<< 民主・鹿野グループが年内解散反対で気勢  古澤襄 | main | 小沢は「必死」で詰み、不死鳥でない 杉浦正章 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - | pookmark |







オバマ大統領 変革への再挑戦 断層国家 弱体化の懸念 古森義久
米大統領選でオバマ大統領の再選が決まった翌朝の7日午前、首都ワシントン地区で人気の高いラジオ局WMALの放送で「インターナショナル」のメロディーが流れた。旧ソ連の国歌だったあの革命歌である。

「この国でもついに社会主義が勝利を飾りました」

このラジオのトークショーのホスト、クリス・プラント氏がおふざけながらも、ときに真剣味をこめて、オバマ氏の勝利は米国の社会主義化を意味するのだと語るのだった。プラント氏は保守派の論客である。

 ◆「社会主義化」の衝撃

今回の選挙の結果は共和党支持の保守派にとってはたとえ冗談半分にせよ、自国の社会主義化にたとえたくなるほどの衝撃的な展開だということだろう。

同じWMALに正午から登場する保守論客で全米一のラジオ聴取者数を誇るラッシュ・リムボウ氏は選挙結果を「自分たちにとってのサンタクロースを打ちのめす人間はいないでしょう」と総括した。政府からの”施し”が欲しい有権者たちはみなオバマ氏に票を投じたのだという嫌みだった。

この2人の保守派代表の誇張した表現に集約される政治志向は、共和党のロムニー候補に投票した全米5870万の有権者にみな程度の差こそあれ、共通するといえよう。だがその志向はオバマ氏に票を投じた6200万に僅差とはいえ勝利を譲り、敗れた。

今回の選挙ではリベラルと保守、「大きな政府」と「小さな政府」という大ざっぱな表現で定義されるイデオロギーの差異はかつてなく大きかった。その断層はオバマ政権2期目でもなお一段と深くなることが予測されるのだ。

経済の運営にも政府が最大限、介入し、支援する。福祉を拡大して貧者や弱者を大幅に助ける。自由競争も規制して、富者、強者への徴税を増し、富の再配分を図る。オバマ大統領が過去4年に推進したこうしたリベラル施策はどうみても成功とはいえなかった。巨額の財政赤字の増大や経済成長の停滞、失業率の高止まりがそれを実証した。

ロムニー候補はそれに正面から挑戦して、経済では民間活力や自由競争、福祉では自助努力、財政では緊縮など、保守主義の政策を主張した。この両勢力の戦いは激しさを極め、ベテラン政治研究家のマイケル・バロン氏に「まるで2つの異なる国になったようだ」と語らせたほどだった。

 ◆典型と斬新さの争い

確かに今回はイデオロギーや政策だけでなく、人種、世代、宗教、貧富などまでが民主、共和の両党の区分に沿って2つにはっきりと分かれた。伝統的で典型的な米国と、斬新で型破りの米国との争いだった。いかにもアメリカらしい勢力と、そうではない勢力の戦いだったともいえよう。

こうした断層はオバマ政権の4年間により深く刻まれていった。オバマ氏が就任当初に唱えた団結や超党派の標語とは正反対への流れだった。遠ざけられた側は米国の主流と自負する価値観を否定された怒りから反発をますます激しくした。だが選挙では従来の米国を変容させようというオバマ氏側が勝ったのである。

ただしその勝利の方法は自陣営の実績や理念を語ることを避け、相手の負をことさらに拡大したネガティブキャンペーンが大きかった。社会の端に立つ集団や若い世代からの投票を巧みに吸い集める戦術も多かった。だからこそ負けた側には怒りや恨みがますます高くなることも自然だろう。

その結果、第2期オバマ政権下では米国の基本的な変容の是非をかけて、「2つのアメリカ」のせめぎあいがさらに激しくなり、米国のパワーが内外で弱くなることも懸念されるのである。(ワシントン 古森義久)=おわり

杜父魚文庫
| 古森義久 | 13:13 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







スポンサーサイト
| - | 13:13 | - | - | pookmark |







コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://kajikablog.jugem.jp/trackback/1001993
トラックバック

CALENDAR

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< June 2019 >>

SEARCH

SELECTED ENTRIES

RECENT COMMENT

CATEGORIES

ARCHIVES

LINKS

PROFILE