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中国の不良債権爆発は、もはや時間の問題ではないのか  宮崎正弘
利払いが滞り、地方政府は返すアテもなく中央政府にツケ回し。

2013年5月2日、中国人民銀行(中央銀行)の劉士余・副総裁は「国有の五大銀行がいまのペースで資産拡大を続ければ、2014年に5行合わせて405億元(約6400億円)の資本不足が生じるだろう」と警告は発した。

この場合の「資産拡大」とは「不良債権」を含むという意味である。

劉副総裁の警告は雑誌『中国経済週刊』のなかで述べられているもので、「内部金融への依存度が現状のままで在り続けるなら2017年までに五大銀行の資本不足は1兆6600億元に達する」と予測した。

しかし、これらの数字は楽天的にすぎないか?

すでに国務院参加のシンクタンク「発展研究センター」のL教授の部内報告によれば、7月に危機が表面化する危険性が高いとしている。L教授は人民日報に百本以上の論文を書いたことでも知られる経済通の論客。

曰く。「中国が直面する危機はバブル崩壊と地方政府の債務危機で、両者は緊密にリンクしている。利払いと歳入減に陥った地方政府は土地に切り売りを続けるが、もはや残った農地は少なく、土地担保の借金は鰻登りで、北京市の12年度だけの負債増が2500億元。朝暘区だけでも利払いが毎月1000万元に及んだ。他方で政府支出が増大し、国防と治安対策への増額は、いよいよ裏付けを失うだろう」。

まして年内からリーマンショックの直後に発動した財政出動4兆円の利払いが開始される。2年後までに4兆6000億元の償還がある(74兆円弱)。だから中国は香港とロンドンに国債市場を必要とするわけだ。つまり米国や日本のように「借り換え借り換え借り換え」の悪性スパイラルに突入するのだが、日米の国債のような信用度が希薄である上、デフォルトの危機がつねに伴う。

そうなるとブームだった海外からの投資が急減し、さらに中国の新世代は意識が変貌しており、なんと中国の若者が公務員に憧れ、国有企業に就職を希望し、そのためには大嫌いな共産党に便宜的に入党している。国有企業も行政も予算不足となって危機に立つという状況だから公務員は増やせない。また大都市では不動産熱治まらず、投機も通常的であり、最後の手段が移民熱である。

しかしL教授は「経済危機は中国にとっての吉事である。つまり短期的な膿を出せば、本格的改革が加速するからだ」と強がってみせるのである。

▼ついに習近平も事態の異様さに気がついたようだ

習近平国家主席は、4月25日、政治局常務委員会で「わが国の経済運営は困難に直面している。世界的な(通貨)流動性の急増で国際金融危機が頻発しており、金融分野のリスク対策を強化せねばならない」と発言している。

これは上記ふたりの発言を濃厚に反映したものだが、すでに3月末に中国銀行業監督管理委員会が、「一部の銀行は融資管理を怠り、投資リスク対策がおろそかになっている」と指摘している。

これはシャドー・バンキング(影の銀行)が発行する低い格付けの、しかし利息がやけに高い投資信託など高利回りの「理財商品」を指し、銀行の透明性向上を求めたものである。

中国のシャドー・バンキングとは(1)既存銀行の貸借対照表に記載されない商業手形や信託融資(2)銀行以外の高利貸金融(3)ノンバンク等を意味する。推計の総融資額は約24兆元(約384兆円)にのぼっているというが、もしこの数字が正しければ、中国GDPの49%である。

リーマンショック以後、中国は公共事業を急拡大した。このため地方政府の債務は2010年末時点で10兆7千億元(約171兆円)。

それからも三年を閲して、M3(通貨供給量)は100兆元を突破(1600兆円)、つまり隠れてきた不良債権が顕在化するのは時間の問題である。

有力会計法人「信永中和会計士事務所」の張克会長は「地方政府の債券発行をいくつか検査したが、非常に危険なため、業務を全面停止した」とした。

格付け会社のフィッチ・レーティングスは4月、「企業や家計部門を加えた中国全体の債務規模が対GDP比で198%に達すると試算し、同国の国債格付けを引き下げた』(産経5月3日)。

かくして中国の債務爆発は時間の問題だろう。

杜父魚文庫
| 宮崎正弘 | 06:03 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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