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中国共産党内で二つの勢力が暗闘  古沢襄
米ウォール・ストリート・ジャーナルの特派員が北京から「中国共産党内で二つの勢力が暗闘−薄書記解任で」と題する論評を送ってきたが、北京・産経の論評と同様に読ませる。北京から中国共産党内の暗闘をあからさまに書くことが出来ることは、やはり時代の変化であろう。

しかし、この風潮が胡錦濤国家主席、温家宝首相らリベラルな改革派の下で、遅々とした足取りながら進められたのを否定することは出来ない。明らかに江沢民時代とは異なる。最近の薄熙来解任劇は、その象徴といえる。

だが今秋に党総書記になると目される習近平国家副主席が江沢民時代に逆戻りする可能性がある。習近平氏は国家による経済・社会統制強化を提唱する勢力の代表選手といわれる。これは胡錦濤国家主席が志向した民間部門、市民社会、法の支配を主張するリベラル改革とは異なる。

米ウォール・ストリート・ジャーナルは、この二つの異なる勢力が中国共産党内で対立、暗闘を繰り返すと予測している。やはり中国の民主化は遙かに遠い夢だといわざるを得ない。

【北京】毛沢東思想の復活を唱えていた中国・重慶市トップの薄熙来共産党委員会書記が15日に解任されたことを受けて、中国共産党内部で敵対する2つのエリート勢力が今後、指導部支配を狙ってますます公然と闘争を展開する可能性がある。 

薄氏はつい最近まで、党の最高機関である政治局常務委員会メンバーの最有力候補とみられていたが、解任された結果、同氏の政治生命に終止符が打たれ、一見して党のリベラルな改革派が勝利したかにみえる。 

しかし、薄氏放逐の結果、改革派として知られる広東省の汪洋・党委員会書記のようなリベラル派の人物が政治局常務委員会入りする道が自動的に開かれたことにはならない。汪氏は最近、土地収用をめぐる省内の村民の反乱を平和的に処理して称賛された。

実は薄氏解任は、今年秋に党総書記に選ばれると予想されている習近平国家副主席と並んで、薄氏に連なる人物が政治局常務委員会(現在9人)入りを確実にしようとする動きに一層はずみをつける可能性がある。

最高指導部をめぐるこうした争いは、共産党が転換期にあることを鮮明にしている。党内では、薄氏がそうだったように、国家による経済・社会統制強化を提唱する勢力と、汪氏のように民間部門、市民社会、法の支配を主張する勢力との亀裂が深まっている。 

薄氏解任は、温家宝首相が前日、同氏名指しは避けたものの重慶市指導部を異例に厳しい調子で叱責したことに続く動きだ。温首相は記者会見で、重慶市指導部は薄氏の側近だった王立軍前公安局長が米総領事館に駆け込むというスキャンダルから「教訓を学び、反省すべきだ」と語った。薄氏解任とその後継者の名前は翌15日朝に発表された。 

リベラル派勢力は総じて薄氏の政策を嫌悪している。しかしアナリストたちは、薄氏の本当のミスは、彼の派手な個性とポピュリスト(大衆迎合主義)的なスタイル、そして昇格への露骨な工作によって、中央の権力グループ間の微妙なバランスを狂わせ、コンセンサスによる政策決定という文化を毀損したことだったと指摘している。 

カリフォルニア大学バークレー校の中国政治専門家で、クリントン政権下で国務次官補を務めたことがあるスーザン・シャーク氏は「彼ら(党中央)が薄氏を解任したのは、同氏が重慶で何か間違ったことをしたからではなく、こうした工作をしたからだ」と指摘。「天安門広場事件以降、党中央は指導部をいわばブラックボックスの中にしまっておくよう努めてきたからだ」と述べた。 

そこで今後の注目点は、薄氏解任によって権力バランスが直ちに回復されるのか、あるいは対決する陣営同士が互いに闘争を続け、党の権力掌握に決定的に重要な団結が壊されてしまうのか、ということだ。党は現在、経済減速とますます強まる一般市民の要求への対応を迫られている時期だけになおさらだ。

前回、中国指導部に重大な亀裂が見えたのは、1989年の天安門広場事件の際だった。当時、何百万人もの市民が民主化を要求して街頭に乗り出し、天安門広場に集結した。最終的には、人民解放軍の手で弾圧され、殺された市民は何百人とも何千人とも言われている。デモ隊に同情的とみられていた改革派指導者は党から追放された。 

06年にも、それよりは小さな権力争いが発生した。これは政治局メンバーで上海市共産党委員会書記の陳良宇氏が汚職で追放された事件だ。同氏の後任となったのが現在国家副主席の習近平氏だった。習氏はそのわずか数カ月後に常務委員会メンバーに異例の昇格を果たした。 

薄氏は現段階では、陳氏と同じ運命にはならないようにみえる。同氏は25人で構成する政治局のポストはそのまま維持する公算が大きく、政治問題に口出ししない限り、権限のもっと小さいポスト、例えば政府諮問機関の副トップになるのではないか、とアナリストらは予想している。 

しかし、もし薄氏が協力しなければ、側近だった王立軍副市長兼前公安局長が提供した、薄氏にダメージになる各種資料に基づいて、さらに追い詰められる恐れがある。王氏は先月、四川省成都にある米総領事館に駆け込んで一夜を過ごした後、中国公安警察に身柄を拘束された。 

薄氏解任は、同氏を支持していた党の同胞幹部にとって個人的にも思想的にも打撃となるだけでなく、下級レベルの当局者や学者にとっても打撃だ。これらの人々は薄氏の唱えていた毛沢東思想復活を支持しており、「ニューレフト(新左翼)」と呼ばれている。 

しかし、薄氏に代わって張徳江氏が重慶市党委員会書記に任命されたことは、薄氏に連なる一派の力が依然として強いことをうかがわせる。張氏は北朝鮮の大学に留学して経済学を学んだこともある。現在、産業・エネルギー担当の副総理で、巨大な国営企業に近いとみられている。 

北京の人民大学の中国政治専門家、張鳴氏はニューレフトについて、「彼らはきわめてしぶとい」と述べ、「彼らは頼るべき新しい指導者を見つけられる」とみている。 

共産党内部の派閥と利益集団の構成は流動的で、オーバーラップすることがしばしばだ。しかし張副首相がリベラルな改革派陣営に属さないことは明白だ、とアナリストは指摘する。 

03年の広東省党委員会書記時代には、新型肺炎と呼ばれた感染症SARSの流行隠蔽(いんぺい)工作を指揮したとして広く批判された。 

張氏は、中国に侵略した旧日本軍や国民党軍と戦った人民解放軍将軍の息子で、同じように父親が革命時代の有名な指導者だった薄氏と同様に、「太子党」の一員と目されている。 

また、薄氏と同様に、江沢民前国家主席に近いとみられている。江氏は10年前に退任した際、同志を集めて党のエリート層を形成しており、他の退任した重鎮たちと並んで、今年秋の最高指導部人事に発言権があるとみられている。

さらに、薄氏が最近までそうだったように、張氏は政治局常務委員会メンバーの潜在的な候補者だ。ただし暗黙の党規則では、彼は既に65歳であるため、一期5年間しか務められないことになる。 

ワシントンのブルックリン研究所の中国政治専門家チェン・リー氏は、薄氏の失脚によって恩恵を受ける人々は薄氏と同じ派閥出身者かもしれないと指摘。「それは共和党の予備選挙みたいなもので、ある候補が敗れると、他の共和党候補が有利になるのだ」と語った。(ウォール・ストリート・ジャーナル)

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