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オバマ政権の対中政策の弱点とは(続2) 古森義久
中国の盲目の人権活動家をめぐる動きは期せずして、オバマ政権の対中外交の欠陥をもさらけ出しました。

オバマ大統領自身、実はこの陳氏弾圧については4月30日の野田佳彦首相との共同記者会見でも米人記者から質問され、「今は論評できない」と逃げて いた。5月3日に北京での開催が決まっていた「米中戦略・経済対話」を前にして、中国政府を批判することになる言明はあえてしたくはない、という配慮が明 らかだった。


しかし盲目の人権活動家というのは一般米国民にも強烈にアピールする。目の不自由な人権擁護の弁護士を中国当局が逮捕したり、弾圧したりすることへの反発は、米国民の間ではものすごく強い。オバマ政権がその盲目の人権活動家への同情や連帯を示さないとなると、米国民は同政権を激しく非難することになる。

だが、オバマ政権は陳氏が山東省の自宅に軟禁され、公安警察の係官たちに取り囲まれ、家族や友人たちが迫害を受けても、特に非難の声明を出すことはなかった。

オバマ政権は、中国政府の人権弾圧を糾弾することには極めて難色を示すのが常なのだ。人権に一定範囲を超えてこだわると、中国を刺激し、米中関係全体を友好的に、安定させて保つことが難しくなる、というような思考が基本なのだろう。

だが、米国民一般にとって人権問題というのは、中国でも、ロシアでも、アフリカ諸国でも、大切なのである。特に大統領選挙の年には、一般米国民は自国の政権の人権問題への姿勢に向ける監視の目を厳しくする。だからオバマ政権が中国の人権弾圧にはあまり関心を向けないとなると、オバマ大統領の再選の見通しにも悪影響を及ぼすことにもなるわけだ。

現に私が傍聴した公聴会でも共和党議員たちからは、オバマ政権の対中姿勢に対し「軟弱すぎる」「人権弾圧を批判しない」という非難が相次いだ。

米中G2は幻想に過ぎなかった

第3の教示は、米中両国の基本的な差異が明らかになったことである。

米中両国は経済面では相互依存の関係にある。米国側には中国との「戦略的互恵」を説く向きも少なくない。ところが今回の陳事件は、米中両国の間に根本的な政治態勢の異なりや価値観の食い違いがあることをいやというほど示した。

米国には中国との将来の関係について「G2論」という意見があった。最近でこそ少なくなったが、つい1〜2年前までは国政の場でも語られるほど、広範な支持があった。(つづく)

杜父魚文庫
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