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中国は前近代的な貴族国家だ 加瀬英明
中国は試験航海を終えた航空母艦の第1号艦を、『施琅(シーラン)』と命名した。

施琅は今から329年前に清王朝の命を受けて、「反清復明」を唱える鄭氏政権が籠った台湾を攻略した提督である。これは、中国が台湾を併呑しようとする野望を、露骨に示したものである。 

私は昨年12月にワシントンを訪れた時に、アメリカの友人からつぎのような話を聞いた。

2008年に、アメリカの中国専門家の第一人者のリチャード・フィッシャーがアナポリス海軍兵学校に招かれて、1000人の未来のアメリカ海軍士官を前にして講演した。

質疑応答になった時に、台湾から来た外国留学生だと名乗った生徒が立ち上って、「中国が台湾に侵攻をはかったら、台湾人は最後の1人まで戦います!」と、叫んだ。

すると、1000人の士官生徒全員が立ち上って、いっせいに歓声をあげ、拍手したという。


台湾は台湾人に属する。歴史的にいって、満州、チベット、新疆などと同じように、中国の古有の領土ではない。

中華人民共和国は中国史を通じて、登場しては滅びた帝国である。国名を中華人民共和国でと稱していても、人民による国ではない。

中華人民共和国は、貴族が治めている国だ。中国の最高権力者の圧倒的多数が、毛沢東に従った古参幹部の血を享けた太子たちである。300あまりの一族が、すべてを握っている。

胡錦濤国家主席が共産主義青年団グループに属し、次の最高指導者の習近平副主席が毛並みの良い太子党グループとして、区分けされる。太子党は中華人民共和国の株主グループに似ているが、どちらも同じ穴の貉(むじな)だ。

建国当時の古参幹部の子か孫であるか、あるいは幹部の側近をつとめたことによって貴族となった者が、権力を握っている。習近平は毛沢東の戦友の習仲勲国務院副総理の子だし、胡錦濤は小平の娘と胡耀邦の息子によって、引き立てられた。

政権を軍事力が支えている。軍も、中国のオーナーだ。軍幹部も貴族が多い。

2010年6月では、軍のトップの57人の将官のうち34人が中国共産党の最高幹部を兼ねている。軍人が7人の党政治局員のうち2人、党中央委員の56%に当たる32人を占めている。

これまで中国は経済成長が、目覚ましかった。『ブロンバーグ・ニュース』によれば、全人代の2987人の代議員のなかで、富裕な上位70人の私財を合計すると、4931億人民元(約5兆4000億円)にのぼるが、アメリカ上下院について上位70人の私財を合わせても、480億ドル(約3800億円)にしかないと、報じている。

アメリカの1人当たり国民所得が中国の十数倍だから、途方もない巨額だ。中国には政治家の財産を公表する制度がないが、日本の国会議員と較べてみたら、貧しいものだ。

『ロンドン・タイムズ』紙によれば、中国トップの12の不動産会社はすべて党最高幹部の子が所有している。巨利を生む有料道路のオーナーの85%も、高官の子弟だ。2010年に中国で1600万ドル(約1億2800万円)以上の年収があった3220人の91%が、党幹部の子たちだった。

中華人民共和国は、巨大な同族会社だ。収賄、横領などが、蔓延している。数千年にわたる中国社会のありかただ。

中国には、1000万人にのぼる公務員がいる。こぞって上の真似をしているが、不思議でない。中国語には昔から、日本語にはない「官禍」、「清官」という言葉が存在する。

中華人民共和国で、先祖返りが進んだ。毛沢東時代には儒教を封建思想として、「批孔」といって孔子を排撃し、全国の孔子廟を破壊した。いまでは孔子を称えて、「孔子研究所」を世界に輸出するようになっている。

毛沢東、マルクス、孫文は、19世紀なかばに清朝末期を揺さぶった太平天国の乱を、社会主義の先駆けとして絶讃した。

太平天国の乱は私有財産を否定、土地を平等に分配、貧富の差をなくして、男女平等、異民族の満族による支配である清朝を倒すことを求めて、中国中心部を支配下に収めた。その後、政府軍によって討伐されて終息した。

私は1979年に中国に招かれて、初めて訪れた。全員が人民服を着て貧しく、平等だった。「太平天国の中国に来た」と思った。

毛沢東時代には清朝の漢人の将軍で、「礼教(儒教の教え)を守れ」という名分を掲げて、太平天国の乱を討伐した曽国藩を裏切り者として非難したのに、いまでは愛国者となっている。いまや中国はマルクスを捨てて、支配者が絶対という儒教国家となった。

日本は自由な台湾なしに、立ち行かない。日本にとって、台湾は核心的利益だ。なぜ、久里浜の防衛大学校に台湾の留学生がいないのか。日本は台湾とともに興隆し、台湾とともに亡びる。

杜父魚文庫
| 加瀬英明 | 11:53 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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