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メルケル独首相、3期目への道は険しい可能性   古澤襄
<[ベルリン 7日 ロイター]9月22日のドイツ総選挙までまだ2カ月以上あるが、すでに多くの人が選挙後のシナリオを描いている。大方の予想では、メルケル首相が3度目の勝利を収める見通し。その場合、ドイツの政策に大幅な変更はないとみられている。

最新の世論調査によると、メルケル首相率いる保守派のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は、第2勢力の中道左派、社会民主党(SPD)に対し16─19ポイントリード。メルケル氏が総選挙後に自由民主党(FDP)との中道右派連立を継続できる可能性を示している。

ただ、メルケル氏のCDU・CSUがFDPと合わせても過半数議席を確保できない場合、選挙後の展開はドイツ政治の素人が予想するよりも混沌としたものとなる可能性が高い。このシナリオでは、メルケル氏は首相職にとどまるために政策面での譲歩という大きな犠牲が必要になる。


さらにメルケル首相が退陣する可能性も排除できない。JPモルガンのアナリスト、アレックス・ホワイト氏は今週、メルケル首相が総選挙後に退陣を余儀なくされる確率は20%と指摘した。

ヘリベルト・プラントル氏は南ドイツ新聞の論説記事の中で「総選挙で、中道左派と中道右派のどちらも過半数議席を確保できない可能性は非常に高いが、その場合は、ドイツ連邦共和国の歴史上、最も困難で、時間を要する、ドラマチックな連立協議を目撃することになるだろう」と指摘。「勝者がすべてを得るルールはドイツの政治には通用しない」とし、「メルケル首相が必ずしもトップに立つとは限らない」と述べた。

ドイツの政治システムでは、首相は連邦議会(下院)の絶対過半数の賛成で選出される。

メルケル氏率いる保守派勢力は世論調査でこそSPDに大差をつけてリードしているが、実際の総選挙で40%以上の得票を得る可能性は低い。このことは、政権を維持するには連立相手を探す必要があることを意味する。

現在の連立パートナーであるFDPは得票率が下院議席獲得に必要な5%に届かない可能性がある。メルケル氏はFDPとの連立継続が不可能な場合、1期目の2005─09年に連立を組んでいたSPDとの連携を模索する可能性がある。

<大連立の悪夢>

ここで問題となるのは、SPDがメルケル氏との「大連立」を断固拒否していることだ。SPDが連立に参加していた当時、メルケル首相はSPDの政策の多くを取り入れ、支持者がSPDから流れた結果、SPDは4年前の総選挙で戦後最悪となる惨敗を喫した。SPD党員にはこの大連立が悪夢として頭に残っている。

SPDの幹部は、たとえ選挙後の混乱が数カ月続くことになっても、今年9月の総選挙後の保守派との大連立復活は回避する方針を表明している。

SPDのある幹部は匿名を条件に「SPDが大連立にすぐさま参加すると考えるのは、党内の雰囲気も州の影響力も知らない人間だ」とロイターに語る。

ここ数年の地方議会選挙で勝利が相次ぎ、SPDは国内16州のうち、13州で第1党となった。SPDの地方の有力者は選挙後の「大連立」復活を特に懸念し、他の選択肢を検討するよう党指導部に強い圧力を掛けている。

先のSPD幹部は「われわれの党には、メルケル氏との大連立よりも同氏と緑の党との連立を望む人間が多い」と述べた。

ボン大学の政治学者フランク・デッカー氏は、選挙でメルケル氏が望む中道右派による過半数確保ができなかった場合、SPDは不本意ながらも、連立参加を避けることはできないと指摘する。なぜなら、他の連立の組み合わせが実現する可能性はさらに低いからだ。

2011年3月の東京電力福島第1原発での事故を受け、メルケル首相がドイツの原子力発電からの撤退を決断したことで、同氏が緑の党との連携するための最大のハードルが取り除かれた。この組み合わせでの連立は州レベルでは試されたことがあるが、連邦レベルでは例がない。

ただ、文化や政策の違い、特に経済問題をめぐる政策の違いは克服できないほど大きい。

SPD・緑の党・FDPの組み合わせ、CDU・FDP・緑の党の組み合わせでも、同じことが言える。また、SPD・緑の党・左派党の組み合わせは、SPDが拒否することが明白だ。また、メルケル氏周辺の一部が懸念している、SPDと緑の党が、左派党の潜在的支持を得て少数与党政権を樹立するというシナリオも、安定にこだわるドイツでは非現実的とみられている。

選挙でどの政党も単独で過半数議席を確保できない場合、連立に向けた主要政党の探りあいが予想される。各党が各党と協議するなか、2005年の総選挙後のように連立協議が11月まで長引く可能性がある。2005年の総選挙では、当時のシュレーダー首相(SPD)は勝利したメルケル氏率いるCDU側との差が僅かだったため、敗北を認めることを当初拒否していた。

SPDが方針を転換し、メルケル氏と連立を組む場合、政策面で譲歩させて「借りを返させる」ことをまず目指すだろう。その場合、次のメルケル政権は、銀行に対してより強硬な路線に転じ、歳出拡大、さらには、メルケル氏自ら実施しないと公約している高所得者への増税にさえ着手する可能性がある。

ゲッティンゲン大学のピーター・ロッシュ名誉教授は「SPDはメルケル氏に本当に影響力を行使できる一つのテーマを見つけようとするだろう」と指摘。「増税は手始めにいいテーマだ。メルケル氏は他の選択肢を持たないだろう」と述べた。

公共テレビARDの今週の世論調査では、国民の81%がメルケル氏の首相続投を予想、野党SPDが首相候補に指名したシュタインブリュック氏が首相の座を奪うとの見方は13%にとどまった。

ただ、連立協議の複雑さや反ユーロを唱える「Alternative for Germany」 など他の政党が下院議席を獲得する可能性も踏まえると、メルケル氏が抱える問題は見た目より深刻かもしれない。

首相側近の一人は選挙後の展開について「見た目ほど容易ではないだろう。 FDPと過半数議席を獲得できない場合、厄介な事態になる。非常に困難を極めるだろう」と述べた。(ロイター)>

杜父魚文庫
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