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各紙にみる国会事故調での勝俣会長発言 阿比留瑠比
昨日は東電福島第一原発事故を検証する「国会事故調」が開かれ、東電の勝俣恒久会長が参考人として招致されました。この事故調に関しては、私も強い関心を持っているのですが、弊紙では担当は社会部と仕分けされている上、私自身、いろいろと雑用があってなかなか取材できません。

というわけで、本日は備忘録も兼ねて、今朝の新聞各紙の記事から気になった部分を抜き書きして置こうと思います。特に驚愕の新事実という類の内容はないと思いますが、それでもこういう積み重ねで分かってくることもきっとあることでしょう。

国会事故調はいずれ菅直人前首相からも聴取する予定ですから、そのときの証言とどう食い違うかも興味があります。まず、きょう一番、大きく取り上げていたのは朝日で、1面と4面に記事が載っていました。

《(勝俣氏は)菅氏らが福島第一原発の吉田昌郎所長に直接指示したことを「(首相らの対応に)時間をとられたというのは芳しくない」と批判》(朝日1面)

《事故発生直後、菅氏や当時の事故担当首相補佐官だった細野豪志氏は、福島第一原発の吉田昌郎所長に直接電話で指示を出した。

「混乱の極みで、最高司令官は指揮をとらなくてはいけないのに、質問的な話で時間をとられたというのは芳しくない」

その一方、原子炉への海水注入の判断は、官邸から「中断」の指示があったという認識を前提に「いやしくも日本の総理。私が注水を継続しようと言うのは難しかった」として、官邸の責任を強調した。

清水正孝前社長が福島第一原発の作業員の「全員撤退」を政権側に打診したとの指摘には、勝俣氏は「まったく事実ではない」と否定。事故対応にあたる約70人以外を退避させるという考えを清水氏が伝え、菅氏も了解していたと説明した。》(朝日4面)

次に、日ごろ原発関連報道に力を入れている東京はどう書いているか。2面に3段見出しで以下の記事がありました。

《勝俣氏は事故直後に菅直人首相(当時)が、福島第一を視察し、吉田昌郎所長(同)らが対応に追われたり、菅氏らが視察後にも携帯電話で吉田氏に問い合わせをしたりしたことを「混乱の極みで発電所長は指示をし、指揮を執らなきゃいけない。そんな時に質問的な話で時間を取るのは芳しくない」と批判した。

勝俣氏によると、菅氏のほか細野豪志首相補佐官(同)も、携帯で吉田氏に問い合わせていた。自身は当時、そのことを知らなかったという。》

……確かに当時、細野氏は頻繁に吉田氏に電話をしていました(電話の件は以前のエントリでも少し触れました)。菅氏がどの程度の頻度で電話をしていたかは分かりませんが、あのせっかちで切れやすい性格を考えるとゾッとします。

同じ脱原発派でも、毎日新聞の記事は6面の総合・経済面の小さな囲み記事扱いでした。特にニュースはないと判断したのか。

《(勝俣氏は)吉田昌郎前所長が菅直人前首相の視察の対応に時間を取られたことに「所長は復旧に全力を尽くすべきだ。あまり芳しいことではない」と批判。「全部ではないが私にも対応は可能だった」と、菅氏が吉田氏と携帯電話でやりとりしていたことにも不快感を示した。》

読売も2面のベタ記事でした。でも、各紙とも同じ部分を取り上げているのに、少しずつ表現や解釈、発言から切り取る部分が違うところが興味深いですね。読売は勝俣氏自身の言葉ではなく、記者の解釈として下線の部分を付け加えています。

《勝俣氏、菅前首相が事故翌日に同原発を視察したことについて、「(当時の)吉田昌郎所長らが対応したが、所長は事故の復旧に全力を尽くすのが一番大事だった」と述べ、首相視察が事故処理の妨げになったとの認識を示した。》


日経は、社会面に3段見出しの記事を掲載していました。ここも、読売と同様の解釈を示しています。

《菅直人前首相は事故翌日の3月12日に現地入り。吉田昌郎前所長が対応した。これについて勝俣会長は「所長は責任者として事故復旧に全力を尽くすことが大切だった」などと指摘。前首相の訪問により事故処理に支障が生じたとの認識を示した。またその後も前首相が前所長に直接電話連絡を繰り返したことについて「現場の最高司令官が官邸からの質問で時間をとられるのは芳しくなかった」と述べた。》

最後に産経です。うちも2面に3段見出しという扱いでした。

《事故直後に菅直人首相(当時)が、ヘリコプターで同原発の視察に訪れた際、吉田昌郎所長(同)が対応したことについては、「吉田は事故復旧に全力を尽くすべきで、対応したのは芳しいものではない。反省材料だ」と述べた。》

《3月14日に清水前社長が政府に「前面撤退」を申し入れたとされる問題については「撤退は全く考えていなかった」と、従来の東電の説明と同じ見解を繰り返した。》

……ただ、2月に公表された「民間事故調」の報告書では、吉田所長が首相の突然の訪問について東電本店に「私が総理の対応をしてどうなるんですか」と難色を示したことが記されています。これもきっと、勝俣氏に言わせれば「いやしくも日本の総理」の要請なので断れなかったというところでしょうが、まるで人ごとのように吉田氏を批判する発言はどうかと思います。

いずれにしろ、事故発生からしばらくは、菅官邸の顔色をうかがい、首相の視察は作業の直接的な邪魔にはなっていないという趣旨のことを述べていた東電も、そろそろ遠慮は無用という感じになってきたのでしょう。事実関係を正しく知るためにはそっちの方がありがたい。

ま、なんにせよ一番悪いのは人外のアレであることには変わらないでしょうが。国会事故調は17日には、海江田万里経済産業相(当時)を呼んで話を聞くことになっています。これも注目ですね。

杜父魚文庫
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