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深まる北朝鮮の孤立、中国が取るべき選択   古澤襄
中国を訪問した国際政治学者イアン・ブレマー氏は、ロイター・コラムに「深まる北朝鮮の孤立、中国が取るべき選択」という記事を書いている。

筆者は国際政治リスク分析を専門とするコンサルティング会社、ユーラシア・グループの社長。スタンフォード大学で博士号(政治学)取得後、フーバー研究所の研究員に最年少で就任。

その後、コロンビア大学、東西研究所、ローレンス・リバモア国立研究所などを経て、現在に至る。全米でベストセラーとなった「The End of the Free Market」(邦訳は『自由市場の終焉 国家資本主義とどう闘うか』などの著書がある。

イアン・ブレマー氏は次の指摘をしている。

〆のところ、中国から北朝鮮への通常の外交チャンネルは機能していない。
中国の沈黙は北朝鮮には間違いなく打撃となる。
3度目の核核実験を強行した北朝鮮の最近の行動は、日米韓の関係強化を促し、中国の影響力がどれほど低くなっているかも浮き彫りにした。

ざ眄飢源瓩米国から不当な扱いを受けていると感じていることは確かだ。短気な子どものように振る舞うことで怒りを示し、その態度が交渉や支援を引き出すことを期待している。しかし、それで望むものが得られることはまずないだろう。
ザ眄飢源瓩窮地に陥れば、非常に危険な状況に陥り得る。政権崩壊のシナリオを考えてみるといい。万策が尽きれば今よりさらに常軌を逸した行動に訴え、中国の存在がなければ逃げる先もなく、静かに退陣することより、国際的な危機の引き金を引くことを選択するだろう。

<朝鮮半島では緊張が高まっており、今後さらに不安定さが増していくとみられる。北朝鮮は朝鮮戦争休戦協定の破棄を表明し、同国の人権侵害を指摘した国連報告書を偽造だと非難、米国に対しては「核兵器での先制攻撃」さえ警告している。

私は先週に中国を訪問したが、そこで面会した外交政策担当の高官らは、かつてほど北朝鮮への影響力は持っていないと口をそろえた。北朝鮮をめぐる状況が手に追えなくなりつつあるという発言は、それ自体、同国への厳しい対応で中心的役割を担うべきとの圧力から自らを守る意味合いもある。しかし、われわれはこうしたメッセージを真に受け取るべき時期に来ている。

今のところ、中国から北朝鮮への通常の外交チャンネルは機能していない。当局者が語ったところによれば、中国は北朝鮮側に何かを伝える際、財界のリーダーなどを通じた非公式な接触に頼らざるを得なくなっている。かつて毛沢東は中朝関係を「唇と歯のように緊密」と表現したが、今ではあたかも北朝鮮の唇は閉じられ、中国は歯ぎしりをしているようだ。

では、問題をどう解決すべきか。中国国内では、北朝鮮との外交関係を完全に断ち切るべきかどうかといった声さえ出ている。共産党幹部によると、今月初めに開催された中国人民政治協商会議(CPPCC)では、北朝鮮を「維持すべきか見捨てるべきか」との議論もあったという。

中国の沈黙は北朝鮮には間違いなく打撃となる。1990年代初頭以降、北朝鮮はエネルギー輸入の90%超を中国に頼ってきたとみられる。消費財の80%と食料の45%が中国からの輸入品という推計もある。中国は、北朝鮮経済の命綱を握っていると言えそうだ。

一方、中国は北朝鮮の不安定化から得るものはほとんどなく、外交関係の断絶は状況を悪化させるだけだろう。

3度目の核核実験を強行した北朝鮮の最近の行動は、日米韓の関係強化を促し、中国の影響力がどれほど低くなっているかも浮き彫りにした。北京から500マイル(約800キロメートル)以内での核戦争の脅威さえもたらしている。

故金正日総書記が中国を訪問したのは、最高指導者となってから6年後だった。後継者の金正恩第1書記も、関係強化や対話確立の前に、機が熟すのを待っているのかもしれない。

金正恩氏が米国から不当な扱いを受けていると感じていることは確かだ。短気な子どものように振る舞うことで怒りを示し、その態度が交渉や支援を引き出すことを期待している。しかし、それで望むものが得られることはまずないだろう。

対北朝鮮で何が正解かを見極めようとすることも同様に無駄な試みだ。状況変化の鍵は北朝鮮政権内部の健全性だ。金正恩氏の態度は足元の不安定化を表したものだろうか。同国の権力構図の分析は非常に難しくなっているので、「対立国」は現状維持の姿勢を通すことがベストかもしれない。

米国と韓国にとってそれは、北朝鮮の攻撃に備えて軍事演習を継続することを意味する。中国にとっては、北朝鮮との関係を切らないことを意味する。金正恩氏が自らを追い詰める事態を避けるため、確固たる外交チャンネルを作ることが重要だ。

中国が国連安保理の制裁強化を支持できないという訳ではない。制裁を支持する一方でそれを重要視しないことにより、北朝鮮と欧米諸国の仲介役を果たし、情勢の安定化を図ることが可能かもしれない。

金正恩氏が窮地に陥れば、非常に危険な状況に陥り得る。政権崩壊のシナリオを考えてみるといい。万策が尽きれば今よりさらに常軌を逸した行動に訴え、中国の存在がなければ逃げる先もなく、静かに退陣することより、国際的な危機の引き金を引くことを選択するだろう。

この惨事を阻止する役割は、やはり中国にしか担えない。たとえ影響力が過去に比べ低下していてもだ。北朝鮮の体制と核兵器を解体するための明確な策はない。しかし、 正恩氏が言う「予測不可能な(恐ろしい)栄光の炎」の到来を避けるには、 北朝鮮を見放すより、解決法を模索する方がはるかにベターな選択肢ではないだろうか。(ロイター)>

杜父魚文庫
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