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円安・株高のトレンドが定着するかが焦点   古澤襄
日本経済の再生に向けて、安倍内閣の打つ手はマーケットから、いまのところ好感をもって迎えられている。3年3ヶ月に及んだ民主党政権の拙劣な経済運営の反動だから、手放しで再生に向けて離陸したと囃し立てるのは早計であろう。

マーケットの関係者の見方は、現在の円安・株高のトレンドがこのまま定着して、日本経済をデフレ脱却に導くのではないかと期待する一方で、ことし前半で円安予想は1ドル90―92円水準で頭を打ち、一服すると冷静な分析をしている。

英ロイターは、その代表的な見方として第一生命経済研究所の熊野英生・首席エコノミストの論評を伝えた。

焦点は安倍政権が7月の参院選挙で景気回復の兆しを背景にして、自民党勝利に導けるかどうかに懸かる。さらには安倍政権の景気刺激策によって4―6月の実質国内総生産(GDP)が十分なプラスになり、2014年春に消費税率を引き上げることが確実になるかどうかが試される。

安倍晋三首相が就任し、自民党政権に交代してからも、為替レートには円安予想が根強く働いている。筆者自身が、この円安トレンドの勢いを過小評価していたことは認めざるを得ない。

民主党政権での拙劣な経済政策運営の反動によって、安倍政権が脚光を浴びているだけではない。安倍首相は、2006―07年(第1次安倍内閣)の当時に比べて政策運営がしたたかに変わった。そのことが、リフレ政策に関しても政策効果に真実味を与えていると言える。


<円安継続で消費者物価上昇は本当か>

少なからぬ金融関係者が、現在の円安・株高のトレンドがこのまま定着して、日本経済をデフレ脱却に導くのではないかと信じ始めている。筆者も、円安・株高であってほしいと思っていて、その願望に引きずられる誘惑がない訳ではない。しかし、だからこそ、感情に流されず、冷静な分析を心がけたい。

もしも円安が日本経済を体質転換させるとすれば、どんな変化が起こるのだろうか。それは、円安傾向の持続によって、輸出企業の業績が大きく改善すると同時に、輸入物価の上昇が消費者物価の前年比を持続的なプラスに持ち上げていくというシナリオになろう。外需から内需への購買力の移転、内需での価格転嫁が起こることになる。

筆者のシミュレーションでは、ドル円レートが前年比15%の円安で推移して、それが輸入物価上昇に波及すれば、やがて消費者物価は前年比ベースでプラス0.5%ポイント程度の押し上げ寄与になる。過去のパターンからみれば、企業収益の拡大によって、ある程度は雇用者の賃金上昇へと波及する変化も起こっている。

しかし、このシミュレーションは、あくまで円安トレンドが継続することを所与の条件とした時の計算結果である。リフレ政策に対する過剰な期待感が剥げ落ちてしまい、円安予想が解消してしまえば、雇用者の賃金上昇を伴うような正常な物価上昇圧力は失われてしまう。円安予想が日本経済を変革する手前で、前提になる円安予想の方が先に変わってしまう可能性がある。

<試されるリフレ政策の実効性>

今後の為替レートは、円安予想を支えているリフレ政策への期待感がどこまで継続し得るかにかかっている。それを試すイベントと論点は、以下のようなものであろう。

第一に、1月21―22日の政策決定会合で日銀が前年比2%のインフレ目標を受け入れるかどうか。第二に、2―3月にかけてインフレターゲットを積極的に推進する人物が次期日銀総裁に選ばれるか(国会同意を得られるか)。第三に、4月にその人物が日銀総裁に就任して、強力にリフレ政策を実行していくかどうか。

さらにその先には、安倍政権の景気刺激策によって4―6月の実質国内総生産(GDP)が十分なプラスになり、14年春に消費税率を引き上げることが確実になるかどうか、そして安倍政権が、7月の参議院選挙で景気回復の成果を背景にして、自民党勝利に導けるかどうかという論点があろう。これらのイベントが、安倍政権のリフレ政策の実効性を試すことになるだろう。


結局、円安予想を自由自在に操ることは、うまく行かないとみている。たとえリフレ政策に寛容な人物を日銀総裁に据えても、消費者物価2%の実現は至難の業である。金融政策がインフレ率を上げるために、副作用を無視して大胆にリスク性資産を買いまくることはできない。おそらく13年4月の日銀新総裁の就任後に、人為的にインフレ率を操作できるという期待感は衰えてしまう。円安予想は13年前半で一服すると予想される。

<円安予想解消なら7―8円は円高に動く>

最後に、為替レートを巡る状況を確認しておくと、少しずつ変化の兆しがあるように思える。シカゴIMM通貨先物における投機筋の円売りポジションは、12月末までは大幅な円の売り越しになってはいるが、そのピークは12月16日の衆議院選挙辺りであり、それ以降は少しずつ売り越し幅が縮小してきている。

円安予想のモメンタムがすでに鈍っていて、為替レートが円安方向に動かされる勢いを失うと、13年前半のどこかで1ドル90―92円水準で頭を打つと予想される。

計算上、シカゴIMMの投機筋の円売りポジションがゼロになると、1ドル80.1円になる。リフレ政策への過大な期待感が剥げ落ちていけば、1ドル87―88円の水準から7―8円の範囲で、円高方向への修正が起こる可能性があると考えられる。

*熊野英生氏は、第一生命経済研究所の首席エコノミスト。1990年日本銀行入行。調査統計局、情報サービス局を経て、2000年7月退職。同年8月に第一生命経済研究所に入社。2011年4月より現職。(ロイター)>

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