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中国権力中枢の基軸が「団派+太子党」に   宮崎正弘
上海派が少数派に転落した「習・李体制」は基軸がずれた三派鼎立政権。李源潮、王洋、劉延東ら団派指導陣が政権中枢を囲んで・・・。

「愛国主義による中華民族の復興は中国の夢」と習近平は二十数回も繰り返した。ブッシュ・ジュニアの就任演説では聖書から引用が二十数カ所あったことをつい連想してしまった。

全人代は3月17日に李克強首相の演説をもって終了したが、尖閣の「せ」の字はでてこないまでも、軍事大国路線を確認し、国防費と治安対策は狂気の増大、環境汚染対策は、その半分にも満たない。

李首相が記者会見で力説した、基本方針のなかで注目して良いのは政府がもつ許認可権の三分の一を不要とすること、行政改革に大なたが振るわれ、鉄道省が解体されたことなどだ。

しかし鉄道省の解体は向こう受けを狙ったジェスチャーでしかなく、三つの部門に再編されるが、結局、その軍事優先(軍事物資と軍人の運搬が優先し、鉄道省は軍OBの天下り先でもある)と汚職の温床という宿痾的体質は変わらないだろう。

しかし全人代の諸決定より、最も注目すべき変化は人事面ででた。

昨秋党大会でトップセブン(政治局常任委員会)入りが出来なかった李源潮、王洋、劉延東の三人の団派ライジング・スターが、国家副主席と副首相にそれぞれ選出され、事実上のトップテンを形成したことである。


常任委委員の王岐山、劉雲山、張徳江、張高麗、愈正声らは六十代後半のため、五年後には引退である。後者四人はいずれも上海派である。


張徳江は全人代委員長(本来なら序列二位だが、李克強が上になり序列三位)、愈正声は全国政治協商会議主任といずれも閑職)。

副首相の張高麗は江沢民の腰巾着だったが、ここまで周りが団派に囲まれての四人の副首相体制では、(あと三人の副首相は王洋、劉延東、馬凱。いずれも団派)これまでの風見鶏になお拍車をかけて、カメレオンのごとく変身するだろう。

もうひとつの人事は最高裁長官が周強(団派。前湖南省書記)になったことで、反腐敗キャンペーンの責任者=王岐山と呼吸が合えば、これからの政治的効果を劇的に上げる可能性もある。

五年後に胡春華、孫政才(現在ふたりとも政治局に抜擢されている)のふたりが常務委員会入りする可能性も大きく開けた。

ともかく従来の「上海派+太子党 vs 団派」という三羽鼎立構造が、「上海派 < 団派+太子党」という権力構造になって権力中枢の基軸がずれたという事実に刮目しておきたい。

杜父魚文庫
| 宮崎正弘 | 09:34 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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