<< 民主党公約検証 破綻した原因の究明が先だ  古澤襄 | main | 米ハリケーンの猛威と地球の気候変動  古澤襄 >>
国際関係における優越感と劣等感は厄介だ  加瀬英明
10月に中国における反日デモは、漢製あるいは官製だったが、暴徒が日本資本の百貨店や、工場や、ショールームに乱入して、狼藉をきわめた。

ちょうど同じ時期に、中東イスラム圏にわたって反米デモの嵐が荒れ狂った。リビアでは、アメリカ大使と3人の館員が惨殺された。

<情報大航海時代は相手の凝視が必要>

アメリカで無名の映画製作者が、モハメドの生涯についてつくった映画の予告編が、ネットに流れたのが引き金をひいたのだった。

中国と中東において、このような嵐が吹き荒れるのは、偶然の符合では決してない。

中国では漢製デモが間違うと、自分に歯向かってくるのを恐れて、政権が急ブレーキを踏んだ。一党独裁国家は、アコーデオンによく似ている。

デモをけしかけると思うと、禁止する。せわしい。アコーデオン奏者のようだ。だが、そのうちにアコーデオンがほころびてしまう。

日系企業を迫害すれば、自らの首を絞めることになる。経済が減速すれば、共産王朝が揺らぐことになろう。

エジプトは中東における最大のイスラム国家だが、今年の大統領選挙で、イスラム原理主義のムスリム同胞団が政権を握った。モルシ大統領がアメリカがモハメドを冒涜したといって、反米熱を煽った。

<扇動は政治をあやまる>

エジプトは中東において、アメリカの援助の最大の受け手である。

モルシ政権は新憲法の制定を進めているが、モハメドだけでなく、イスラムの聖者全員に対する、厳しい冒涜罪を盛り込むという。エジプト経済は観光収入によって成り立っているが、原理主義が支配するイランのような恐ろしい国になったら、観光も干上がることになろう。

リビアでカダフィ独裁政権を倒して、それまで弾圧されていたイスラム原理主義者を解放したのは、アメリカが主導した軍事介入のお蔭だった。イスラム原理主義は、エジプトのムバラク政権のもとでも弾圧されていた。

<不毛な対立をこえるのが叡知>

中国の小平時代に入ってからの目覚ましい経済発展は、日本国民の巨額にのぼる血税が支えた経済協力によったものだった。

日中関係は、キリスト教徒とイスラム教徒との間の不毛な対立と酷似している。

イスラム世界は長い間にわたって、ヨーロッパのキリスト教圏よりも、文明がはるかに先を進んでいた。

イスラム文明は16世紀まで黄金時代にあって、航海術、建築、医学、哲学、数学、天文学、法学、文芸のどれをとっても、キリスト教圏の上をいっていた。おなじみの『千一夜物語(アラビアン・ナイト)』が、その栄華を物語っている。

<ルネッサンスの輝きが道を開く>

西洋史に「暗黒の時代」と呼ばれる時代があったが、中世ヨーロッパではローマ法王が絶対的な権威を振って、キリスト教の頑迷な教義を押しつけて、ヨーロッパにおける一切の学問の進歩を止めた。教義に外れる者は異端者として迫害され、しばしば殺された。

しかし、イスラム世界から進んだ学問がイベリア半島や、イタリア半島を通じて、ヨーロッパに徐々に浸透してゆき、文芸復興(ルネッサンス)がもたらされた。イスラム圏はヨーロッパにとって、師であった。

<マルチン・ルターの宗教革命>

1517年に、ドイツの宗教学者のマルチン・ルターが、ウィッテンブルグ城教会の厚い扉に、ローマ法王に反抗する宣言文を打ち付けた。キリスト教新教(プロテスタント)の出発点となったが、ルネッサンスの中核的な事件だった。

ヨーロッパはこの事件を回転ドアにして、暗黒の世界から光明の時代へ移っていった。

<イスラムのトルコ軍の勝利>

この同じ年に、イスラムのトルコ軍とアラブのイスラム連合軍が、現在のシリアの首都のダマスカスから、北へ100キロほど離れたアレッポで大会戦を戦って、アラブ軍が敗れた。

