<< 「石原新党」動き加速 消費税攻防見極め“勝負”  古沢襄 | main | 藤井裕久元財務相の妥協案と谷垣自民党総裁  古沢襄 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - | pookmark |







誰も書かない6年制薬剤師国家試験 石岡荘十
大学の薬学部が、4年制から6年制へ移行したのは2006年のことだった。あれから6年、以前にくらべ2年長く教育を受けた第一期生が先月3日、薬剤師になるための国家試験を受けた。全国99大学、9785人が試験に臨み、30日、合格者8641人(合格率88.31)の名前が発表になった。6年間の専門教育を受けた学生がはじめて世に出る記念すべき第1回国家試験だった。

医療現場における薬剤師の存在感を高めようというこの試みはいずれ、患者とくすりのありように変革をもたらすものと関係者は期待しているが、この間の経緯とその展望についての記事をほとんどの大手マスコミは書いていない。

医療現場で見かける医療の主役はと聞かれれば、誰でも医師と看護師だと思うが、実は、ほとんどの患者が医師が処方するくすりの世話になっている。しかし、薬剤師はバックオフィスで仕事をしており、病院で患者と顔を合わせる機会は滅多にない。医師に処方箋をもらって、薬局に行くとやっと薬剤師にお目にかかるが、「処方箋に従って薬を数えて渡してくれるお姉さん」くらいにしかほとんどの患者は思っていない。いわば黒子である。

高齢社会では特に、沢山のくすりを処方されて、「飲み忘れる」「飲みきれない」、「くすり漬け」などが社会問題になっているが、一向に改善されない。そこで、6年制への移行をきっかけに薬学部では、臨床を重視した実務実習などの教育が行われてきた。

今までのような医療の脇役ではなく、患者と直接顔をあわせ、専門知識を駆使して医師とは違った視点からどのような薬物療法が良いのかを提言していく役割を期待してのことだ。また患者には「どんな薬がいいのか」「どう使えばいいのか」をしっかり説明し、医師に対しては意見を述べることができるような知識とコミュニケーションのできる薬剤師を育成するためには、4年間の勉強では足りないと判断しての改革だった。

欧米では医療現場で常時使われるくすりは500種類程度だといわれる。これに対して日本で国が認可している薬の種類は1万8千。国家試験を通った医師はこの中から、一人ひとり、異なった病状を持った患者に「一番ふさわしい薬を選ぶ」期待と責任を負わされている。処方権は医師にだけ認められた特権だが、そんなこと言われたって、医学部でくすりについてろくな教育を受けていない医師には無理に決まっている。そこで、仕方なく、駆け出しの医師は、先輩の医師の猿真似で処方するか、MR(製薬会社の営業担当)のお勧めに従うしかない。ここに「くすり漬け」(多剤処方)の大きな原因があると言われている。

薬剤師がくすりの専門家として医師に対等な立場でアドバイスする。6年制で医療現場に配置される薬剤師が、直ちに、関係者が期待するこんな成果を挙げるとは思わないが、その第一歩を踏み出したことに、マスコミはもっと注目したほうがいい。

杜父魚文庫
| - | 16:24 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |







スポンサーサイト
| - | 16:24 | - | - | pookmark |







コメント
今までに発見された人間の病気の数は、おそらく何千種類と存在するでしょう。それに対して、たった500種類の薬しか使用できないとすると、多くの病気に対しては、有効な薬が使えないという悲惨なことになります。

また、同じ病気でも、患者の病態生理により、色々な薬が必要になります。例えば、心房細動の治療においても、その治療は、画一的なものではなく、患者の年齢・心機能・肝機能・腎機能を見極めながら、総合的に抗不整脈剤を選択する必要がある。

同じ病気でも、患者ごとに違う病態生理を考えながら、適切に薬が選択されるべきである。薬剤師の役割を否定するものではないが、患者の病態生理を一番的確に判断できるものは、患者と最も接する医師である。
| 通りすがり | 2012/04/09 10:59 AM |
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://kajikablog.jugem.jp/trackback/1000392
トラックバック

CALENDAR

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< May 2019 >>

SEARCH

SELECTED ENTRIES

RECENT COMMENT

CATEGORIES

ARCHIVES

LINKS

PROFILE