が必要となる様相を呈し始めたからだ。

習近平も朴槿恵も就任以来、政治の力点を国民の反日感情を率先して煽ることで人気を得ようとするポピュリズムに置いている。これで国民を長期にわたって牽引出来ると思ったら大間違いだ。なぜなら国内の不満を外国に向ける政治は邪道そのものであり、現実逃避に他ならないからだ。必ず馬脚を現す。

こうして首脳会談実現への道はまさに“我慢比べ”の状態で推移するだろうし、安倍にとっては首脳会談を急ぐ理由もない。

むしろ尖閣問題が惹起(じゃっき)している日米安保体制の再構築へと当面かじを切るべき時だろう。その象徴となるのが集団的自衛権の行使に向けた憲法解釈の大転換だ。緊迫の度合いを増す極東情勢は改憲による集団的自衛権行使などという悠長な対応を許す状況にはない。

同盟国への攻撃を自国への攻撃とみなして防衛する集団的自衛権は国連憲章で認められている世界の常識だ。安保条約もその上に成り立っており、日本側がこれまで勝手に憲法解釈で出来ないとしてきただけだ。米艦、米国へのミサイル攻撃を、迎撃できる位置にいながら無視した場合、日米同盟は維持できなくなるのが実態だ。

集団的自衛権問題など全く知らない米国特派員が「ジャップが無視した」と報ずれば、一巻の終わりなのだ。中国、北朝鮮の挑発の現実は、攻撃されなければ分からない平和ぼけの日本が“自粛”して済む状況などとっくに通り過ぎているのだ。

選挙結果を受けて安倍は秋にも集団的自衛権容認のための憲法解釈変更に踏み切る可能性が強い。それに至るシナリオは次のような流れをたどる公算が大きい。

まず安倍は既に第1次内閣で集団的自衛権容認の答申を出した「安全保障の法的基盤再構築懇談会」から秋にも容認の再答申を受けることになろう。その上で歴代の内閣が「主権国家の当然の権利として集団的自衛権は有しているが、憲法9条の下で許される必要最小限度の範囲を超えている」としてきた解釈を変更する。

この解釈変更を将来、政権交代で再変更されないように来年の通常国会に「国家安全保障基本法案」を提出成立を図る。

集団的自衛権の問題は、かつての冷戦時代は与野党の決定的な対立点だったが、極東における安全保障環境の変化に伴い、民主党も容認論が増えるなど国会の様相も変化している。

こうした中で公明党代表・山口那津男だけが「断固反対」と、かつての社会党のような発言を繰り返している。本人はブレーキ役をもって任じているが、極東情勢を理解していない上に、古い。冒頭述べたように衆院に続いて参院でも公明党は不要になっていることに気付いていない。

自民党が72議席取れれば単独過半数で連立は必要なくなるし、取れなくても数議席足りないだけだ。自民党に主張が近い維新だけでも8人前後の陣容が生ずることになり、これは別動隊として動く可能性が濃厚だ。それに選挙後の常で無所属や諸派を取り込めば72議席に達する可能性も皆無ではない。

山口が意気込むほど公明党の存在は大きくなくなったのだ。自民党にとって公明党との選挙協力は不可欠だが、総選挙は当分ない。多少の亀裂は修復可能だ。この結果、安倍は安保政策の大転換で優位な立場に立つことになるのだ。(頂門の一針)

杜父魚文庫
| 杉浦正章 | 09:51 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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