アレッポといえば、8月に日本の女性ジャーナリストの山本美香さんが、内戦の取材中に殺害されたことによって、日本で知られるようになった。

トルコがアレッポ会戦に勝った後、第一次世界大戦でドイツ、オーストリア・ハンガリー帝国と同盟して敗れるまで、北アフリカにいたるまで広大なイスラム圏を統治した。

<イスラムの文明の進歩がとまった>

トルコが全イスラム世界を支配するようになると、それまでのイスラム文明の進歩がいっさい停まり、イスラムの栄華の時代が終わった。イスラム圏が光明の時代から、暗黒の時代に移ってしまった。ヨーロッパでは同じ年を軸として、光明の時代が明けた。

ところが、中東を訪れると、イスラム教徒はかつてヨーロッパのキリスト教世界がはるかに自分たちよりも遅れていて、キリスト教圏に科学から文芸まですべてを教えた時代を覚えており、抜きがたい優越感をいだいている。

イスラム圏の人々は優越感と合わせて、救われ難い劣等感によって嘖まされている。

トルコ帝国が解体してから、トルコによる支配と較べれば、はるかに短い期間でしかなかったが、イギリス、フランス、イタリア、スペインが中東を分割して、統治するようになった。

中東のイスラム圏の人々は気がついてみると、長い間にわたって遅れていたとみなしていたキリスト教世界によって、取り返しのつかない大きな差をつけられてしまった。

そのうえに、イスラム版の中華思想がある。イスラム教が世界でもっとも優れており、世界をイスラムの信仰のもとに置くべきだというものだ。

<抜きがたい優越感と癒しがたい劣等感が原点>

イスラム圏においては、ヨーロッパとアメリカのキリスト教圏に対して、抜きがたい優越感と、癒しがたい劣等感が共存している。

イスラム圏の人々は、キリスト教世界がどうして今日にいたる長足の発展をとげたのか、西洋の長所をみることを拒んで、彼らが好血、無法、貪欲で、狡いから、われわれを追い抜いたという説明しかしない。

日中関係をとると、19世紀後半に気がついてみると、日本のほうが取り返しがつかないほど、先を行くようになった。

<相互理解とは勇気がいる>

中国人は日本について良いところを見ようと、けつしてしない。日本が和を重んじ、秩序ある社会を営んで、地道な努力を重ねてきたことなどを、評価しようとしない。

中国人はいささかも、反省しようとしない。韓国も中華文化圏に組み込まれているから、中国と同じことだ。

イスラム・キリスト教圏間の不毛の対立を、日中関係にそのまま、あてはめることができる。

中国と韓国人は日本に対して抜きがたい優越感と、癒しがたい劣等感を合わせ持っている。

私たちの日常の場でも、過剰な優越感か、深い劣等感をいだいている者と、交際することは難しい。このような人は、精神が病んでいる。

過剰な優越感と、異常な劣等感を兼ね合わせて持っている者となると、精神科のクリニックへ連れてゆくほかあるまい。

<教育は人間の本性をつくる>

私はもう40年以上も、中国人の本性は2000年以上にわたって変っていないと、警告してきた。


日本国民はおそらく縄文時代のころから、海の彼方の常世(とこよ)から幸せがもたらされると、憧れてきた。

七福神は中国の「竹林の七賢」に発するといわれるが、7体の神々は中国を経て日本に来たものだ。ヒンズー教をもととして、仏教、道教の神格に、日本において神道が混交している。

私たちはごく最近まで床の間に、中国の山水画の掛け軸を飾って、賞でてきた。私が幼年時にはじめて接した中国は、掛軸によった。だが、山水画から恐ろしい龍が飛び出してきて、荒しまわろうとしている。

中国から宝船はこない。ほどなく解放軍の軍艦が、尖閣諸島を襲おうとしている。尚武の心をもって、これをさけなければならない。

杜父魚文庫
| 加瀬英明 | 03:08 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







スポンサーサイト
| - | 03:08 | - | - | pookmark |







コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://kajikablog.jugem.jp/trackback/1001898
トラックバック

CALENDAR

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< July 2019 >>

SEARCH

SELECTED ENTRIES

RECENT COMMENT

CATEGORIES

ARCHIVES

LINKS

PROFILE