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ケネディ駐日大使は日本軽視なのか  古森義久
オバマ大統領がキャロライン・ケネディさんを次の日本駐在大使に任命することが確実となったようです。アメリカのマスコミがそろって報じています。

しかしこの人事はなにを意味するのか。

ケネディさんには政治経歴も外交体験もなく、あるのはケネディ家の伝統の輝きだけです。大使なんて、それだけで十分、大統領に直接、連絡をとれる信があれば、立派なものだ、という見方があります。

一方、ケネディさんが選ばれたのは明らかに選挙キャンペーンでオバマ候補を大事な時点で支持した功績が最大要因です。

日米関係には幾多の難問題が立ちふさがっています。外交経験のまったくない女性大使でもだいじょうぶなのでしょうか。

女性という部分は記すべきではなかったかもしれませんね。でも肝心のアメリカ側でこの大使人事を「日本軽視だ」として批判する声は各方面から起きています。


以下はこのテーマについて私が数週間前に週刊文春に書いた記事です。

暗殺されたジョン・F・ケネディ大統領の遺児キャロライン・ケネディさんが次の駐日アメリカ大使に任じられることが確実となった。オバマ政権のこの異色の人事案は米側で複雑な波紋を広げている。

1963年11月、突然に父を失った5歳のキャロラインさんの葬儀での痛々しい姿は当時の全世界の同情を集めた。その少女もいまは55歳の弁護士となり、美術品展示デザイナーの夫との間に3人子供がいる。だが当人には外交も政治も経験はない。まして日本やアジアとのかかわりも皆無に近い。

オバマ大統領がそれでもキャロラインさんを日本駐在の大使に選んだのは明らかに彼女が大統領選の重要段階でオバマ候補への支持を鮮明にしたことへの報奨だとみられる。

キャロラインさんは2008年の大統領選挙でオバマ氏がヒラリー・クリントン候補と激しく民主党の指名を争う最中にオバマ氏への支持を宣言して注視された。民主党の政治の世界ではなにしろ「ケネディ」の名は特別の重みを示す。だからその支持はオバマ陣営を勢いづけ、オバマ氏本人も感謝の意を強調した。

彼女はハーバード大学、コロンビア法科大学院、大手法律事務所というエリート・コースを歩んだものの、目立つ業績や逸話は驚くほど少ない。父と叔父ロバート・ケネディ氏を暗殺され、弟を飛行機事故で失った悲劇の家庭環境のためきわめて内向的な女性になったともいう。

2008年1月にヒラリー・クリントン上院議員が国務長官に任じられ、後任のニューヨーク州選出上院議員に目されたキャロラインさんが最終場面で「個人的な理由」で辞退したことも、その消極性を印象づけた。

キャロラインさんの大使としての利点はオバマ大統領の信が厚く、ホワイトハウスとの直接の意思疎通が円滑なことだろう。この点は現在のジョン・ルース大使と似ている。

だが彼女にはケネディ一族という日米両国でなお強烈な知名度の武器がある。

しかし「日本側ではケネディ・フアンや女性権利拡大論者を喜ばせるかもしれないが、日本がいま(北朝鮮や中国という)周辺諸国との緊迫を高める危険な現状で必要な政治や安保の技量は不足だという批判も米側にある」(ウォールストリート・ジャーナル紙)という懸念も表明されている。

杜父魚文庫
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